ハフナー・セレナーデ ヴァント(指)バイエルン放送響
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しばいぬ | 京都府 | 不明 | 2017年05月17日
私はハフナー・セレナードの第6楽章アンダンテを溺愛していて、モーツァルト全作品中でも5本の指に入れたいほどなのだが(同じような評価を与える人を他で見たことがないのがホントに不思議なくらい)、この最高のアンダンテを最高に美しく演奏しているのが、コープマンと本盤のヴァント&バイエルン放送響である。ヴァントによるハフナー・セレナードと言えば、一般的に北ドイツ放送響との録音の評価が高く、たしかにこれも非凡な演奏ではある。だがここでは、このバイエルンとのライブ盤こそ真っ先に聴くべき名演であると特筆大書したいのだ。上述のように私がぞっこん惚れ込んでいる第6楽章アンダンテの演奏タイムは、北ドイツ盤が9:08なのに対して、バイエルン盤は9:47である(参考までに同じ楽章のブリュッヘン盤が7:21、コープマン盤は8:38、ベーム&ベルリンフィルは7:41)。北ドイツ盤でもかなり遅い方であるが、さらにバイエルン盤では「これがほんとにヴァント!?」と驚くほどのスローテンポで綿々と歌い抜かれる。ちょっとびっくりするほど耽美的なモーツァルトなのである。上質のモーツァルトを堪能できる上に、ヴァントの意外な一面を知ることもできるこの一枚、貴重な名盤としてお薦めしたい。1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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