倫理的な戦争 トニー・ブレアの栄光と挫折

細谷雄一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784766416879
ISBN 10 : 4766416872
フォーマット
発行年月
2009年11月
日本
追加情報
:
20cm,436p

内容詳細

ブレアが苦悩し、真剣に直視した難しい問題こそ、21世紀の国際政治を考える上で中心的な課題である。「国際コミュニティ」の結束をめざしたブレアの外交の軌跡と挫折を考察し、21世紀の世界秩序の行方を問う。〈受賞情報〉読売・吉野作造賞(第11回)

【著者紹介】
細谷雄一 : 1971年生まれ。慶應義塾大学法学部准教授。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程修了。博士(法学)。主要著作に、『戦後国際秩序とイギリス外交―戦後ヨーロッパの形成1945年〜1951年』(創文社、2001年、サントリー学芸賞)、『外交による平和―アンソニー・イーデンと二十世紀の国際政治』(有斐閣、2005年、政治研究櫻田會奨励賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • あんころもち さん

    本書はコソボ・イラクの歴史、ブレアの判断の過程を追いながら「正しい戦争」について考えさせる。ブレアにとっては両者とも「倫理的な戦争」であり、新しい戦争であった。しかし、「倫理的な戦争」は常に「正しい戦争」であるとは言えない。むしろ、「正しい戦争」であることは稀有であろう。戦争以外の手段は検討されたか、戦争に際しての手段は適当だったか。イラクでは、事態の深刻さが「大量兵器」によって粉飾されるなど、当初から正当性が疑われるものであった。そのもとでは、如何に主観的正義を唱えようとも無意味なのは言うまでもない。

  • 茶幸才斎 さん

    正義の戦争といえば、いかにも胡散臭い。が、トニー・ブレアは、倫理的、人道的見地から世界の紛争に積極介入することを善なる力の行使とし、現にイギリスは、その論理でコソボやアフガニスタンを戦った。「倫理」を強調するブレアの外交・防衛理念は、それが世界に浸透すれば、国益のみを価値基準として各国がせめぎ合う従来のパワー・ポリティクスを揺るがしたかもしれないが、イラク戦争においては、大国アメリカの独走と、そしてブレア自身の独走により、その限界を露呈した。世界はいまだ「正義」の概念を正しく使えるほどには成熟していない。

  • ポレポレ さん

    イラク空爆〜コソボ戦争〜アフガニスタン戦争、イラク戦争を行ったブレア政権を扱いつつ、「倫理的な戦争」は果たして存在するのか、それらの意味合いを検討している本。ブレアには、グラッドストンとチャーチルの顔が見られるという海外の評論が印象に残った。ブレア自身はアメリカと欧州の間にあるイギリスの構築、人道的に看過できない事態に対する武力行使と、米国との関係性という国益の調整に心を砕いてたように見えるが、その結果イラク戦争へと進む。「一流の狂気」という本でブレアや子ブッシュが非常時に物事を複雑に見れない人物として、

  • ラピスラズリ さん

    イギリスの首相、トニー・ブレアがコソボ戦争からイラク戦争にかけて実現させようとした「倫理的な戦争」の過程を書いた本。 名著だった。まるで連続ドラマを見ているようだった。 国際政治は本当に難しい。それぞれの国にそれぞれの思惑がある中で、何かを実現することがどれほど難しいか読んでいてよく分かった。 イラク戦争で亡くなった兵士の家族を首相官邸に招いた場で、「私には派兵した責任がある」と述べたエピソードが最も印象的だった。遺族の前で自分に責任があると認めるのはどれほど難しいことなんだろう、と感じた。

  • Tatsuhiko さん

    トニー・ブレア首相の人道的介入外交を焦点とした書。コソヴォ・アフガニスタン・イラクが主なケースとして扱われるが、それらの「倫理的な戦争」としての性格が深く議論されているわけではない。ブレアの掲げた理念は依然重要だし後退してもいないと思うので、この辺の国際法・政治的議論がもう少し欲しかった。ブレアがEUと米国の間で理想を追求しながらもついにイラクへと至ってしまう過程が起伏に富みながら展開され、このあたりは物語としても読み応えがある。米国のネオコン連中が悪役として描かれていたが、彼らの言い分はどうだろうか?

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細谷雄一

慶應義塾大学法学部教授。1971年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(法学)。専門分野:国際政治、イギリス外交史

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