08年ベストアルバム(R&B部門)

2008年12月26日 (金)

担当者が独断と偏見で選んだ2008年のR&Bのベスト・アルバムを一気にご紹介!
とは言うものの、今年、選ぶのにものすごーーーーーーく苦労しました。 R&Bシーン全体は成熟し、曲単位では素晴らしい楽曲が多かったのですが、アルバム単位で考えると、 心から傑作!と胸張って言える作品が少なかったように思います。これも、 デジタル配信の功罪か・・・。 また、流行ゆえか、歌の実力の伴わない聴く側が試される作品も多く、 メジャー・アーティストたちは、良くも悪くも、よりクロスオーヴァーに、より“白い”スタイルを好む傾向に...。



 2008年 R&B ベスト・アルバム!

T-pain
  No.1: > T-pain 『Thr33 Ringz』
 作品のクオリティ/実験性という意味においては前作には及ばないものの、T-Painのメロディメイカーとしての隠れた才能が発揮されているのは、断然本作でしょう。また、彼のブレイク以降、世界中に氾濫した亜流のオートチューン・トラックとの違いもくっきり。「Chopped N Skrewed」の麻薬性は尋常じゃない!兎に角、2008年はこのアルバムとWeezyの『Tha Carter III』を外すわけにはいかないです。




Lloyd
  No.2: > Lloyd  『Lessons In Love』
 The Incを代表するイケメン・シンガーLloydの3rdアルバムは、なぜかあまり高く評価されていません。女性だけにターゲットを絞ったエロ度満点な内容の無い歌詞のせい?とは言え、 英語がわからぬ当方にはあまり影響力はなく、ナヨいけど伸びやかな歌声と、Big Reese & Jasper Cameron作の「Girls Around The World」のような音楽好きの好奇心をおおいに刺激するトラックが 多く、ヘビロテしまくりでした。




Lyfe Jennings
  No.3: > Lyfe Jennings 『Lyfe Change』
 自身のハードな人生を反映させた歌詞を独特のシャガレ声でエモーショナルに歌う、ブラックミュージック・ファンのツボを常に刺激してくれる数少ないシンガーの1人、Lyfe Jenningsの3rdアルバムは、これまでの作品と違い、 外部のプロデューサーを起用した意欲作。まさにチェンジといったところか。流行っぽいサウンドもチョコチョコつまみながらも、根本に流れるゴスペル〜ソウルがあまりにも熱くて、どの曲もため息をついてしまうほど。相当濃いです。でもその濃さがたまらなく好きです。




Jazmine Sullivan
  No.4: > Jazmine Sullivan 『Fearless』
   フィラデルフィア出身の21歳のシンガー、Jazmine Sullivanのデビュー・アルバム。11歳で既に地元のTV番組に「Showtime at the Apollo」に出演、15歳でJive Recordsと契約しレコーディングも済ませますが、デビューには至らず。その後、多くの才能を輩出してきた女性アーティストの登竜門となるBlack Lilyでパフォーマンスし注目を集め改めてJ Recordsと契約!Missy Elliottをフィーチャーしたリード曲「Need U Bad」ではソウルフルな歌声を披露。 Amy Winehouseで再評価されているSalaam Remiがいい仕事しています。




Raphael Saadiq
  No.5: > Raphael Saadiq 『Way I See It』
 当方の周辺では評価がクッキリ分かれた作品です。個人的にはこのようなどっぷりソウル回帰の作品は好みなのですが、トニーズ時代の、ソウル・ミュージックと現代のサウンドを見事に昇華したR&Bスタイルを知っているだけにNo.1には選べませんでした。しかし、Smokey Robinsonにも通じるラファエルの甘いハイトーン・ヴォイスは、60年代、70年代の古き良きソウル・サウンドと相性はバツグン。拘って作っている姿勢も強く感じられる秀作です。





  次点:


ビッグネームの新作も次々リリースされました...


 2008年 インディR&B ベスト・アルバム!

Roi Anthony
  No.1: > Roi Anthony 『True Soul Lifestyle』
 現在進行形のR&B/ヒップホップと、脈々と受け継がれてきた南部ソウルの血が見事に結合した傑作。インディとは言え、メインストリームでも通用しそうなプロダクション・センスとストリート感覚、そして硬軟自在に歌いわけるRoiのヴォーカルに感嘆。米深部にはまだこんなアーティストが隠れているかと思うとワクワクしてきます。




Sam Bostic
  No.2: > Sam Bostic 『Soul Supreme』
 トニーズのTimothy Christian Rileyがバックアップしたことで記憶に残るArt 'N Soulのリード・ヴォーカルだったTracyことSam Bosticがソロ・アルバムをリリース。最近はE-40など西海岸のヒップホップ作品でその名を見ることがありましたが、まさか彼がTracyだったとは。UK先行でリリースされた本作ですが、内容は生音中心でグルーヴィーでソウルフル!日本人受けの良さそうな1枚です。




Jeff Floyd 
  No.3: > Jeff Floyd 『Keepin It Real』
 William Bellが全面的にバックアップ、さらにJeff本人とReginald “Wizard”Jonesがプロデュースを担当した、最高のコンテンポラリー・ディープソウル・アルバム!Jeffのサザン・スタイルの塩っからいヴォーカルに痺れまくり。そして何より楽曲の良さ!この二つに尽きますな。特濃バラード「A Woman's Worth」、王道サザンソウル「Wrapped Up In You」など聴きどころばかり。 ああ、サザンソウル・ファンでヨカッタ!




Ovations
  No.4: > Cool Million 『Going Out Tonight』
 今年のインディ・シーンで注目された、欧州を中心とする80’sサウンドのリバイバル。そんな中、このデンマークのプロジェクトCool Millionと次に挙げるConfectionは抜きん出た仕上がりでした。 UKのExpansionの人気コンピ『Soul Togetherness』に収録された「Naughty Girl」で一気に注目された彼ら。デビューアルバムもメロウでフューチャリスティックに80年代サウンドを再構築! CJ Anthony参加のグルーヴィーなダンサー「Give Me My Love」でノックアウト者続出!




Confection
  No.5: > Confection 『Confection』
 人に薦められてこのアルバムを聴いた時、これはいつの時代のアルバム?!と錯覚するほど。オーストラリアのJosh Beagleyとキュートな歌声の女性シンガーJuan Rippinsの2人組が突然作り出した本作は、 本作は、S.O.S.BandをはじめとするJam&Lewisのような80'sのディスコ〜ファンクをまんま持ってきたようなキラキラドキドキするような1枚。メロウなミディアム・チューンも胸キュン♪





  次点:


日本のレーベルが頑張りました




2008年ベスト・アルバム(ヒップホップ部門)
2008年ベスト・アルバム(ソウル/ファンク部門)
2008年 新人特集

2008年 年間チャート
ページTopへ戻る