【映像】ペレス&ローマ歌劇場/ロッシーニ:『チェネレントラ』
2020年01月24日 (金) 16:00 - HMV&BOOKS online - クラシック
強烈な個性を持つイタリア人女性演出家エンマ・ダンテによる
ロッシーニの『チェネレントラ』。ガラスの靴もかぼちゃの馬車も登場しないイタリア式シンデレラ
2016年ローマ歌劇場で上演されたロッシーニのオペラ『チェネレントラ』の映像。このオペラが1817年1月25日にローマのヴァッレ劇場で初演されてから200年を記念して上演されました。
ロッシーニは20年間で39のオペラを作曲していますが、37歳の若さでオペラ作曲家を引退。『チェネレントラ』は、その活動期のちょうど真ん中あたりに位置し、前年に作曲された『セヴィリャの理髪師』に次ぐオペラ・ブッファの傑作として知られています。
チェネレントラとは、イタリア語で「シンデレラ」の意。原作は有名なペローの童話ですが、一般的に知られているような、ガラスの靴やかぼちゃの馬車が登場する魔法やおとぎ話の要素は削られ、より現実的な話となっています。主人公チェネレントラ(=アンジェリーナ)は、義父ドン・マニーフィコ(継母ではなく)とその姉たち(クロリンダ、テイズベ)に召使いのようにこき使われ、いじめられて暮らしています。ある日、お城のお妃選びのために舞踏会が開かれることに。王子(ドン・ラミーロ)と従者(ダンディーニ)はお互いの服を取り替え、王子としての身分を隠して花嫁候補を探すことにします。そこで、心優しいアンジェリーナと出会い、彼女は王子に腕輪を渡し立ち去りますが、王子はチェネレントラを探し出し2人は結ばれる、というストーリー。
演出は、演劇・映画界でも活躍するシチリア島パレルモ出身のエンマ・ダンテ。おとぎ話的な要素を少なくむしろ現実的に書かれたロッシーニの意図に完全に共鳴し、現代的な視点を取り入れたシュールでエキセントリックな舞台に仕上がっています。
主人公チェネレントラを演じるのは1985年生まれのイタリアのメゾ・ソプラノ、セレーナ・マルフィ。自ら運命を切り開くチェネレントラのように、力強く官能的な歌声で圧倒的な存在感を放ちます。王子ドン・ラミーロ役は、甘美なテノールとして注目を集めているアルゼンチン出身のフアン・フランシスコ・ガテル。歌手の歌唱力と演技力が試されるロッシーニのブッファならではの、優れた歌い手たちの聴きどころ満載です。
指揮はアルゼンチン出身の若手アレホ・ペレス。2015年マスネ『ウェルテル』でザルツブルク音楽祭デビュー、翌2016年にも再登場しグノー『ファウスト』を振って話題となりました。個性ある出演者たちを圧倒的なパワーで推進していきます。(写真c Yasuko-Kageyama)(輸入元情報)
【収録情報】
● ロッシーニ:歌劇『チェネレントラ』全曲
セレーナ・マルフィ(アンジェリーナ/メゾ・ソプラノ)
フアン・フランシスコ・ガテル(ドン・ラミーロ/テノール)
アレッサンドロ・コルベッリ(ドン・マニーフィコ/バリトン)
ヴィート・プリアンテ(ダンディーニ/バリトン)
ダミアーナ・ミッツィ(クロリンダ/ソプラノ)
アンヌンツィアータ・ヴェストリ(テイズベ/メゾ・ソプラノ)
ウーゴ・グァリアルド(アリドーロ/バス)
ローマ歌劇場合唱団
ロベルト・ガッビアーニ(合唱指揮)
セルジオ・ラ・ステッラ(フォルテピアノ)
ローマ歌劇場管弦楽団
アレホ・ペレス(指揮)
演出:エンマ・ダンテ
装置:カルミネ・マリンゴーラ
衣装:ヴァネッサ・サンニーノ
照明:クリスティアン・ズカーロ
振付:マヌエラ・ロ・シッコ
収録時期:2016年1月22日
収録場所:ローマ歌劇場(ライヴ)
映像監督:フランチェスカ・ネスラー
収録時間:162分
画面:カラー、16:9
原語:イタリア語
字幕:伊英独仏西韓日