SACD

交響曲第1番、第3番、恋人たち アシュケナージ&ストックホルム・フィル(ハイブリッドSACD)

シベリウス(1865-1957)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
OVCL00279
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
SACD
その他
:
ハイブリッド

商品説明

アシュケナージ&ストックホルム・フィル/シベリウス全集スタート!
第1弾は交響曲第1番、第3番、組曲『恋人たち』

2007年はシベリウス没後50周年という記念の年。フィンランドの作曲家、シベリウスは、スウェーデン人の医師の家庭に生まれています。フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語の二つということもあり、シベリウスはスウェーデン語で育ち、フィンランド語やフィンランドの民族的歴史に深い関心を抱くのは成人してからのことでした。
 そうした事情を考えると、シベリウスのレコーディングに非常に熱心に取り組み、いち早く全集ボックスをリリースしたのがスウェーデンのBISレーベルだったり、世界初の交響曲全集を制作したのがスウェーデンの名指揮者シクステン・エールリング[1918-2005]指揮するストックホルム・フィルだったり、スウェーデン人のブロムシュテットがシベリウスを得意としているのも十分に頷ける話です。
 今回、アシュケナージが全集録音のパートナーに選んだのはシベリウス演奏に伝統のあるストックホルム・フィル(ロイヤル・ストックホルム・フィル)。
 アシュケナージは30年近く前、デッカ・レーベルに交響曲全集や管弦楽作品集歌曲全集といった一連のシベリウス作品を録音しており、世界的にも高い評価を獲得していました。その後もコンサートで頻繁にシベリウス作品を取り上げ、1992年にボストン交響楽団とおこなった交響曲第2番の演奏会のライヴ盤も発売されるなど、シベリウスへの深い愛着を示してきたものです。
 エクストン・レーベルは、そうしたアシュケナージの豊富なシベリウス経験と蓄積の反映された演奏を細部まで緻密に再現すべく、きちんとセッションを組んでDSDレコーディングを実施、近年、ますますクオリティの向上が伝えられるロイヤル・ストックホルム・フィルのサウンドを完璧な状態に収録しています。
 第1弾に選ばれたのは、勇壮な人気作品の交響曲第1番と、シベリウスらしさが詰まった交響曲第3番、そしてもともと合唱のために書かれた作品を後年弦楽合奏用(とトライアングルとティンパニ)に編曲した『恋人たち』の3曲です。
 3曲ともサウンド・キャラクターが異なるので、ストックホルム・フィルの豊かな表現力がよく生かされるものと思われます。

 ロイヤル・ストックホルム・フィルのルーツは前身のアンサンブルの活動が開始された1902年にまでさかのぼることができますが、BISレーベルの75周年記念ボックスはその起源を1914年としていました。
 ともかく、現在のスタイルである「ストックホルム・コンサートホールのオーケストラ」としての活動は、1926年に開始されており、トスカニーニやワルター、クレンペラー、フルトヴェングラー、ストコフスキー、カラヤン、ホーレンシュタイン、クーベリック、フリッチャイ、ドラティ、オーマンディ、マルケヴィチなど錚々たる名指揮者たちが客演、数多くの名演奏を生み出して行きます。なお、歴代首席指揮者は下記の通りです。
 1915ー1924 イェオリ・シュネーヴォイクト
 1926−1936 ヴァーツラフ・ターリヒ
 1937−1940 フリッツ・ブッシュ
 1942−1953 カール・フォン・ガラグリ
 1955−1964 ハンス・シュミット=イッセルシュテット
 1974−1974 アンタル・ドラティ
 1974−1977 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
 1982−1987 ユーリ・アーロノヴィチ
 1987−1990 パーヴォ・ベルグルンド
 1991−1995 ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー
 1995−1998 アンドルー・デイヴィス、パーヴォ・ヤルヴィ
 2000−2007 アラン・ギルバート
 2008−     サカリ・オラモ
 首席指揮者や客演指揮者の顔ぶれからは、このオーケストラの位置づけが昔から国際的なレベルに置かれていたことがよくわかります。そうした伝統を背景に築かれてきたオーケストラ・サウンドが、まろやかで熟成したアンサンブルを基調にしながらも、ときに荒々しいまでの激しさや陶酔的なまでの叙情をみせるといったレンジの広い表現力を持ったものへと進化したことは、一連のロジェストヴェンスキー録音や、両ヤルヴィなどの指揮した録音でも明確に感じられたことです。

 今回のアシュケナージとの録音について、音楽評論家の諸石幸生氏はライナーノートでこう述べています。
『円熟というのは易しいが、近年のアシュケナージは以前もまして自由になってきたというのか、演奏内容がよりのびやかな生命力と叙情的美しさとを見せるようになってきたと感じられる。芸術家としての矜持は明確に保ちながらも、それを押し付けて一人旗を振るといったことがなく、信頼するオーケストラと感動を共有しあいながら作品の世界を共に生き、歌い上げていく、そんなふくよかさを誇る演奏になってきた。結果として演奏全般に一段と自発性が盛り込まれるようになり、作品自らが語り出すとこんな姿になる、聴き手をそんな出会いと感動に誘うようになってきた。アシュケナージほどの名声を誇る演奏家ならば、自身の肖像を刻印する方向での演奏も考えられようが、何よりも人間的な共感を尊ぶマエストロは、むしろ謙虚に作品を見据え、それも距離をおいて全容を俯瞰しながら、作品の真の姿を今一度客観的に浮き彫りにしようと努めているとすら思われる。こういった形での円熟ぶりは美しい。』

 なお、このアルバムには、通常CDのステレオ音声のほか、SACDステレオ音声、SACDマルチチャンネル音声(5.0)という3つの音声が収録されています。
 直接音の切れ味、楽器の音の細密な描写を味わうのであれば2チャンネル・ステレオが、ホールに響く全体の雰囲気を味わうにはマルチチャンネルが適しているとよくいわれますが、それらを聴き較べて楽しむのもハイブリッドSACDならではの楽しみと言えるでしょう。

ジャン・シベリウス[1865-1957]
交響曲第1番ホ短調 作品39
交響曲第3番ハ長調 作品52
組曲『恋人たち』作品14
 ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団
 ウラディミール・アシュケナージ(指揮)

 録音時期:2006年4月25−29日、11月7-11日
 録音場所:ストックホルム、コンサートホール
 SACD Hybrid
 Stereo/Multichannel(5.0)

【今後の発売予定】
・シベリウス全集 Vol.2 交響曲第4番、第5番、他
・シベリウス全集 Vol.3 交響曲第2番、他
・シベリウス全集 Vol.4 交響曲第6番、第7番、他

内容詳細

ツィクルス第1弾。因習的な北欧色に安易に寄り掛からずに、オケの洗練された響きを活かして、よりスタイリッシュに作品の本質に迫ろうとする目論みが奏功している。温かな感触やしっとりとした叙情味がアシュケナージらしい。弦のしなやかなレガートも特筆。(直)(CDジャーナル データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

★
★
★
★
☆

4.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
2
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
まず、音が自然になった感じがします。スト...

投稿日:2014/11/10 (月)

まず、音が自然になった感じがします。ストックホルム・フィルのせいもあるのでしょうが、オーケストラの音色が北欧的で、北国風の雪景色や冬曇りのような、自然な音色をしています。 特に弦の響きに、それを感じました。 録音のせいか分離がよく、細部がよく聴こえます。ですから、ところどころ細部の移り変わりを楽しむことができました。 この演奏で私の目を最も引いたのは、各声部とも自然に鳴っているという感覚で、それはバロック演奏やモーツァルト演奏でよくあるような、各声部が自発的に生き生きとしているというのではなく、各声部が自然な吐息で呼吸しながら混在しているという感覚です。 テンポは、微妙に速くなったり遅くなったりしますが、全体としてはそれ程気にならない程度です。(第4楽章主部の第1主題から第2主題へのテンポの切り替えが多少ぎこちなく聴こえましたが、わたしの許容の範囲でした。) 表現としては、情感を過度に強調せず、作為性の少ない表現で、シベリウスの純粋さがよく出ていると思います。 あと、全体的には、「劇的」なものより「静けさ」の方が印象に残る演奏でした。 もう1点、この演奏は、アシュケナージのやさしい人間性がよく出ています。

北の旅人 さん | 東京都 | 不明

0
★
★
★
★
☆
ストックホルム・フィルといえば、往年の名...

投稿日:2007/05/03 (木)

ストックホルム・フィルといえば、往年の名指揮者ホーレンシュタインのマーラー6番の名演奏が忘れられないが、この新録音ではオケの音、特に金管が硬いのが残念だが、北欧のオケ独特の雰囲気が味わえる。特に3番は曲がいいので、なかなか聴かせる。ただ、Extonの録音としては音質がいまひとつなのが惜しい。

カバポチ さん | 横浜市 | 不明

0

シベリウス(1865-1957)に関連するトピックス

交響曲 に関連する商品情報

おすすめの商品