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【特集】 電化帝王学と 「ビッチェズ」について

2010年7月26日 (月)


Miles Davis Bitches Brew



 1690〜1970年録音。大半が20分台という長尺、LP2枚組という非商業的なパッケージ、そして何よりもその強烈なエレクトリック路線、ロック・リズムの大胆な導入によって「世紀の問題作」と言われた『Bitches Brew』。ジャズ系のラジオ局よりもアンダーグラウンドなロック系ラジオ局でオンエアされ、売上を急上昇させたこのアルバムは、マイルス・デイヴィスにとって初のゴールド・ディスク獲得アルバムとなったもの。この、ジャズを超えたアルバムによって、マイルスには新たなファンが数多く付くことになる。ロックのエネルギーと前進方向性にマイルスが裸になって四つに取り組み、ジャズの新しい可能性を呼び起こすことへ向かって全てを賭ける本音を剥き出しにした革新的名作が、発売から40年を迎えた今年2010年、ついにレガシー・エディション、コレクターズ・ボックスセットとして新たな姿を現す。「世紀の問題作」のアザー・アスペクツがここに! 完全限定生産につきお早目のご購入をおすすめいたします。



70年タングルウッド(CD)、69年コペンハーゲン公演(DVD)をパッケージ

 
Bitches Brew 〈Legacy Edition〉(国内盤)

・24ページ・カラーブックレット付

> 「レガシー・エディション」輸入盤
* 輸入盤には「70年タングルウッド」ライヴCDは収められておりません。ご注意ください。
 
Miles Davis
 Bitches Brew 〈Legacy Edition〉(国内盤)
 ソニーミュージック SICP2699 2010年11月17日発売 DVD付き4枚組 デジパック初回限定盤

【DISC-1】 通常盤Disc1+通常盤Disc2の前半2曲を追加
1.ファラオズ・ダンス 2.ビッチェズ・ブリュー 3.スパニッシュ・キー 4.ジョン・マクラフリン

【DISC-2】 通常盤Disc2の後半2曲+下記の別テイク及びシングル曲を追加
1.マイルス・ランズ・ザ・ブードゥ・ダウン 2.サンクチュアリ 3.スパニッシュ・キー(別テイク)4.ジョン・マクラフリン(別テイク) 5.マイルス・ランズ・ザ・ブードゥ・ダウン(シングル)6.スパニッシュ・キー(シングル) 7.グレート・エクスペクテイションズ(シングル)8.リトル・ブルー・フロッグ(シングル)

【DISC-3】 CD(『ビッチェズ・ブリュー』発売後、1970年ボストン郊外タングルウッドにおけるライヴ)
1.ビル・グラハムによるイントロダクション 2.ディレクションズ 3.ビッチェズ・ブリュー4.ザ・マスク 5.イッツ・アバウト・ザット・タイム 6.サンクチュアリ 7.スパニッシュ・キー/ザ・テーマ8. マイルス・ランズ・ザ・ブードゥ・ダウン/テーマ 9.ビル・グラハムによるアウトロ

【DISC-4】 DVD(『ビッチェズ・ブリュー』発売前年、1969年コペンハーゲンにおけるコンサート)
1.ディレクションズ 2.マイルス・ランズ・ザ・ブードゥ・ダウン 3.ビッチェズ・ブリュー 4.アジテイション 5.アイ・フォーリン・ラヴ・トゥ・イージリー 6.サンクチュアリ 7.イッツ・アバウト・ザット・タイム 8.テーマ





 通常盤収録の6曲に、「スパニッシュ・キー」、「ジョン・マクラフリン」の初出別テイク、「マイルス・ランズ・ザ・ブードゥ・ダウン」、「スパニッシュ・キー」、「グレート・エクスペクテイションズ」、「リトル・ブルー・フロッグ」のシングル・エディット・ヴァージョンをボーナス・トラックとして追加。

 さらに、ハード・コレクターには「タングルウッドの嵐」でよく知られる、『Bitches Brew』発表後の1970年8月18日(つまり、ワイト島祭出演の10日前)、マサチューセッツ州ボストン郊外のタングルウッド公演を正規CD化にて収録! おそらくこれがマイルス・バンドへの初参加と思われるゲイリー・バーツ(as)、バンド離脱直前となるチック・コリア(el-p)、そして、キース・ジャレット(org)、デイヴ・ホランド(b)、ジャック・ディジョネット(ds)、アイアート・モレイラ(Per)による狂気の宴。特に、チック、キースのWキーボードが同時に在籍していた期間は非常に短かったため、その音源自体も貴重!

 DVDには、1969年11月4日デンマークはコペンハーゲンにおけるステージを収録。ウェイン・ショーター(ss,ts)、チック・コリア(el-p)、デイヴ・ホランド(b)、ジャック・ディジョネット(ds)=通称 ”ロスト・クインテット”による伝説の一夜、こちらもついに正規映像化。チックの狂乱インプロが凄まじすぎ!






LP、ブックレット、ポスター、チケット・レプリカ等付属の超豪華ボックス

 
Bitches Brew 〈40th Anniversary Collector's Edition〉

Miles Davis Bitches Brew

・52ページ・カラーブックレット付
・1970年4月Fillmore Westのコンサート・チケットのレプリカ、高画質写真、1969年12月「Rolling Stone」誌表紙のレプリカ、折込みポスターなど封入(予定)
 
Miles Davis
 Bitches Brew 〈40th Anniversary Collector's Edition〉
 Columbia 88697702742 2010年9月14日発売 DVD付き 2LP付き6枚組 ボックスコレクション初回限定盤

【DISC-1】 通常盤Disc1+通常盤Disc2の前半2曲を追加
1.ファラオズ・ダンス 2.ビッチェズ・ブリュー 3.スパニッシュ・キー 4.ジョン・マクラフリン

【DISC-2】 通常盤Disc2の後半2曲+下記の別テイク及びシングル曲を追加
1.マイルス・ランズ・ザ・ブードゥ・ダウン 2.サンクチュアリ 3.スパニッシュ・キー(別テイク)4.ジョン・マクラフリン(別テイク) 5.マイルス・ランズ・ザ・ブードゥ・ダウン(シングル)6.スパニッシュ・キー(シングル) 7.グレート・エクスペクテイションズ(シングル)8.リトル・ブルー・フロッグ(シングル)

【DISC-3】 CD(『ビッチェズ・ブリュー』発売後、1970年ボストン郊外タングルウッドにおけるライヴ)
1.ビル・グラハムによるイントロダクション 2.ディレクションズ 3.ビッチェズ・ブリュー4.ザ・マスク 5.イッツ・アバウト・ザット・タイム 6.サンクチュアリ 7.スパニッシュ・キー/ザ・テーマ8. マイルス・ランズ・ザ・ブードゥ・ダウン/テーマ 9.ビル・グラハムによるアウトロ

【DISC-4】 DVD(『ビッチェズ・ブリュー』発売前年、1969年コペンハーゲンにおけるコンサート)
1.ディレクションズ 2.マイルス・ランズ・ザ・ブードゥ・ダウン 3.ビッチェズ・ブリュー 4.アジテイション 5.アイ・フォーリン・ラヴ・トゥ・イージリー 6.サンクチュアリ 7.イッツ・アバウト・ザット・タイム 8.テーマ

【DISC-5】 LP(ビッチェズ・ブリュー)
1.ファラオズ・ダンス 2.ビッチェズ・ブリュー

【DISC-6】 LP(ビッチェズ・ブリュー)
1.スパニッシュ・キー 2.ジョン・マクラフリン 3.マイルス・ランズ・ザ・ブードゥ・ダウン 4.サンクチュアリ




 上掲のレガシー・エディション同様、通常盤収録の6曲に、別テイク、シングル・エディット・ヴァージョンをボーナス・トラックとして6曲追加。

 さらに、1970年8月18日マサチューセッツ州ボストン郊外のタングルウッド公演を正規CD化にて収録。DVDには、1969年11月4日デンマークはコペンハーゲンにおける ”ロスト・クインテット”による伝説のステージを収録。

 コレクターズ・エディションには、180g重量盤アナログ2枚組を付属。



 

Complete Bitches Brew Sessions

 
 1998年にリリース(2004年リイシュー)されたボックスセット『Complete Bitches Brew Sessions』について。

 発売前はどれほど驚愕に値するコンプリート・ボックスが登場するのか、マイルス・ファンは固唾を呑んでそのリリースを待ち侘びていたらしいが、百戦錬磨のマニア連中を唸らせるほどの決定打には至らなかった、このボックス・セット。

 つまり、『Bitches Brew』云々というわけではなく、1969年8月から翌70年2月にかけて集中的に行われていたセッションの中から、比較的『Bitches Brew』収録曲(8月19〜21日)と日付の近い音源(しかも既発)を単にかき集めて(未発表テイクもいくつかあり)纏めたという内容であり、これにはハード・ファンのみならず、中級クラスのマイルス知識を持つリスナーも肩透かしを食らったという。ちなみに、『Big Fun』『Circle In The Round』『Live Evil』といった未発表音源集で多くを聴くことができる。

 ただ資料的価値だけにすべてを求めるのは、やはり野暮というもの(価格を踏まえると、さすがにもう少し価値のあるものを、という声は多々ありますが・・・)。広く「エレクトリック・マイルス」の”最初の大噴火”を纏めた1本とあらかじめ決めかかって手を伸ばせば、かなり合点がいく部分も多いプロダクツとなり得るはず。2001年の『Complete In A Silent Way Sessions』や、2007年の『Complete On The Corner Sessions』にしても、既発音源の多さなどから、同様の”ネーミングに難あり”感は否めなかったが、これについても ”時間” の幅を広くとることにより多少の不満は解消できるのだと思う。

 ただ、『Complete Jack Johnson Sessions』に限っては、すべて1970年2月〜6月というごく短期間における録音音源から構成された5枚組(テイク違いの多さがやや難か?)で、一連のマイルス箱モノの中でも、資料的価値は群を抜いて高い。 
40年目、不惑のビッチェズ・ブリュー


 1998年にリリース(2004年リイシュー)されたボックスセット『Complete Bitches Brew Sessions』が、その既発セッション音源や未発表音源の出所から賛否両論多くの議論を巻き起こし、良くも悪くも本作『Bitches Brew』についてはある程度語られ尽くされたかと思いきや、発売40周年という節目にして「不惑」ゾーンを迎えた今、あらためて豪華盤という意匠にて世に問う、革命楽士マイルス・デイヴィスによる”ジャズ維新”の極意。

 「ファンク」や「ロック」のイディオムを頭に悠々と描きながら行われた、計画的且つ永続的なセッションと、プロデューサー、テオ・マセロによる編集ロジックとその技巧。1967年の『Nefertiti』でアコースティック・ジャズの頂点を極めた帝王が、音楽シーン全体を冷静に見渡し、『Miles In The Sky』『キリマンジャロの娘』『In A Silent Way』と、律儀にも順序立てを行いながら徐々にシフトしていき、虎視眈々とその着地点を模索していた最初の「電化世界」。混沌とした60年代の終わりと、さらなる激動を約束された70年代のはじまり。その境界線ともいえる、1970年4月に生み落とされた『Bitches Brew』。古典を博愛する者は「裏切りだ」と頭を抱え、常習性に畏怖を憶える者は自らの困惑を「刺激的」な覚醒へとコンバートする作業に励む。この行為は、対極的だが、まさに表裏でもある。 

 先述のボックスセット『Complete Bitches Brew Sessions』を監修したボブ・ベルデンは、「ジャズ音楽は、ここにあるセッションの結果により、永遠に変わった」とライナーノーツに記している。つまりは、『Bitches Brew』制作に費やしたセッション期間から、新しい音楽の要素がいくつも派生し、発芽したということなのだろう。ウェザー・リポートハービー・ハンコックのムワンディシ・バンド〜ヘッドハンターズマハヴィシュヌ・オーケストラサークルリターン・トゥ・フォーエヴァーストーン・アライアンス・・・俯瞰すれば、現在までに至るジャズ史にその名を刻むグループやプロジェクトばかりだが、一部を除いて、彼らのおよそ発芽当時のジャズ史におけるありていな評価というのは、「蛙の子は蛙」とでも言いたげな散々なものだったに違いない。がしかし逆に、例えばロック側、ファンク側(もしくは、カウンター・カルチャーに盲目的に酔うヒッピー側)に図らずも身を置く人たちにとっては、この新しい音楽形態(サウンド・フォーム)が「ジャズ」と名付けられて久しい側面、動かざる山から逸脱的に出現したことに、なぜか興奮と動揺を隠せない事態にあったのではないだろうか。

 されど、これは「ジャズ・ロック」でもなければ、まして「フュージョン」でもない。もちろん、後のそうした音楽を生むヒントにはなり得ているだろうが、もはやジャズの歴史にいちいちあてはめる作業を必要としない。ポピュラー音楽、音楽産業史上最もカテゴライズしにくい部類にある普遍的な「解放区」の現場であり、さらにエスカレートする「脱ジャズ」とも揶揄され続けたこのフラットな自由行動は、『On The Corner』をさらなる跳躍台にしながら 「電化」 を強め、最終作となる『Doo Bop』に至るまで、つまり生涯を通したライフワークとして行われることとなる。

マイルス・ディヴィスとテオ・マセロ
 と、ここまではすでに語られ尽くされている『Bitches Brew』に対する常套句でもある。『In A Silent Way』を含め所謂世間一般に「エレクトリック・マイルス」と呼ばれている60年代末から70年代(1969〜1975年)に至る作品には特に、常日ごろ議論がつきまとう。むしろその第三者会議を傍目に愉しんでいるマイルスの姿さえ想像に容易いほどだ。言い換えれば、紛糾する議論の場をもたらすほどに形容しがたい「興奮材料」が所狭しと散りばめられており、またその反面、まったく言葉にならない驚くべき変革が、さも当たり前のように行われてもいる。前ぶれはきっちりとあったが、あまりにもダイナミックでドラマチックな革命が目の前で行われたのだ。単にアコースティックからエレクトリックに指向を変えただけではなく、マイルス自身がそれまでスタンダードとみなされていた価値観を打破しようと意を決し、奔走する。『Bitches Brew』は、その最初のアクセルを深く踏み込んだ記録と言えるかもしれない。いきなりスピードが上がれば、ついて来れない者がいるのも当然。「熱しやすく冷めやすい」、また「スピード狂」でも知られるマイルスが本気で走り出せば、われわれ程度のリスナーでは瞬く間に遥か後方にまで引き離されてしまうのが関の山だ、と少々自虐的な気持ちにもさせられてしまう。 

 『Bitches Brew』が世に出てちょうど40年が経過。ポピュラー音楽シーンは、細分化に次ぐ細分化により、明確なカテゴライズを必要としない時代に入ってきているとも言えるだろう。むしろ2010年現在、「ジャズとは?」「ロックとは?」という問いかけのほうが新鮮に感じられるぐらいだ。「分野も人種も超えて、さらに時代も超えて」という既知感たっぷりの三拍子を揃える『Bitches Brew』は、ある意味で垣根という垣根が意味を成さなくなった今現在において、どれほどまでに白熱した議論の中心に居座り続けることができるのだろうか(『On The Corner』然り) ? マイルスのアイデア、テオ・マセロの手法は時の経過に伴って古めかしいものになるのは当然だが、主役帝王、名伯楽ともに亡き後、直接的な評価の更新が困難にならざるを得ない状況下で、『Bitches Brew』は表舞台にて何度目かの裁判にかけられる。 「最高か?」「最悪か?」  

 最後に、今回リリースされる『Bitches Brew』 〈Legacy Edition〉(国内盤)〈40th Anniversary Collector's Edition〉(輸入盤)に収められる未発表ライヴCD、または未発表ライヴDVDについて。 ”地下流出”市場をよく知るコア・ファンには、すでにおなじみの両ソース。「Tanglewood Storm」、「Tanglewood Wizard」として古くから著名な1970年8月18日マサチューセッツ州ボストン郊外のタングルウッド公演がオフィシャルCDとして、また、1969年10月27日ローマ公演をカップリングした、『Live In Copenhagen & Rome 1969』というタイトルですでにリリースされている同年11月4日のデンマーク、コペンハーゲン公演が完全収録にて、こちらもオフィシャルDVDとしてパッケージされる。 

 前者、タングルウッド公演の聴き所といえば、10日後のワイト島ミュージック・フェスティバル出演を最後にバンドを離脱することとなるチック・コリアキース・ジャレットのWキーボードを配した鍵盤大相撲! ともすると ”主役喰い” にもなりかねない、エレピとオルガンの凄まじい対決音を硬軟自在、緩急自在に絡ませ漠然と広がる音宇宙。あの『At Fillmore』に並ぶ有無を言わせないかっこよさ、ここにあり。また、スティーヴ・グロスマンに代わりゲイリー・バーツが初参加している点も見逃せない。

 さかのぼって1969年、”ロスト・クインテット”による欧州ツアー、そのコペンハーゲン公演を完全収録した後者。完全収録、つまり、「Directions」、「Miles Runs The Voodoo Down」を漏れなくしっかり収めているのがミソ! ちなみに、この翌日は、さらに神懸かったステージで、 ”ロスト・クインテット”の最高位と謳われるストックホルム公演が行われている。  




1969年のマイルスを読み解く

マイルスの夏、1969
 
 中山康樹 / マイルスの夏、1969
 扶桑社  2010年2月発売
 世紀の傑作誕生の秘密に迫る、ジャズ評論の新しい挑戦! ジャズの帝王マイルス・デイヴィスの金字塔『ビッチェズ・ブリュー』。マイルス研究の第一人者・中山康樹が、このアルバム誕生の秘密に迫る。そのスリルは、まさに探偵小説さながら。

 
「エレクトリック・マイルス」 中山康樹さんインタビュー

 日本におけるマイルス・デイヴィス研究の第一人者で、最新著書『エレクトリック・マイルス 1972-1975 〈ジャズの帝王〉が奏でた栄光と終焉の真相』の中でも周到な調査と徹底した聴取で鋭い考察を展開されている中山康樹さん。今回、「70年代エレクトリック・マイルスとは何だったのか?」をテーマにお話をお伺いしてきました。名付けて、HMVプレゼンツ 「エレクトリック・マイルス 夏期講習」。




 





1969〜70年のマイルス ライヴ音源/映像
『In A Silent Way』『Tribute To Jack Johnson』についてはこちら


 
Bitches Brew Live
 
 Bitches Brew Live
Legacy 781485 2011年2月8日発売
 フィルモア・イースト公演の翌月、着実に電化が進む(気合一発! 五分刈りの)マイルス・バンドがひとつの頂点に達しようとしていた、その瞬間の鬼録。冒頭3曲は、『Bitches Brew』 吹き込み直前となる1969年7月5日、仏ニューポート・ジャズ・フェスティヴァル出演時の貴重音源。 ”ロスト・クインテット”による混沌極まりない音の渦巻きは、日本語でもって「ヤバイ」、英語でもって「Good Sick」なる危険な情緒。残6曲は、おなじみの1970年8月29日ワイト島ロック・フェステイヴァル出演時のもの。信頼と実績のLegacyから!





 
Complete Live At The Blue Coronet 1969
 
 Complete Live At The Blue Coronet 1969
DOMINO891207 2010年12月10日発売
 こちらも『Bitches Brew』吹き込み直前、1969年6月(21〜29日のどこかにおけるファースト・ショーとセカンド・ショー)、ニューヨークはブルックリンの名門クラブ、ブルー・コロネットにて行なった、ウェイン・ショーター、チック・コリア、デイヴ・ホランド、ジャック・ディジョネット、つまりは伝説の ”ロスト・クインテット”でのライヴ。 「This」、「No Blues」での解体 → 再構築ぶりは一聴の価値あり。





 
1969 Miles
 
 1969 Miles
SRCS6843 1993年10月1日発売
 こちらも 『Bitches Brew』吹き込み直前の1969年7月、 ”ロスト・クインテット”による圧巻のフランス公演。4ビート・ジャズが瓦解する一歩手前の爆発的演奏は、高速の「Round About Midnight」に顕著。





 
Live In Rome & Copenhagen 1969
 
 Live In Rome & Copenhagen 1969
Gambit 69330 2010年2月15日発売
 最強の”ロスト・クインテット”が、1969年、ローマ(10月27日)とデンマークはコペンハーゲン(11月4日)で行ったパフォーマンスをカップリング。言うまでもなく、このクインテットでのスタジオ録音は現在も発表されておらず、残されたレコーディングはすべてかけがえのない記録として珍重されている。





 
At Fillmore
 
 At Fillmore
SICP20061 初回限定盤 2009年2月18日発売
 1970年6月、ロックの殿堂フィルモア・イースト公演の模様を収録した2枚組ライヴ・アルバム。キース・ジャレットとチック・コリアのアグレッシヴなプレイが同時に聴ける夢のような作品。





 
Black Beauty:At Fillmore West
 
 Black Beauty:At Fillmore West
SICP839 2005年10月19日発売
 『Jack Johnson』録音の3日後、1970年4月のライヴ盤。“フィルモア・ウェスト”でのステージで、マイルスは当初大会場でのライヴを嫌ったが、これを機にロック系を含む多くの若者の人気を博すことになった。





 
Live At The Fillmore East
 
 Live At The Fillmore East
SRCS2517 2001年9月19日発売
 1970年、東西の「フィルモア」に計4回出演したマイルス。本作は、『Black Beauty』収録ライブに先立つ、3月7日のライブをノーカットで完全収録した驚くべき内容。時代の趨勢に反旗を揚げたマイルスの怒りの咆哮が「フィルモア・イースト」の会場の若者を鼓舞する。





 
1969 Berlin Concert
 
 1969 Berlin Concert
Jazz Shots JS2869094 2010年5月11日発売
 1969年の11月7日にベルリンで行われたロスト・クインテットによる発掘映像。エレクトリック・マイルスの印象を決定付けた名曲「Bitches Brew」をはじめ、「Directions」や「I Fall In Love Too Easily」などを含む6トラックが休みなしのメドレー形式で披露されています。





 
Live In Copenhagen & Rome 1969
 
 Live In Copenhagen & Rome 1969
EFOR Films 2869080 2008年7月5日発売
 上掲の同タイトルCDの映像版。前半は1969年11月4日のコペンハーゲン、後半は同年10月27日のローマでのライヴDVD。ローマ公演は、マスターの関係上、白黒映像。





 
At Isle Of Wight
 
 At Isle Of Wight
ヤマハミュージックアンドビジュアルズ YMBZ10039 期間限定リイシュー 2009年10月28日発売
 1970年8月26〜30日にかけて開催された「ワイト島ロック・フェステイヴァル」にマイルスは、「フィルモア・イースト」を制覇したメンバーで出演。「世界一のロック・バンドだって俺にはできる」と豪語したマイルスは、ジョニ・ミッチェル、ドアーズ、 スライ&ザ・ファミリー・ストーン、EL&Pなど70年代を代表するロック/ポップ・ミュージシャンたちと同じステージに立ち、彼ら目当てにやって来た白人のロック・ファンに、『Bitches Brew』収録曲を大音量で演奏した。





 
Live Evil
 
 Live Evil
SICP20063 初回限定盤 2009年2月18日発売
 1970年、ワシントンD.C.におけるライヴと通常のスタジオ録音をただ単にカップリングしただけでなく、テオ・マセロにより高度に編集を施されたアルバム。「過去共演した中で、もっともすごかった奴は、キース・ジャレットだ」と語るマイルスの言葉通り、ここでのキースの演奏は本当に凄まじい。キース自身はピアノ以外の楽器を演奏することは嫌がったが、マイルスの頼みならば演奏するとマイルスの下でのみオルガンやローズを演奏したが、他の作品ではチック・コリアなど他のキーボーディストとの共演が多く、キースのみの演奏が聴けるのはこの作品だけという非常に貴重な音源でもある。





 
Cellar Door Sessions 1970
 
 Cellar Door Sessions 1970
C6K93614 2005年12月20日発売
 1970年12月16〜19日録音のアルバム『Live-Evil』収録の元ライヴ音源を完全に収録した6枚組の本盤。ワシントンDCの「The Cellar Door」クラブでの4日間にわたる演奏を完全収録。テオ・マセロが天才的な編集技術によって行なったマイルスの演奏の「作品化」とは異なる「時代のドキュメント」が記録されており、『Bitches Brew』以降、ロックへの挑戦を標榜していたマイルスの”健康悪化”以前の最高の演奏のひとつが収録されている。






【冬期講習】 「マイルス 奇跡のラスト・イヤーズ」 中山康樹さんに訊く




ヨミウリ オンライン 「新おとな総研」で連載中の 「ジャズ定盤入門」









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