豊崎愛生『ポートレイト』発売記念インタビュー　

---今回のシングル“ポートレイト”は、愛を叫ぶロック・ナンバーだった“叶えたまえ”から一転して、どことなくセンチなバラード・ナンバーになりました。どのようなコンセプトで今回のシングルは作られたのでしょうか？

豊崎さん：この冬で豊崎愛生のソロワークスとしても5周年を迎えさせていただくことができました。これまでリリースさせていただいたシングル12枚と2枚のアルバム。毎回いろんなアーティストさんと、さまざまなチャレンジとコラボを実現させていただきました。このタイミングで今一度過去の自分を振り返り、昔の自分と向き合って優しく歌いかけることができればいいなぁ、というところから生まれたのが“ポートレイト”という曲です。

---今回のシングルは戸松遥さんの“ドーナツ”を作曲された中村僚さん（The Remember Me）と中村友さんが作編曲を担当されています。彼らを起用したきっかけは？

豊崎さん：今回は、ざっくりとしたイメージと歌いたいテーマをディレクターさんに伝え、そこからお任せしてお願いをしました。 冬の空を彷彿とさせるデモを聴いてイメージとぴったりでとても気に入り、先にメロディが決まり、歌詞をつめていきました。

---タイトルの“ポートレイト”には、どんな意味が込められているのでしょうか？

豊崎さん：普段から絵を描くということを、癖のようにやっています。目に見えるもの、動物、似顔絵、空想画…。レコーディングの時も、よく曲から想像するイメージを歌詞カードに落書きしています。 作詞家の古屋さんもディレクターさんもそのような私のことをよく知ってくださっていて、豊崎が自分を振り返る時、まずは自分の似顔絵を描いて向き合うんじゃないかと言ってくださり、“ポートレイト”というタイトルがつきました。

---自分の気持ちに嘘をつかずに、前を向く健気さを感じる歌詞ですね。

豊崎さん：ありがとうございます。 でも正直に言うと実はまだ割り切れない部分もあって。今回はレコーディングにとても苦労しました。一度ボーカルを録って、でもほんとうに表現したいこととは少しズレた歌になってしまったような気がして。急遽もう一日、レコーディングの機会を設けてもらったりもしました。なんというか、この歌を歌うには、過去の自分の不器用さを認める必要があり、なかなか自分を受け入れる勇気がなかったのですが、時間をかけて優しい歌に近づけたつもりです。

---曲調がドラマティックに盛り上がる後半になるにつれて、歌詞も前向きになっているような印象を受けます。

豊崎さん：あくまでも、きいてくださるかたや、過去の自分に対して優しく響く歌にしたかったので。MVもそうですが、後半につれ、笑顔を意識した流れにできるよう心がけました。

---レコーディング中に起こったエピソードなどありましたら教えて下さい。

豊崎さん：差し入れにいつも甘いものを買っていくのですが、、、その日はなんとなくパンを買って行きました。すると後からかけつけてくださったスタッフさんも、差し入れにパンを持ってきてくださっていて、スタジオ内がパン祭り状態に。笑 幸せな空間でした。

---豊崎さんはどんな時にバラードを聴いたりしますか？また豊崎さんのフェイバリット・バラード、最近良く聴いているバラード曲などありますか？

豊崎さん： ぼんやりしているとき。 お仕事帰りの電車の中や、夜タクシーに乗っているとき。あとは天気の良い日におさんぽするときも、バラードをきくことが多いです。改めて考えるとなんだか移動中が多い気がします。 最近、くるりさんのライブに行きました。そのライブで歌ってくださった『東京』が頭から離れず、よく口ずさんでいます。

---今回のジャケットは写真と線画が融合した印象的なデザインになっています。これはどのようなイメージで作られたのでしょうか？

豊崎さん：ポートレイトというタイトルが決まる以前にデザイナーさんと一緒に話をしていて、ジャケでやってみたいことシリーズのひとつとして提案していただきました。結果的にタイトルにぴったりの素敵なジャケにしていただけてうれしいです。今回、色味も紙質もいつもと違ったものを使用してこだわっていますが、一番迷ったのは、線画の部分の画材を何にするかということ。クロッキーなのか、クレヨンなのか、パステルなのか…最終的に鉛筆が一番馴染みがよく優しい感じがしたので今のジャケットのデザインで決めていただきました。

---MVについて。今回はどのような仕上がりになっているのでしょうか。見どころなどありましたら教えて下さい。

豊崎さん：光がたくさんあふれている、冬だけどとてもあたたかい映像にしていただきました。不器用で自身のない不安げな過去の私と、そんな自分を包み込むような今の私。ふたりの自分を表現するつもりで撮影にのぞみました。

---カップリングの“シャムロック”について。思わずピクニックにでも出かけたくなるような陽気な曲ですが、 こちらはどのようなイメージで作られたのでしょうか？

豊崎さん：本格的に木枯らしがふきはじめたころ。もともと一年の中でも寒くなりはじめのタイミングの季節が一番好きで、そのワクワク感をなんとか歌にのせられないかと思い、もともと何年か前にデモだけつくっていただいていた曲に物語をつけてもらいました。冬のある日に大切な人へ会いに行く、とても可愛らしい歌です。

---2014年はソロにスフィアの5周年と盛りだくさんの一年でした（まだ終わっていませんが）。振り返ってみていかがですか？また来年2015年はどんな年にしたいですか？

豊崎さん：ソロのコンサートツアーのファイナルからはじまり、スフィアとしてのライブとツアー、5周年企画としてやらせていただいたさまざまなイベント。毎週のようにたくさんの人にお会いでき、直接感謝の気持ちを伝える機会をいただけた一年でした。まだまだいつも感じているありがとうを伝えきれてないと思うので、残りの2014年も、来年も、引き続きいろんな形で感謝の気持ちを伝え続けたいと思っています。

---最後にファンの皆様にメッセージをお願い致します。

豊崎さん：本格的に冬の寒さになってきましたが、みなさま体調など崩されてはいませんか？今の季節は空気が澄んでいて、晴れた日は空がとても綺麗にみえます。わたしの新曲ポートレイトも、ぜひ冬の空とセットでみてきいて、楽しんでいただけたらうれしいです。よろしくお願いいたします。

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