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特価 クレンペラーの『ドン・ジョヴァンニ』、リハーサル付きボックス

2015年8月16日 (日)

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モーツァルト『ドン・ジョヴァンニ』全曲(4CD)
ギャウロフ、ルートヴィヒ、フレーニ、ベリー、クラス、他
クレンペラー&ニュー・フィルハーモニア管弦楽団


2013年はクレンペラー没後40周年ということで、EMIからは11のボックス・セットが発売されるということですが、それに先駆けて、『ドン・ジョヴァンニ』のスペシャル・エディションというたいへん興味深いCDがリリースされることとなりました。

【発掘された録音風景】
このスペシャル・エディションには、1966年のレコーディング・セッションの際のリハーサル音源をはじめ、録音したばかりの演奏をプレイバックしながら、クレンペラーとフレーニ、プロデューサーのピーター・アンドリーらが会話する様子を含む音源が収録されており、クレンペラーによる『ドン・ジョヴァンニ』制作過程の一端に触れることができるきわめて貴重な資料ともなっています。
 ちなみにこのテープは、アビー・ロード・スタジオのエンジニア、アラン・ラムゼイが新たに発見したもので、その音源を元に、おなじみのジョン・トランスキーが監修したうえで収録しています。

【クレンペラーのドン・ジョヴァンニ】
オーケストラの緊迫した響きと、悠然としたテンポ設定により、厳粛な要素と邪悪な要素、そして善良な要素の対立が前面にたち現れたユニークな演奏。
 現在ではコミカルな要素と厳粛な要素のコントラストが重視され、元気に演奏されることの多いこの作品ですが、実生活ではブラックユーモアを好みつつも、仕事ではコミカルな表現にはあまり関心が無かった(できなかった?)クレンペラーにとっては、優雅さや透明感は重視しても、コミカルさを大事にするということは関心の外だったようです。
 それよりもクレンペラーが重視したのは、自身による以下の言葉にも明らかなように「モラル」という言葉の孕む意味あいの多様さについて、モーツァルト自身が作品のフィナーレで投げかけたような捉え方をすることにあったものと考えられます。
 「この結尾部を削除すべきか演奏すべきか。作曲者自身ですら、1788年ウィーンにおける上演では、ドン・ジョヴァンニが地獄堕ちしたところで締めくくったのである。グスタフ・マーラーも同じことをした。しかし、モーツァルトはこの結尾部で。鋭い、ほとんど皮肉なまでの光を社会のモラルに当てることによって、この問題にはっきりした解決を与えていると、私には思われるのだ。」
 最後が地獄落ちでは単なる勧善懲悪ドラマになりかねませんし、かといって作品全体をあまりに軽く元気に演奏すれば、巷の井戸端ネタまがいにも見えてしまうというもので、クレンペラーがここで狙ったのはあくまでも「ドン・ジョヴァンニは本当に悪人なのだろうか」といったような、ある社会の形成したモラルに対する問いかけのようなものだったのではないかと思われます。
 自分自身について皮肉に「私はインモラルな人間である」と語り、改宗を2度おこない、また、政治やその理念についても深い関心を抱いていたクレンペラーにとって、帰属社会と帰属階層による価値観の相違の問題を扱ったとも見える『ドン・ジョヴァンニ』というオペラは、非常に意味深いものであったのではないかと思われます。
 そうした背景を反映してか、ここでは通常、バリトンが受け持つドン・ジョヴァンニ役をバスのニコライ・ギャウロフが歌い、バスが受け持つレポレロ役をバス・バリトンのヴァルター・ベリーが歌っています。これにより、どこか善良そうなドン・ジョヴァンニと狡猾そうなレポレロというキャラクターとなり、加えてオケの全パートを克明に響かせようとするクレンペラーの指揮もあって、なにやらいろいろな部分が意味深く聴こえてくるような雰囲気もあります。  情熱の女エルヴィラ役に、ほの暗い声のクリスタ・ルートヴィヒを起用するあたりにもクレンペラーのユニークなアプローチが窺えますし、現代ではときに娼婦のように描かれたりもするツェルリーナ役には若きミレッラ・フレーニを配し、純朴な美しさを際立たせているのも印象的でした。(HMV)

【収録情報】
CD1-CD3
・モーツァルト:歌劇『ドン・ジョヴァンニ』全曲

 ドン・ジョヴァンニ:ニコライ・ギャウロフ(バス)
 騎士長:フランツ・クラス(バス)
 ドンナ・アンナ:クレア・ワトソン(ソプラノ)
 ドン・オッターヴィオ:ニコライ・ゲッダ(テノール)
 ドンナ・エルヴィーラ:クリスタ・ルートヴィヒ(メゾ・ソプラノ)
 レポレロ:ヴァルター・ベリー(バリトン)
 ツェルリーナ:ミレッラ・フレーニ(ソプラノ)
 マゼット:パオロ・モンタルソロ(バス)
 ヘンリー・スミス(チェンバロ)
 ニュー・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
 オットー・クレンペラー(指揮)

 録音時期:1966年6月、7月
 録音場所:ロンドン、アビー・ロード・スタジオ
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)

CD4
・クレンペラーの『ドン・ジョヴァンニ』の舞台裏 (A VISIT BEHIND THE SCENES)
 1. 序曲
 2. 序曲
 3. 若い娘さんたち、恋をするなら(ツェルリーナ、マゼット、合唱)
 4. コントロール・ルームでのプレイバックの模様(若い娘さんたち、恋をするなら)
 5. 若い娘さんたち、恋をするなら(リハーサル・テイク)
 6. コントロール・ルームでのプレイバックの模様(若い娘さんたちの別テイク)
 7. ぶってよ、マゼット(ツェルリーナ)
 8. コントロール・ルームでのプレイバックの模様(ぶってよ、マゼット)
 9. ああ、窓辺にいでよ、わしの愛しい人よ(ドン・ジョヴァンニ)
※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

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