【HMV インタビュー】 SAKEROCK page2

2011年11月25日 (金)

interview
--- 最近の無駄だった話はありますか?

伊藤:結構聞かれる度に考えるんですけど、意外と俺は無駄な事してなくて・・・

星野:人から見て「それって無駄じゃないの?」ってことだと思うんですよ。

伊藤:自分は別に無駄だと思ってないっていう。でも「SAKEROCKは自分達の無駄を大切にしてる」って資料でも言っちゃってるんですけど・・・(笑)

星野:お互いの無駄を大事にしてるって事かな?

伊藤:「ハマケンのあれ無駄だよなぁ」みたいな。(笑)それは探せばいっぱい出てくるし。

星野:例えば、ライブで「ハマケン吊るそうよ!ゲラゲラ」ってアイデアが出たときに、普通は「やめとこうよ」って人が絶対に出てくるはずなんだけど、それは絶対にやりたいんですね。

伊藤:そこが無駄を大切にしてるとこだな。だってハマケン吊るさなかったら楽器が買えるもんね。(笑)

星野:確かに。それぐらいお金かけてる。普通だったら「かっこいい映像を後ろにつけましょう。」「照明を豪華にしましょう。」ってなるはずなんだけど、それよりも「吊るす」事を選ぶ。(笑)
SAKEROCKより前にやってたバンドは、くだらないアイデアを思いついては言うんだけど、全部却下されてたんですよ。それがすごい嫌で、そうじゃないバンドを作りたいと思ってSAKEROCKに至ってるんです。みんな優しい人なんで、何も言わずになんとなくやってくれる。

伊藤:やれば面白いしね。

星野:なんか、僕の無駄な部分とかある?

伊藤:源君の無駄なトコ?
・・・・・・・・・・・・・あんまないね。(笑)一番無駄をしてる人間に無駄を感じない。無駄なアイデアはすごい出すよね?けど、星野源の生き様に無駄を感じるかって言ったらそれはあまり感じない。(笑)

--- それぞれソロ活動やSAKEROCK以外での活動もしていますが、SAKEROCKでの活動との違いはどのような点ですか?

伊藤:もともとSAKEROCKは、みんな色んな活動をしてて、その個人活動をしている人間の集まりでもあるんです。それぞれ全然ジャンルの違う活動をしてるんですけど、色々な事をやってるっていう点では同じ。それはお互い背中を押し合うみたいな感覚もあって。みんな最近よく言うようになったんですけど、ホームグラウンドじゃないけど、戻ってくるような感覚は、ここ2−3年で出来つつあるかなっていう感じですね。

星野:そうだね。久しぶりにスタジオに入ったりすると帰ってくる感がすごくある。でも、違いって言うのはあまり意識したことないな。全部つながっているっていう感じです。

--- 今回のアルバム『MUDA』の中で、それぞれ、思い入れのある曲を教えて頂けますか?

星野:やっぱり1曲目の「MUDA」かなあ。4人で作るって決めて最初に作った曲です。今までこういう8ビートをやってないんですよ。やりたいっていう気持ちはずっとあったんですけど、「恥ずかしいからやらない。」「みんなやってるからやらない。」っていうのが「SAKEROCKらしくないからやらない」っていうのに段々スライドしていって、やってなかったんです。でもやりたいんならやってみればいいんじゃないかと。楽しいじゃないですか、8ビートって。それを楽しいままやったらどうかな?って思って作曲したのが「MUDA」です。
あと、みんなで歌いたかったんですよね。トロンボーンがヴォーカルなんじゃなくて、SAKEROCKは4人が4人、主役なんですよっていうのを出したかった。結果、何をやってもSAKEROCKはSAKEROCKなんだなって思えたのが「MUDA」だったんで、思い入れはありますね。

--- 続いて伊藤さんは?

伊藤:「Green Mockus」っていう曲ですね。この曲は馨君の曲なんですけど、馨君がこういう曲を持ってくると思わなかったんですね。凄い印象的で。「今までに無い、サウンドのハードな曲調にしよう」って、源君と馨君が打ち合わせをしてたわけじゃないのに、馨君がこういう曲を持ってきたんです。それは「4人で作っていこう」っていうのがあったから。今まで色んな楽器を足してアレンジしてきた分、4人になったときに4人で楽しんで演奏できるアレンジが重要だったはずで、馨君はそれをすごく考えてつくったんだろうなっていう。そういう馨君の思いを凄く感じる曲ですね。

--- 途中からの展開もすごいかっこいい曲ですよね。

伊藤:最初に聴かせてくれたのが、その途中からの展開だったので「何コレ!?」って。そしたらAメロはこんな感じで。

--- ちなみにタイトル「Green Mockus」のMockusってどういう意味ですか?

伊藤:モックスさんて人がいるんですよね。何の人だっけ?

角張:コロンビアのポガト市の元市長のアンタナス・モックスさんだそうです。(笑)

伊藤:馨君は南米好きなんで。

角張:人に捧げるシリーズの1曲だって。(笑)

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     SAKEROCK / MUDA
    2010年12月8日発売

    名盤『ホニャララ』から2年ぶり、待望のニューアルバム。アルバムのタイトルは『MUDA』。資料には"無駄を無駄にせずに大切にしてきたバンドSAKEROCKが送る最高傑作!"とある。なるほどSAKEROCKらしい。音を聴いてみると「ん?なんじゃこりゃ!」。1曲目から8ビートにひずんだギター!「こんなSAKEROCK聴いた事ない!!!」。とはいえ、何をやってもやっぱりSAKEROCKには違いなく、ホント素晴らしい作品なわけです。これまでのSAKEROCK作品のあの独特なゆるさ、くだらなさ、哀愁成分はそのままに、SAKEROCKがライブで見せる荒々しさまで注入した今作品。4人だけで作りあげたこの作品は過去最高のバンド感が表れた作品だと思います。これを名盤と呼ばずに何と呼ぶ。2010年度最後にして最高の作品です!

    [収録曲]
    1 MUDA
    2 Goodbye My Sun
    3 URAWA-City
    4 Hello P?
    5 DANCHI
    6 FUNK
    7 HIROSHIMA NO YANKEE
    8 KAGAYAKI
    9 WONDER MOON
    10 Oyabun
    11 Green Mockus
    12 8.16
    13 GUNPEI