DVD 輸入盤

『チェネレントラ』全曲 E.ダンテ演出、A.ペレス&ローマ歌劇場、セレーナ・マルフィ、フアン・フランシスコ・ガテル、他(2016 ステレオ)(2DVD)(日本語字幕付)

ロッシーニ(1792-1868)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
752408
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
Europe
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD
その他
:
輸入盤

商品説明


強烈な個性を持つイタリア人女性演出家エンマ・ダンテによる
ロッシーニの『チェネレントラ』。ガラスの靴もかぼちゃの馬車も登場しないイタリア式シンデレラ


2016年ローマ歌劇場で上演されたロッシーニのオペラ『チェネレントラ』の映像。このオペラが1817年1月25日にローマのヴァッレ劇場で初演されてから200年を記念して上演されました。
 ロッシーニは20年間で39のオペラを作曲していますが、37歳の若さでオペラ作曲家を引退。『チェネレントラ』は、その活動期のちょうど真ん中あたりに位置し、前年に作曲された『セヴィリャの理髪師』に次ぐオペラ・ブッファの傑作として知られています。
 チェネレントラとは、イタリア語で「シンデレラ」の意。原作は有名なペローの童話ですが、一般的に知られているような、ガラスの靴やかぼちゃの馬車が登場する魔法やおとぎ話の要素は削られ、より現実的な話となっています。主人公チェネレントラ(=アンジェリーナ)は、義父ドン・マニーフィコ(継母ではなく)とその姉たち(クロリンダ、テイズベ)に召使いのようにこき使われ、いじめられて暮らしています。ある日、お城のお妃選びのために舞踏会が開かれることに。王子(ドン・ラミーロ)と従者(ダンディーニ)はお互いの服を取り替え、王子としての身分を隠して花嫁候補を探すことにします。そこで、心優しいアンジェリーナと出会い、彼女は王子に腕輪を渡し立ち去りますが、王子はチェネレントラを探し出し2人は結ばれる、というストーリー。
 演出は、演劇・映画界でも活躍するシチリア島パレルモ出身のエンマ・ダンテ。おとぎ話的な要素を少なくむしろ現実的に書かれたロッシーニの意図に完全に共鳴し、現代的な視点を取り入れたシュールでエキセントリックな舞台に仕上がっています。
 主人公チェネレントラを演じるのは1985年生まれのイタリアのメゾ・ソプラノ、セレーナ・マルフィ。自ら運命を切り開くチェネレントラのように、力強く官能的な歌声で圧倒的な存在感を放ちます。王子ドン・ラミーロ役は、甘美なテノールとして注目を集めているアルゼンチン出身のフアン・フランシスコ・ガテル。歌手の歌唱力と演技力が試されるロッシーニのブッファならではの、優れた歌い手たちの聴きどころ満載です。
 指揮はアルゼンチン出身の若手アレホ・ペレス。2015年マスネ『ウェルテル』でザルツブルク音楽祭デビュー、翌2016年にも再登場しグノー『ファウスト』を振って話題となりました。個性ある出演者たちを圧倒的なパワーで推進していきます。(写真c Yasuko-Kageyama)(輸入元情報)


【収録情報】
● ロッシーニ:歌劇『チェネレントラ』全曲


 セレーナ・マルフィ(アンジェリーナ/メゾ・ソプラノ)
 フアン・フランシスコ・ガテル(ドン・ラミーロ/テノール)
 アレッサンドロ・コルベッリ(ドン・マニーフィコ/バリトン)
 ヴィート・プリアンテ(ダンディーニ/バリトン)
 ダミアーナ・ミッツィ(クロリンダ/ソプラノ)
 アンヌンツィアータ・ヴェストリ(テイズベ/メゾ・ソプラノ)
 ウーゴ・グァリアルド(アリドーロ/バス)
 ローマ歌劇場合唱団
 ロベルト・ガッビアーニ(合唱指揮)
 セルジオ・ラ・ステッラ(フォルテピアノ)
 ローマ歌劇場管弦楽団
 アレホ・ペレス(指揮)

 演出:エンマ・ダンテ
 装置:カルミネ・マリンゴーラ
 衣装:ヴァネッサ・サンニーノ
 照明:クリスティアン・ズカーロ
 振付:マヌエラ・ロ・シッコ

 収録時期:2016年1月22日
 収録場所:ローマ歌劇場(ライヴ)
 映像監督:フランチェスカ・ネスラー

 収録時間:162分
 画面:カラー、16:9
 音声:PCMステレオ、DTS 5.1
 原語:イタリア語
 字幕:伊英独仏西韓日
 NTSC
 Region All


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プロコフィエフ『火の天使』と同じダンテ演...

投稿日:2022/09/07 (水)

プロコフィエフ『火の天使』と同じダンテ演出、ペレス指揮のコンビによるローマ歌劇場のプロダクション。こちらも素晴らしい舞台だ。序曲が主部に入るとさっそく幕が開いて、パントマイムで見せられるのは、アンジェリーナが自分とお揃いのメイド服を着たオートマタ(自動人形)たちの背中のネジを巻いて起動し、一緒に家の掃除を始める様子。第一義的には、ヒロインが召使い同然に虐げられているのを見せると言えるが、舞踏会用ドレスに着替えても彼女のお腹につけられた時計のような機械はそのままで、彼女自身もオートマタではないかという疑念は最後まで残る。さらに第2幕に入ると王子のお付きの人々も王子と同じ制服を着た自動人形だし、エンディングではアンジェリーナが勝利のアリアを歌ううちに、許されたいじわる姉さん達と父親にも背中にネジが付けられ、人形になってしまう。つまり、演出家が突きつけるのは「美徳の勝利」という副題の謳う通りのおとぎ話のストーリー自体、「機械」的なプログラムに過ぎないではないかという痛烈なアイロニー。彼女を触発したのはダンサー全員が人形の着ぐるみを着て踊るマギー・マラン振り付けのプロコフィエフ『シンデレラ』かもしれない。どの演出家も工夫を凝らす第1幕フィナーレでは、ライバルを撃ち殺してやろうと舞踏会に銃を持ち込んだ花嫁候補の娘たちがアンジェリーナの美貌に絶望して次々に自殺してゆくというブラックな展開に。第2幕「嵐の音楽」では義姉たちと父がヒロインに殴る蹴るのドメスティック・バイオレンスをはたらくなど、おとぎ話の「暗黒面」もしっかり見せる演出になっている。 題名役マルフィはほんの少し太めながら愛嬌ある演技。この役を歌うだけあって、テクニックは抜群だ。ガテルはフローレスほどのカリスマ性はまだないが、こちらも技巧の切れに不足はない。プリアンテ、ベテランのコルベッリも相変わらず芸達者で万全の布陣。指揮は意外にもHIP色はなく、響きのバランスは昔ながらだが、この曲に欠かせないリズムの駆動力は申し分ない。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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