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バッハ(1685-1750)

CD 『イタリア風の協奏曲集〜イタリア協奏曲、編曲集』 アレクサンドル・タロー(ピアノ)

『イタリア風の協奏曲集〜イタリア協奏曲、編曲集』 アレクサンドル・タロー(ピアノ)

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    蝉の抜殻  |  神奈川県  |  不明  |  2010年05月16日

    協奏曲。1人で弾く協奏曲でもを集めてきたような、タロー独特のコンセプトアルバム。協奏曲とは、例えばバロック時代の合奏協奏曲(コンチェルト・グロッソ)、弦楽中心のオケと独奏楽器。そもそも協奏曲の形態は、6声から16声までの声楽+器楽による17世紀初めの教会用声楽曲に、最初の形を見ることができるそうだ。武満徹の「ノーヴェンバー・ステップス」も、西洋的な和音や和声の意味からは大きく離れるのだが、実質的には「協奏曲」だ。「イタリア風協奏曲」バッハでは珍しく本人がfとpを書き込んでいる。この曲をさらったことのある人なら、イタリア協奏曲のfとpを「フォルテ」と「ピアノ」とは呼べないだろう。これを合奏を意味する「トォッティ」と、独奏楽器と通奏低音で演奏する「ソロ」に読み替える。fの部分では表層重視の多彩な音色、pの部分では右手と左手の構造としての会話として演奏するのが普通だし、もともと2段チェンバロの発明をバッハが面白がって作った曲だ(この前提を踏み潰す論外演奏の多いこと多いこと(泣))。以前カツァリスの録音があった。カツァリスはチェンバロ(しかも2段チェンバロ。凄い技術!)のパロディーをやっていたが(当時のレコ芸は「カツァリスの音が硬い。緊張したのだろうか?」と絶望的な大ボケコメントを炸裂させてたけど)、タローの録音はもっとピアノの特徴を生かしたもので、解釈としてより進化したものと評価できると思うのだが。楽譜を見ながら聴くと、この確信犯的な戦略が見えて面白い。「現代ピアノを使った1人で弾く協奏曲の在り方」という策略。このような企画を通してしまう演奏家。私はそのような視点からタローを面白がっています。これはオタク向きの企画のように思えてならない(そもそもタローの演奏からはオタッキーな感覚がムンムン漂ってきて、大変面白いのだが(笑))。

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