【HMV インタビュー】 SAKEROCK

2010年12月3日 (金)

interview

SAKEROCKが、名盤『ホニャララ』から2年ぶり、待望のニューアルバムをリリースする。アルバムのタイトルは『MUDA』。資料には"無駄を無駄にせずに大切にしてきたバンドSAKEROCKが送る最高傑作!"とある。なるほどSAKEROCKらしい。音を聴いてみると「ん?なんじゃこりゃ!」。1曲目から8ビートにひずんだギター!「こんなSAKEROCK聴いた事ない!!!」。とはいえ、何をやってもやっぱりSAKEROCKには違いなく、ホント素晴らしい作品なわけです。で、その素晴らしい作品をリリースするSAKEROCKから星野源氏と伊藤大地氏をHMV本社にお招きしてインタビューを敢行しました。MUDAにまつわるアレコレをじっくり語って頂いてます。それでははじまりー!

--- まず最初に、それぞれ自己紹介とニューアルバムに関して一言お願いします。

星野:ギターとマリンバをやっております、星野源です。よろしくお願いします。

伊藤:ドラムの伊藤です。HMVではグッドラックヘイワの時には連載ブログをさせてもらったんですけど、SAKEROCKとしてインタビューを受けるのは初めてなんで、よろしくお願いします。

星野:そういえば僕もソロを出した時、オススメディスク紹介をやらせてもらいました。

--- 今回2年ぶりのニューアルバム『MUDA』ですが、ゲストなしの4人だけで作ろうと思った理由を教えてください。

星野:前作はマリンバもたくさん叩いていたので、そうなるとコード楽器がいなくなっちゃうんですね。なのでサポートの人を呼んだり、ストリングス入れたりしていて、ゲストの人達がいたんです。
今回も最初は、前のアルバムみたいなのをもう一回作ろうと思ってたんですけど、自分達が面白いと思える方向を探っていったら、最終的に4人だけで作ることになりました。

--- 僕はSAKEROCKとほぼ同じ世代なんですけど、資料の中で星野さんが「eastern youth と細野晴臣とHi-STANDARDとサザン・オールスターズを同じカセットテープに入れて聴いていた。」と言っている事に、思わず頷いてしまったんですけど。

星野:ジャンルで聴く人が徐々に減ってきた世代ですよね。それでも周りにはまだいっぱいいましたけど。

--- その聴き方は音楽聴き始めたときからですか?

星野:B’zとかサザンとか、それぞれ熱中した人達はいますけど、高校くらいになってくると、曲単位で好きなものがどんどん増えていって。どんなジャンルの中にも自分が好きなものは必ずあるっていうのがだんだんわかってきたんです。
僕はばっちりAIR JAM世代で、メロコアとかハードコアパンクとか当時はやっていたものが大好きだったんですけど、でも周りにそういうバンドばっかりだったんですね。だから好きだけどやれなかった。パンクばっかりの所でパンクやってもそれはパンクじゃないだろうと思って「じゃあ俺はギター歪まさない!」って決めちゃったんです。(笑)それが今までずっと尾を引いてたんです。

--- 人から「どんな音楽が好きなの?」って聞かれた時に、明確な答えを出せなくて自問自答しちゃう事ってありません?

星野:そうなんですよ。だから人からすれば面倒臭いだろうなーと思います。(笑)「あの曲のあそこが好きで、でもあの曲も好きで・・・」って。「アイドル誰好き?」って聞かれて10分くらい言えないみたいな。「めんどくせーな!こいつ!」って言われるタイプ(笑)。
僕はそうなんですけど、大地君は全く違うタイプの人で。学校の中でも人気者だったし。

伊藤:人気者?(笑)

星野:僕、後輩なんですよ。かっこいい先輩として見てたんですよ。

伊藤:在学中は知らなかったでしょ?

星野:いや知ってた。知ってたけど、ちゃんと意識したのは卒業してからのLIVE。「なんて凄いドラムを叩く人なんだ!」って。なにより学園生活を楽しんでた。

伊藤:楽しみましたね。

星野:僕はあんま楽しめなかったタイプで・・・

--- 音楽の聴き方も星野さんとは違う感じでしたか?

伊藤:そうですね。聴くという事にコンセプトすら存在しない。でもどのジャンルでも気持ちが良ければ聴く感じですかね。「俺はこう聴く」みたいな主張が強い人間が多い学校だったんで・・・ていうか俺、シャンプー聴いてたらすげーバカにされた。(笑)

--- 先ほど、ギターをひずませない事を決めちゃった、っていうお話がありましたけど、今回のアルバムは、ひずんだギターを解禁しましたよね?

星野:作品をつくるって事に関して、今までは背伸びをしようとしてた部分があると思うんです。もっといいものを作りたい、もっと面白いものをってずっと考えてたんで、足して足してっていう気持ちになっちゃってたんですよ。だからゲストも呼んで、他の人が絶対に作らないものを作ろうとしてたんです。
でも、4人だけでって考えた時に、ライブはいつも4人なのでやっぱりライブのようになるだろうなと。けど音源とライブって全く別物だと思っているんです。例えばライブ音源とかも好きではなくて・・・なんか置いてかれてる気がするじゃないですか?だからライブレコーディング風に録りましたっていうのではなくて、ちゃんと音源用に変換したかったんです。たまにSAKEROCKのライブってものすごい荒々しくなる時があるんですね。そういうのをただ録音しましたって言うのではなくて、ちゃんとCD用につくっていくっていうのをやりたいなと思って。そうなった時にひずませた方がちゃんと伝わるかなと思ったんです。

--- 今まで我慢していたものを今回は出してみたっていう印象もあるのですが。

星野:そういうのも個人的にはすごくあって、「そろそろいいんじゃないかな」っていう気持ちもあるし。でもそれは個人的な気持ちで、SAKEROCKとして考えると、ひずませる事が第一目標じゃなくて、4人でやる上で一番面白くなることを考えていったらそうなったって感じです。

--- 『MUDA』というアルバムタイトルについて聞かせて下さい。

星野:はい。あまり意味はないです。(笑)なんとなくかっこいいなーと思って。むだっていう言葉が昔から僕は好きだったので、よく使ってたんですけど。すごく頑張って考えたってよりかは、単純にアルファベットでMUDAって並んでるのがかっこいいって思って、アルバムのイメージになんとなく近かったんですよ。シンプルでソリッドな印象があるんだけど、くだらないというか人間ぽさがあるっていう。

--- SAKEROCKって、そういう印象ですよね。きっと、無駄に思えるようなことでも面白おかしく大事にしちゃうでしょうし。

星野:大地君は電車が好きなんですけど、そういうのも面白いからみんなに伝えたいんですよね。バンドってそういうのを省きがちっていうか。もっとかっこよくなるためにシンプルに削ぎ落としましょうみたいなところがあるじゃないですか?僕らは音楽も伝えたいけど、僕達4人の人間性も伝えたい。インストバンドで歌詞がないんでなおさらなんですよ。そういう人の面白さを伝えたいなと思ってます。

 次のページに続く・・・


    商品ページへ

     SAKEROCK / MUDA
    2010年12月8日発売

    名盤『ホニャララ』から2年ぶり、待望のニューアルバム。アルバムのタイトルは『MUDA』。資料には"無駄を無駄にせずに大切にしてきたバンドSAKEROCKが送る最高傑作!"とある。なるほどSAKEROCKらしい。音を聴いてみると「ん?なんじゃこりゃ!」。1曲目から8ビートにひずんだギター!「こんなSAKEROCK聴いた事ない!!!」。とはいえ、何をやってもやっぱりSAKEROCKには違いなく、ホント素晴らしい作品なわけです。これまでのSAKEROCK作品のあの独特なゆるさ、くだらなさ、哀愁成分はそのままに、SAKEROCKがライブで見せる荒々しさまで注入した今作品。4人だけで作りあげたこの作品は過去最高のバンド感が表れた作品だと思います。これを名盤と呼ばずに何と呼ぶ。2010年度最後にして最高の作品です!

    [収録曲]
    1 MUDA
    2 Goodbye My Sun
    3 URAWA-City
    4 Hello P?
    5 DANCHI
    6 FUNK
    7 HIROSHIMA NO YANKEE
    8 KAGAYAKI
    9 WONDER MOON
    10 Oyabun
    11 Green Mockus
    12 8.16
    13 GUNPEI
profile

SAKEROCK

2000年結成。メンバーは星野源(ギター)、田中馨(ベース)、伊藤大地(ドラムス)、浜野謙太(トロンボーン)の四人。様々な音楽的要素と無駄な感覚を多分に含んだストレンジ・インストゥルメンタル・グループ。センスが湯水のごとく溢れ出る!