【インタビュー】Dorian ジャパニーズ・ポップス・インタビューへ戻る

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2010年9月15日 (水)

interview

七尾旅人、やけのはらに続く第3の男! 名曲「Rollin' Rollin'」の影の立役者としても知られる、今最注目のアーティスト・Dorianがついに1stアルバムをリリース!
今回は、この80'sなキラメキとクラブミュージックの新たな時代の予感を携えた、夏の終わりに届けられる永遠のサマーブリーズ盤『Melodies Memories』を紐解きつつ、未だ謎の多いDorianという人物について深く知るためインタビューを敢行。 前述の2人を始めLUVRAW & BTB、G.RINAなど参加ゲスト陣のお話や、ご自身の音楽的ルーツをディスク紹介を交えつつ伺いました!それではドウゾ!


すごいな、オレには作れない、っていう



-- では最初に音楽遍歴やキャリア的なモノからお伺いしたいのですが。

Dorian  まず音楽を始めたのは小学校6年生の時で…長くなりそうだな、大丈夫ですか?

-- 大丈夫です(笑)。

Dorian  当時親に無理やり空手を習わされていて、ソレに毎週毎週行きたくなくって仮病みたいな感じで休んでて。 で、たまたまその時『ミュージックステーション』がやってたんですよ。 そこにTM NETWORKが出てて小室哲哉がシンセサイザーを操ってて。それを観て「なんだコリャ!」と。

-- 未来的な音楽だと。

Dorian  ええ。しかも体が動く感じの。で、観終わって一瞬にして「音楽やろう」と思って、そこからですね。 その時はシンセとか買えなかったんで、安いカシオトーンみたいなヤツを親に買ってもらって、 見よう見真似で…とりあえず「あの人がやってることが出来るようになりたい!」みたいな感じでコピーとかして。
で中学に上がって、まぁいろいろ分かってきて「あぁ、“打ち込み”っていうモノなんだ」とか。 それでMC-303っていう機材を買いまして…、だから曲を作り始めたっていうのは中学1年ぐらいからですね。 そこから、小室哲哉経由でジュリアナのコンピを聴きまくって「これがテクノか!」みたいになって(笑)。 全然違うんすけど(笑)。

-- (笑)。ジョン・ロビンソン的な(笑)。

Dorian  間違った解釈をしてしまって(笑)。それで音楽に詳しい友達もそんなにいなく、電気グルーヴとかに行くわけでもなく、間違ったまんま行ってしまって。 それで、これもまた小室哲哉の影響でジャングルとかを聴いて。…今全然そんな要素ないですけどね、自分の曲。

-- そうですね(笑)。

Dorian  とにかく小室が基準になってて。ただ、中学校2〜3年ぐらいの時に隣の席になった女の子が好きになって、 「どういう音楽聴いてるの?」って話をしたら、その子が結構マセてて「最近私はテイトウワが好き」と。 「あぁそうなんだ」と。僕その時テイトウワなんて知らないんですけど(笑)。 で『SOUND MUSEUM』っていうアルバムを貸してくれて「これはスゴイ!」みたいな。 質感も違うしグルーヴも違う、コード感も違う。すごいな、オレには作れない、っていう。

-- それまで小室哲哉が基準だったのが一気にシフトしたと。

Dorian  グッと。不順な動機で(笑)。でも、内心(小室哲哉が)好きっていうのもあるんで、そこを隠しつつテイトウワかっこいいよなと思いながら。それと同時に友達のお兄さんに『さんピンCAMP』のビデオとか見せられて。そこまで興味は持たなかったですけど。
で、サンプラーも買って、ある日作ったモノがヒップホップっぽかったんですね、なんかよく判らなかったんですけど。で「これラップを入れなきゃ」と思ったんですよ。誰なのかもよく判らない外国人のCDの歌詞カードの、 読める英語だけラップっぽく喋って録って(笑)。それで、上京してからもわりとラップを続けてたんですね、トラックを作りながら。
でもなんか、一緒にラップやってた相方ともあんまり好みが合わなくて。自分もラップで言いたいこともないし、ラップでどうなろうとも思ってないし…、だんだん面白くなくなってきて。R&Bディーヴァ風の女の子にトラック作ったりもしたんですけど、いろいろあってイヤになっちゃって辞めたんですよ。無理してやったってしょうがないしと思って。

-- それはいつ頃なんですか?

Dorian  それはハタチとか21ぐらいですかね。それで2〜3年は何もやってなくて、ただ奥底には音楽やりたいなっていう気持ちはずっとあって。聴いてはいたんですよ。で、だんだんエレクトロニカとかに寄っていって、どっかでROMZにあたったんですよ。SHIRO THE GOODMANとか。それでイベントに遊びに行ったりして…そうだ、今思い返してみると、そこにやけさん(やけのはら)も出てたんですよ。…そっからRAWLIFEっぽい所に遊びに行ってMOODMANとか聴くようになって。
で、その頃に付き合ってた女の子に「レコード聴きたいでしょ?」みたいなこと言われて。それで誕生日にターンテーブルを1台プレゼントされて。そしたらその翌日に友達から「ターンテーブル買い換えるから1台1万円でどう?ミキサーもあげるよ」って感じで、2日で一式揃ってしまって(笑)。それで「DJやってみようかな」って思って。いろいろやる気なかったけど、DJなら楽しく出来そうだなと。で、やってていろいろ人と会ってる内に「Liveやって」みたいなことになって。

-- でもそこまでの間には作るのはモチロン、Liveも一切やってないんですよね?

Dorian  ええ。急に始めることになって。そしたらやけさんとかと会うようになって…みたいな感じで今に至るという。 本格的にLiveをやるようになったのは2008年ぐらいからなんで、そんなに経ってないんですよ。

-- それまでの機材はMC-303じゃないですか。また始めようと思った時もMC-303だったんですか?

Dorian  その時点でMC-303とELECTRIBEを持ってたんですね。あとDJミキサーとKAOSS PADと。でもMC-909なら全部出来るよな、と思って。パソコンとかでLiveすれば良かったんでしょうけどそんな考えもなく、MC-303も使い慣れてるし上位機種のMC-909を買って。

-- じゃあ今はMC-909オンリーなんですか?

Dorian  オンリーですね。あっ…CDになってるモノに関しては、…87%ぐらいですかね(笑)。

-- (笑)。

Dorian  逆に(七尾)旅人さんの「検索少年」なんかはMC-303で作ってますからね。 でもそれは「合うな」って思って。久々に引っ張り出してきて作ったんですけどね。

-- その七尾旅人さんとの出会いはどのような感じだったんですか?

Dorian  やけさんと旅人さんが「一緒に曲を作ろう」ってなってスタジオ入る時に、旅人さんは歌とギター、やけさんはリズムマシンとモノシンセみたいなので、誰か鍵盤弾ける人がいたら、って話になったらしく。 それでやけさんがピンときたみたいで「Dorian 明日来ない?」ってことで。そこで初めて旅人さんと会って。
「どういう感じがイイですかね?」って話してて、旅人さんが「ローリンローリン…」って歌ってて、やけさんが適当にビートを組んで、で僕がパッパッってエレピを弾いて…弾いてたっていうか音色を選んでただけなんですよ。そしたら「それイイね」ってことで。その時のそのまんまで。1時間ぐらいで出来た曲ですね。

-- 1時間ですか!?メチャメチャ速いですね…。ということは「Rollin' Rollin'」からの接点なんですね。

Dorian  そうですそうです。



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     Dorian / Melodies Memories
    2010年09月15日発売

    七尾旅人×やけのはら「Rollin' Rollin'」の激メロウなトラックメイキング&Remix“ドリアンの終わらないアーバンソウル”、そしてその両者のアルバム『Billion Voices』『THIS NIGHT IS STILL YOUNG』それぞれに参加など、今この界隈での最重要人物であるドリアンがついに1stアルバムをリリース!
    七尾旅人のアルバムでは「検索少年」「どんどん季節は流れて」と、ポップサイドのキラーチューン・トラックを手掛ける一方、やけのはらとはキミドリのカヴァー曲「自己嫌悪」を始め大半の曲で競演するなど、熱い繋がりをみせるこの2人が今作に参加するのはモチロンのこと、その他にもG.RINA、LUVRAW&BTBと注目のゲスト陣が参加。アートワークは、鎮座ドープネスなどでもお馴染みのファンタジスタ歌磨呂。
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ドリアン [Dorian]

Rolandのオールインワン・グルーヴマシン“MC-909”を使ったLiveで都内を中心に活動中。ドリーミーでロマンティックなアーバン・ダンス・ミュージックで各方面から支持を集めている。 2009年、初の自主制作盤CD-R『Slow Motion Love』を発表。トラックメイカーとして七尾旅人×やけのはら「Rollin' Rollin'」のアレンジを担当、Remixも手がける。 ZEN-LA-ROCK、DE DE MOUSEなどの作品への参加、VMCへの楽曲提供など。