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バッハ(1685-1750)

CD ゴルトベルク変奏曲 ヴィキングル・オラフソン(ピアノ)

ゴルトベルク変奏曲 ヴィキングル・オラフソン(ピアノ)

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    mimi  |  兵庫県  |  不明  |  2023年12月10日

    Bachファンの「あるある」で、Goldberg変奏曲のCDは人並みに数えきれない位貯まってしまいましたが(笑)、このアルバムを聴いた時はちょっとびっくりしました。演奏者について何の知識もなく聴いたのですが、これほどにGouldの55年盤に生き写しの演奏も稀かと思います。経歴をみると1984年生まれ、誕生した時にはすでにGouldは他界しており、演奏者自身のGouldについてのコメントも見当たらないので、おそらく直接的な模倣等ではないと思うのですが、それにしては演奏のテンポ、リズム、フレージング、声部間のバランスすべてが、あの世界で最も有名となったGouldの旧盤そのままです。もちろん現代のGoldberg演奏でGouldの影響を多少なりとも受けていないものを探す方が難しいでしょうが、ここまでの影響はちょっと珍しい(しかも新盤でなく旧盤の影響!)。近年、日本を含めた非西欧世界の奏者によるGoldbergはどんどん増えており、そういった演奏には己の音楽的背景を強烈に演奏に刻み込まれることも多く、そこがまたこの類例をみない包容力を持った作品の魅力でもあるわけですが、このオラフソンの演奏に接すると、西欧世界においては未だにGouldの影響は強烈で、それが無意識にこの若い奏者の演奏に表れてしまったのかな、と想像します。自分たちBachファンのようにGouldと共に生きてきたとさえ言える人種にとって、未だにこれだけの強烈なGouldの影響下にある演奏に出会うことはもちろん不快ではなく、むしろ懐かしさで快適ですらありますが、一方でGouldの語法にどこまでも忠実な演奏からは、基本的にGouldの演奏から見えるのと同じ世界しか見えてこないので、その意味で意外性からやや遠い演奏であるのも事実です(演奏の先が完全に想像できてしまうから)。演奏者が自分の音楽的背景をこの作品にぶつけることで、Goldberg変奏曲がまるで違った様相を呈し、様々な世界の音楽体験を開示してくれるような感動はここには求められません。かろうじて楽曲の最後、第29、30返送において、ようやくこの奏者の自我の開放がみられるように思われ、今後この作品を幾度も幾度も演奏されていくにつれ、従来の影響にとどまらない違った演奏がなされることを期待したいと思います。ちなみにピアノ演奏の質としては(録音の優秀さもありますが)全く濁りのない正確無比な素晴らしい腕前で、この一点では現代ピアノによるGoldberg中でも疑いなくトップクラス、ちょっと並ぶもののない技術であると思います。

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