バッハ(1685-1750)

CD Goldberg Variations: A.hewitt(P)(1999)

Goldberg Variations: A.hewitt(P)(1999)

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  • ★★★☆☆ 

    mimi  |  兵庫県  |  不明  |  2017年09月29日

    平均律の演奏(新盤)に較べ、相当に現代ピアノとしての表現に抑制を加え、己の自我を出さず、極力客観的な再現を心がけている点でかなり好感が持てる演奏です。しかしながらGoldberg変奏曲は、その優れた演奏に接すると必ず、眼前に鳴っている音楽から、その演奏者の有する音楽的背景がさながらパノラマのように実感される点で、J.S.Bachの全作品中はもちろん、西洋音楽史上でも類をみない幅広さを持った傑作と思います。まるで西洋音楽史の一大パノラマを実感させるようなG.Leonhardt、Bachの音楽構造の徹底的な分析に己を完全に無にして捧げたG.Gould、演奏から中世〜近現代から西洋以外のまるで第三世界のリズムまで聞こえてくるようなJ.MacGregor、そして古典派〜ロマン派に至る西洋古典音楽の伝統から離れ、まるでポピュラー音楽の一部を聴くような錯覚に陥るようなA.BacchetiなどのGoldbergは、聴いていてそのスリルに時間を忘れますが、このHewittのGoldberg演奏は非常に美しくまとまって、誰にも文句のつけられないような標準的外形をみせていても、演奏の背後に感じられるものが、意外な程乏しく、そのため、慣れ親しんだ音楽の姿が過ぎていっても、いつの間にか退屈して眠くなっている自分を発見します。ピアノによるGoldbergに、上記の名演・好演群のような驚嘆すべき感動体験を求めず、流しておく美しいBGMで十分な音楽ととらえるなら、これ以上はないお得な演奏かも知れませんし(確かに安いし)、そういうGoldberg演奏を愛聴されるのも全くありでしょうが、少なくともGoldberg演奏史上最高の演奏とはとてもとても言えないのではないでしょうか。

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