交響曲第9番 ジョナサン・ノット&バンベルク交響楽団(2SACD)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2009年09月28日
録音が特定の「色」をつけないタイプのものなので、今一つ押し出しが弱く感じられるが、演奏の精緻さは特筆に値する。そんなに大暴れしない着実型だが、第1楽章展開部の盛り上がり、第3楽章最後の激しい追い込み、第4楽章の弦の厚みなど、エモーショナルな面でも決して淡白ではない。1番のようにナイーヴな曲よりは、現代音楽に近いこの曲の方がノット向きであるのは明らか。オケのうまさにも舌を巻く。近年、ドイツの地方オケは団員の顔ぶれも国際的になり、ミニBPO化していると言われるが、まさにそんな印象。財政基盤は安定しているのが当然の放送オケでなくとも、優秀な団員を確保できる財政支援(州政府と市民の支援)があるのは、うらやましい限り。下手をすると在京オケなど「バンベルクより下手」と言われかねない。ただ一つ、同じタイプのラトル/BPOと比べられると確かにつらいので、後はどう自分独自のカラーを出すかだろう。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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