Brandenburg Concerto, 1-6, : Harnoncourt / Cmw (1964)
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ムーミン・パパ | 岩手県 | 不明 | 2012年10月20日
この演奏をFM東京だったかで聴いた頃が懐かしい。解説の皆川達夫先生ですら当時ハルノンコールトとのたまわっていた時代であった。現在でもアーノンクールなどといっているくらいだからたいして変わりないとも言えるだろう(もちろん教養のある人はアルノンクールと言うはずだ。ただし、当地ではハルノンクールが正しいようだ)。当時のLPで聴いた時には第2番などはずいぶん下手な演奏だと思ったものだったが、ヴァルター・ホリーのトランペットは柔らかい音でちゃんと楽譜に忠実に演奏していて、素晴らしいことに気づいた。第5番で大好きなレオポルト・シュタストニーのフルートも彼の晩年のバッハのフルート・ソナタに比べると不自然なビブラートもなく終始しっかりした音で素晴らしい限りだ。また第1番でのホルンの野性的な響きはこれまでのどの演奏も凌駕することはなかったように思う。これが64年に録音されたという事実に今更ながら驚く。カール・リヒターもこれには衝撃を受けたことだろう。彼の死期を早めたというフィッシャー・ディースカウの指摘は頷けるところだ。昔、私の知り合いはこの演奏を聴いて、村祭りの囃子の様だとたとえたが、19世紀以来の絶対的なヨーロッパの世界観がアルノンクールによって相対化された記念碑的演奏ではなかろうかと思う。この演奏によりヨーロッパ音楽が決して絶対的なものではないのだと宣言したところにこの演奏がどの演奏にもまして価値のあるものなのである。3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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