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Review List of 一人のクラシックオールドファン 

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     2011/12/20

    シェーンベルクとシベリウスのヴァイオリン協奏曲をハーン(2007年録音当時28歳)がサロネン(同49歳)/スウェーデン放送SOのバックで演奏した盤というので彼女のクール面と彼の作曲家・現代曲演奏面から如何にもフィットしたイメージを抱いて聴き始めました。一般的に分かり易いシベリウスの方について感じたことなのですが先ず演奏タイムは@17’20A8’31B7’16と意外とゆったりとしたペースと思いました。第1楽章、この曲の独特の出だしは深くはあるが北欧自然を彷彿させるピーンと張りつめた様な冷たさや腫れ物に触るような雰囲気はありません。そういう有様で更にフェイントを食った感じになります。まぁ、例えばハイフェッツなどの演奏を聴き慣れたリスナーにとってはもう少し緊張感が欲しい処なのですが聴き進むうちにキンキンした緊迫感に満ちたテクニックオンリーではなく割りと太目の音色ニュアンスを大切にした演奏である事に気づきました。一つ一つのフレーズが実に大切に扱われそれが説得力に結びついて行くといった具合です。カデンツァも当然じっくりと対応し〆へも焦らせる様に攻め上げます。中間楽章は落ち着いた雰囲気でヴァイオリンが大きく突出するのではなくオーケストラがドスの効いたバックが沈鬱な光景を見せてくれます。第3楽章も特にサプライズはありませんが技術披露万能ではなく特に地元北欧出身バックの自信の表れか周到且つ真っ向から取り組んでの引き付けて行くムードを感じました。この様な感じをさせる意味は軽くはないと思われます。シェーンベルクの方(タイム@11’34A7’28B10’47)は例の12音階音楽なのですが正直な処私自身の能力から馴染むところまで聴き及んでいません・・・勿論他の演奏との比較どころではありません、もう少し時間が必要なのかも・・・。ふと、バッハのハーンV協奏曲盤の演奏が脈絡無く過ぎりました。何れにしてもこの二つのヴァイオリン協奏曲盤がグラミー賞を取り、アメリカのチャートでは長らくトップだった事には録音の良さと共に注目しておきたいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/19

    小林研一郎さん(以下敬称略)にとってマーラーは重要なレパートリーの一つになっておりマーラー交響曲の起伏ある世界を激しく表現展開するのに彼の芸風が比較的マッチしてというのが自他共に認める処ではありましょう。本盤はマーラーの若々しい青春の奔流を描いた交響曲第1番「巨人」を小林が録って今残っている最初の演奏で1992年彼が52歳の時ハンガリー国立SOを振っての日本でのライブ(演奏タイム@16’17A8’41B11’33C22’00)でタイム的には後年の1998年チェコPO(同@15’27A8’12B10’35C19’59)、2005年日本PSO(同@13’24A8’21B10’43C21’10)を振った録音盤より長めになっておりそれはライブにも拘わらず?実に緻密・丁寧な曲運びにも因っているからだと思われます。全体ライブなのにあのコバケン節が余り発せられず叫び・唸りが聞かれず時折楽員の楽器準備構えの物音が入っている事でライブと気づかされる有様。第1楽章で管のパッセージつなぎの旋律が浮き立つ位丁寧によく歌い〆はテンポアップして効果を得ます。第2楽章はティンパニーの拍子取りが特徴的です。中間部で見せる表情付けも面白いですね。〆は第1楽章同様スピードアップします。第3楽章、スタートの少し溜めながらの弦行進に鋭い管が叫びの楔を打って行きます。いよいよ最終楽章は出だしはマァマァ、ただもう少し押しの強さというか破綻的要素が欲しい処で先述の丁寧さが「勢い」を軽減してしまっている様です。それに時折入る「間」がじれったくそれが説得力不足に繋がって感ぜられたのが正直な処です。本盤では最後の拍手もカットされているので小林演奏効果が入っていないのも物足りないのかもしれません。ただ当時の彼の演奏意図は充分察せられる盤かと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/18

    ヴィルトゥオーゾの一人と言われているロシアの巨匠L..ベルマンと言えばリストやプロコフィエフの作品をその持前のテクニックで豪快に演奏するピアニストという「すり込み」が私の頭の中にもあり、ブラームスのピアノ協奏曲第1番への適否?についてはバックがあの厳しさで知られるラインスドルフとパワーフルなシカゴSOでもあり所謂「爆演」コンビでどちらかと申せば悲観的でありました。本盤録音は1979年、ラザレフ49歳、ラインスドルフ67歳と個人的思いにはこの青春の懊悩曲に対しては少し年が行き過ぎと言う事もありました。さて、聴き出すと第1楽章、正にラインスドルフ/シカゴSOらしくやはり重低音からのスタートでスケール感を感じさせやがて入るベルマンは・・・時にはベルマンらしい技術で豪壮さも見せますが意外と真正面に取り組みながら進んで行きます。それが単にブラームスの青春葛藤の強調に終始するのではなくこの作品の交響曲的スケール感という別面を更に聴かせてくれる効果につなげてくれます。第2楽章も結構真面目に演奏され余裕があるだけいたずらに感傷に陥っていなくて違和感には到りません。凄まじい気迫で重戦車の様に突き進む最終楽章はバックが時に前のめるものの通しては強固でピアノは共にこの楽章を堂々と見事に〆に・・・。演奏タイムが@20’55A11’28B11’34とどちらかと言えば少し速い方なのもこの演奏タイプを強調しているなと思いました。聴き終えてマァこの様なやや厳しい男らしい演奏もこの曲にあっても良いものだなぁと感じた次第で現在販売されてはいませんが素晴らしいです。私はこのピアノ協奏曲だけ入ったCDで聴いており本盤併録のベートーヴェンのピアノソナタ「悲愴」演奏(1979年ライブ録音、タイム@8’11A5’00B4’23)は未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/17

    私の聴いているピノックのヘンデル分は1983〜1984年、ピノックが37〜8歳の頃に録音した演奏で古楽器使用の「水上の音楽」(演奏タイム・・・HWV348→9曲30’46,HWV349・350→10曲23’00)として「王宮の花火」(同HWV351→6曲18’15)とセットでのリリースで当初から比較的メジャーな盤で私も早くから手に入れて繰り返し聴いておりました。それ以前はオリジナルDG(ARHIV)のヴェッチンガー盤なりそれこそパイヤール少し遅れてミュンヒンガーに接して一方セルのようなフルオケ物で視野?を拡げました。最初聴いた時無理な運びをせず自然な息遣いを大切にした演奏を繰り広げ爽やかさが残る印象があり今もそれは私の中では変わらないようです。たヾ「王宮の花火」は爽やかさだけではちょっと弱く、より華麗豪華歓楽サムシングが欲しいとも思っておりましたが、本盤はその「王宮の花火」は別の演奏らしく1996年録音の1749年初演管楽合奏版(タイム5曲18’01)で一度聴いてみたいと思っております。他の同じ1996年録音の各曲・・・HWV331(3曲10’10)、HWV335(3曲9’01)、HWV399(3曲7’26)、オケイジョナル組曲(5曲15’07)等も未聴でありますが「水上の音楽」に花を持たせて「素晴らしい」ランクとします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/16

    日フィルをはじめ日本のオーケストラにも客演指揮などでお馴染になったラザレフが47歳の1992年の時に名門ボリショイSOを振ってチャイコフスキーの三大バレエの中でも誰もが知っている有名曲ばかりを集めた1枚です。内訳は「くるみ割り人形」8曲,タイム23’44、「眠りの森の美女」5曲,同23’01、「白鳥の湖」6曲,同26’10でとにかく各曲の聴かせ処を知りぬいた指揮者、オーケストラが本場物の味?を披露してくれている盤であります。一時ロシアのカルロス・クライバーの異名をとったラザレフである事と本場物という先入観で土俗的で腹底に響く迫力の演奏を予想していたのですが見事にそれは外れました。演奏はゆったり目で且つ何か流れる様な展開でとにかく当たりがマイルド・ソフトな感じなのです。明らかに私がこれまで聴いていた同曲とは異なっており、これが「本場物」かどうかは即断出来かねているのが実情であります。強いて言うなら強奏の時のコントロールが聴く者の方の共感を得るかどうかが分かれ目かも知れません。新しいチャイコフスキー・バレエ音楽を聴かせる面白い演奏盤であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/15

    アルゲリッチとアバドとの演奏と言えば私はLP時代の「1968年度ACCディスク大賞受賞」の帯がついていたラヴェルとプロコフィエフのピアノ協奏曲盤を思い出しそれだけ彼らの繋がりは長きにわたっております。本盤はアルゲリッチに珍しいベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番を演奏しているのが先ず聴き処であります。2004年彼女がもう63歳になった頃のライブ録音でバックは先ほど触れたアバド(当時71歳)/マーラーCOでタイムは@16’11A10’22B8’42。第1楽章割と分り易いテーマに乗った前奏が終わるとピアノが参加するわけですが初めの参加打鍵はアルゲリッチらしく殴りこみをかける感じでスタートします。しかしそれから暫くはもう一つ彼女ならではと感じさせるフィーリングに私の中では達せず少し肩透かしを食った様でした。それでも後段のカデンツァでは彼女の逞しい力感を打ち出した表現が聴かれます。中間楽章はちょっと勝手が違う様でそこをアバドが補足する感じです。最終楽章でのパッセージで又彼女のペースが挽回されますが全体としてこの第3番に似合いそうないつもの彼女らしさが薄らいだ仕上がりになってしまったのでは?とも思われました。もう一曲、第2番の方は同じバックで2000年収録されたこれもライブ盤(タイム@13’18A8’50B5’38)でこちらの方はこの曲の性格をボトムアップさせるエキサイティングな面を聴かせてはくれます。ケレンミのないピリオド奏法雰囲気でのバックのマーラーCOの新鮮さが好ましく思いました。アルゲリッチはこの第2番を1985年シノーポリ/PHOのバックで録っております(同@14’08A9’49B6’01)が本盤の演奏の方が少し急いでいる様です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/14

    1982年設立されたNHQのメンバーはオストロボスニアCOの首席(内、現在は確か女性1名)で精緻なアンサンブルと北欧特有の引き締まったリリシズムがとりわけ魅力となっており本盤グリーグとシベリウスの弦楽四重奏曲(1997年録音)は正に打ってつけと思われます。先ずグリーグの方ですが演奏タイムは@13’24A7’01B7’10C9’27で他演奏と比べておりませんがこの曲のグリーグ独特の楽想テーマが手を変え品を変え現れそれがあのピアノ協奏曲を思い起こさせる位印象的であり、又、途中の舞曲風な処も親しみ易い事から長さは感じられません。第1楽章、その重々しい動機からスタートし当該動機は保たれつつ緩急、明転・暗転を繰り返して行き先述の民族舞踊風な情緒もチェロに託して引き摺ります。第2楽章は当初やはりチェロメロディで穏やかなスタートから感傷的な場面にも突入・・・〆は静かにフェイドアウトする様に。第3楽章は再びグリーグ動機と舞曲が交互に繰り返され変奏されます。ゆったりスタートする最終楽章はすぐテンポアップし激しさを増しながら刺す様な痛みも感じさせます。そして詠嘆的に大きく見栄を切り〆はゆったりと閉じて行きます。全体演奏として終始する動機次第の処はありますが少し手荒な処が厳寒的な魅力にもなっています。シベリウスの方はタイム@6’46A2’32B12’44C5’59D5’30と比較的ゆったりしたものでどこか交響詩「トゥーネラの白鳥」を想起させたりします。第1楽章緩やかで印象的なメロディ・スタートでヴァイオリンとチェロが語り合う様な処から本曲に「親しい声」という標題が付せられたらしいです。後はそのメロディの変形繰り返し。舞曲風な第2,4楽章に挟まれた第3楽章は北欧の重い憂鬱な雰囲気を醸し出し内省的な世界を描く処は交響曲の縮図みたいにも評されている様ですね。総括的な最終楽章は途中の如何にもシベリウス的な疾風を噛ませつつ先行する各楽章の楽想・旋律が回り灯籠の如く表れては消えます。そんなに他演奏盤が多くはありませんが、NHQの他の追随を許さぬ世界が展開された本場物演奏かと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/13

    ピアノ五重奏曲を聴いていますので感じた事をメモさせていただきます。本演奏は2006年ピアノをフライシャー(当時78歳)が担当し弦メンバーはアメリカの19世紀哲学者の名を冠したエマーソンSQ(設立して当時丁度30年、現メンバーは何れも1950年代生まれ)が受け持った録音で演奏タイムは@16’30A8’59B8’00C11’04とやや第1楽章がじっくりかな・・・という感じでその第1楽章かみしめる様にゆったりと進み当たりは柔らかく録音も良いのか音の分離はシャープと捉えました。おっとりとし深刻ぶらない知的なアメリカのブラームスが展開され後段大きく息を取り〆への堂々さが感慨深いです。周知の如くフライシャーは三十代後半に病の為右手の使用が不自由になったが持前の前向き姿勢でどうやら両手での演奏が可能となったと聞きましたがそういった熱意がこのブラームスにも込められかつ高齢が故に何もかも分かった上で決して屈託ある陰鬱な演奏になっていない処・・・太いタッチが素晴らしいです。第2楽章もその穏やかな味わいは深く第3楽章を経て最終楽章で語り部分序奏からの運びは秘められたる情熱が迸り〆への前段階をゆっくり構えて更にクライマックスでの少し「間」を時折噛ましての効果は録音左右音が鮮明だけに素晴らしいです。とにかくこの濃密な作品を力みのない大人の演奏になったのではと思います。私は弦楽四重奏曲3曲(第1番・・・2007年録音,タイム@10’26A6’29B8’19C5’49、第2番・・・2005年,@12’19A8’54B4’48C6’39、第3番・・・2005年,@9’29A6’54B7’42C9’36)は未聴でありますので★一つ保留させていただくとして他の方のレビューを参考にして下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/12

    以前「当面OKランク」としてレビューを入れた者ですがあれから約三年聴き重ねてワンランクUPしたく、又、データ的なものも追加しておきたく再投稿させていただきます。モーツァルト生誕250年記念で2005年ムターが42歳の時に自ら弾き、LPOを振ったヴァイオリン協奏曲全集にプラスしてバシュメット(ビオラ、当時52歳)との共演でのK314協奏交響曲であります。彼女は1978年カラヤン/BPOバックで第3番(タイム@10’43A9’50B6’46)、第5番(同@10’42A10’56B9’24)を録音し、更に1981年ムーティ/PHOバックで第2番(同@8’53A7’40B4’11)、第4番(同@9’27A7’34B7’19)をそして1991年マリナー/ASMFのバックで第1番(同@7’09A8’13B5’38)及びK314協奏交響曲(同@13’06A1136B6’07)を追加録音して一通り済ませていたのですが彼女もカラヤン時代からすれば約三十年の年月を経て本人が述べている様に咀嚼・蒸留されたモーツァルトということなのでしょう。ただ全体やはりまったりした味付けというかその妖艶な容姿からも音色も基本的には濃厚でムターの意欲的な面が・・・変化球も交えて注目してもよい方向に作用し華麗な出来上がりになっています。本盤のタイムをメモしておきましょう・・・第1番(同@6’48A7’58B5’43)、第2番(同@8’21A7’01B3’51)、第3番(同@9’54A9’34B6’20)、第4番(同@9’03A6’57B7’01)、第5番(同@9’43A11’12B8’33)、K314協奏交響曲(同@12’37A11’41B6’11)といった具合で全体として各曲ほんの少しタイム的には短くなった印象。ただ本盤の各曲のカデンツァ(HMVレビュー参考)は実に見事に聴かせてくれます。時にはこってり起伏をつけて、或いは溜めを作っての見得切りは堪能しました。昨今のこの協奏曲では少人数のピリオド楽器伴奏がトレンドな処を大オーケストラLPOがイギリス楽団らしく無難にムターの意図を読んでフォローしているのは流石と思いました。私は特に第4番が元々後半グループでは地味な曲である処を派手目の演奏が中和し更にスッキリした楽想の緩急が自然に展開され気に入りました。協奏交響曲での共演バシュメットについて彼女は「彼の熱しやすい感情が好き。それが、私が考えもしない側面をスコアに加えることができるから」と言っているように、双方の緊張感がリアルに受取れます。本盤の録音は良いのですが私の聴いた盤は収録順が各盤の容量限度の為曲順になっておらず片やCD添付ブックレットはちゃんと曲順になっているので少し違和感がありました。何とかヤリクリ工夫が出来た筈と思いました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/11

    ビバルディの「四季」と言えば私の年代ではミュンヒンガー/シュトゥットガルトCOやこのアーヨ/イ・ムジチ(1959年録音、アーヨ当時26歳、演奏タイム春11’12,夏10’32,秋12’25,冬9’01)の四季から入ったわけですが、ことイ・ムジチ盤では以降の再録よりこのアーヨのもの(本当はアーヨ・ソロ分は本盤ステレオ録音以前にモノラル録音されている)がその艶やかなソロと共に頭にすり込まれており「最高」レベルであります。イタリアの突き抜ける青い空を当時新鮮に思わせた初めの方にどうしても引き摺られ他の注目すべき演奏盤も続出して(今やHMVカタログだけでも250種類以上の盤があるようです)、同じイ・ムジチでも後発組は割を食う感じなのは仕方ないのでしょうか・・・。ミュンヒンガーはドイツ風ガッチガッチなのに対して重心はこれよりやヽ軽めに対照的に透き通る明るい音色のきっちりしたイ・ムジチのこの演奏は価値としては永遠だと思います。オリジナルジャケットデザインは本CD盤では採用されていませんが採用盤もあります。なお、再録分のデータは参考の為メモしておきましょう。1955年録音分・・・アーヨ(モノラル、タイム春10’16,夏9’51,秋11’37,冬8’36)、1969年録音分・・・ミケルリッチ(タイム春10’59,夏10’40,秋12’20,冬9’12)、1982年録音分・・・カルミレッリ(タイム春10’50,夏10’04,秋12’10,冬9’05)、1988年録音分・・・アゴスティーニ(タイム春10’39,夏10’51,秋11’54,冬8’49)、1995年録音分・・・シルブ(タイム春10’49,夏11’01,秋11’39,冬8’49)とタイムだけ見ても微妙な変化があり演奏そのものも(私は未確認なのですが)特に後年分はバロック室内管弦楽団に浸透し出したピリオド楽器とその奏法の影響を大なり小なり受けたのでは・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/10

    演奏タイムデータを主に再投稿させていただきます。作曲者ラフマニノフから「私よりうまくこの曲を演奏する 」と感動を伝えたというホロヴィッツの弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第3番はホロヴィッツがキエフの音楽院を卒業する時の卒業演奏にも選んだ程の曲で演奏録音盤も数種類残されている様です。確認出来ていない点もありますがHMVレビューと重複するとしてもちょっと棚卸しして見ましょう。1930年録音A.コーツ/LSO(タイム@14’23A8’06B11’16)、1948年録音バルビローリ/NYPO(タイムトータル34’22)、1950年録音クーセヴィッキー/HBSO、1951年録音ライナー/RCASO(タイム@15’18A9’46B12’12)、1978年録音オーマンディ/NYPO(同@16’50A11’39B14’58・・・但しライブ)、1978年録音メータ/NYPO(同@16’13A11’23B14’59・・・但しライブ)といった具合です。本盤は1951年の録音で、ライナー(当時63歳)の引き締まった指揮をバックにホロヴィッツ(当時48歳)はやや愛想はないもののそのピアノタッチの明確さを伝えた演奏でその力感・安定感が素晴らしいですね。まぁ、技巧面を主にピアニスティックな表現でラフマニノフの情緒を打ち出す処は勿論あるのだけれどモノラルだけに彼の切れの良さが轟音に近く実にダイナミックに聴かれます。第1楽章でのカデンツァの弾き切りも印象的です。とにかくこの難曲ありてホロヴィッツ有りという処でしょうか。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/09

    本DVDその物(現在販売されてはおりません)のレビューではない事を初めにお断りしておきます。以前駅ワゴン売り・ライヴ・輸入物というマニアならちょつと寄り道してみたい様な演奏CDシリーズ・・・そう所謂「海賊盤」で百種類位確かあったと記憶しております・・・・の中にこのベルリオーズ「幻想交響曲」演奏収録盤があって私はその安物CD(その盤はベルリオーズ序曲「ローマの謝肉祭」もオマケに入っていました)を聴いており折角なのでデータ的なものを合わせてメモし参考に供したいと思います。HMVレビューにもあります様にこの幻想交響曲はチェリビダッケが57歳の頃1969年にトリノRAISOを振ってのライブ録音で演奏タイムは@13’40A5’47B18’48C5’27D9’57と中間楽章つまり第3、4楽章がややゆったりしている感じではあります。第1楽章からライブならではのしどろもどろさでアンサンブルの精緻さは求めるべきではないという直感が過ぎるもののその活々さはこれから展開するチェリビダッケの個性的な演奏も予感させます。この辺りは(私は見ていないのですが)視覚が補ってくれそうですね。この楽章の〆の追い込み・拍車のかけ方は素晴らしいです。続く楽章は何か皮肉っぽい進め方で優美さは皆無。第3楽章は先にも触れた様に割りとしっかりした骨格で低音弦の動きやティンパニーの遠雷の不気味さを際立たせます。第4楽章はゆっくりしたテンポでリアルに「断頭台への行進」を描きました。やや明るい基調で進む最終楽章ではこの曲の「恋に悩んだ末、アヘン自殺を試み夢にさまよう芸術家」を描いたオーケストレーションの名人ベルリオーズが次から次へと織りなす色彩あふれる世界をフルに猛烈なアッチェランドをかけて突進するフィナーレはやはり視覚を通して納得したいものです。私の聴いたCDでは勿論音質は満足なレベルではないし、チェリビダッケのライブ演奏で時折聞かれる彼のかけ声なりが余りなかったのは寂しい感じはしましたがその辺を身体全体を縦横に駆使しながら演奏している姿を見たら解消するかもしれません。まぁ指揮者の棒振り姿が視覚を通して聴衆に映るのもコンサートの効用であることを再認識した次第です。BPO時代とシュトゥットガルト放送SO時代とに挟まれた頃のチェリビダッケの指揮姿は映像資料的にも貴重ですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/09

    カラヤンほどの指揮者になると一つの曲をビジネスライクに何回も録って都度加齢に伴うそれなりの評価を得て来たと申せましょう。例えば本盤を含むベートーヴェン交響曲全集だとセッションでは(A)1951〜1955年オーケストラPHO、(B)1961〜1962年BPO、(C)1975〜1977年BPO、(D)1982〜1984年BPOそしてライブで昨年話題になった日本での(E)1977年BPOがあり夫々その時代の演奏味わいがある様です。ただ私はブラインド・テストで聴くとその区別仕分けには自信が無いし昨今の技術ではカラヤン風演奏盤も制作が簡単でその辺りになりますと益々微妙な段階に入りつつあるのではないでしょうか。一般には他の方のレビューにもあります様に1950年代分はPHOを振る才気溢れる若きカラヤンの颯爽さ(若いと言ってももう40代半ば)、1960年代のものはまだ前任フルトヴェングラー残滓の残るBPOとの模索闘争、1970年代分はBPOで君臨しカラヤンスタイルの確立、そして最後の1980年代分は晩年の人生諦観の反映・仕上げとなるのは理解出来る処ではあります。さて、これら各交響曲全集で代表選手として第9番「合唱」をサンプリングして見ましょう。ちょつと煩わしいですがタイムデータでは(A)1955年@15’08A10’09B16’06CD24’06、(B)1962年@15’27A10’58B16’25C23’57、(C)1976年@15’20A10’03B16’50C24’22、(D)1983年@15’34A10’26B15’24C24’20、(E)1977年@15’00A9’50B16’18CD25’02(拍手込み?)といった具合で演奏自体段々とより豪華になって来たものの時間のかけ方にはほとんどブレがなくカラヤンのしっかりしたスタンスが窺えます。本盤1962年BPOとのベートーベン交響曲第9番「合唱」は前述したように楽壇帝王のスタート?に相応しい充実した仕上がりになっており、その抜群さは周知の通りと思われます。多分その演奏のスタンダード的な無難性もありますが向上期を迎えつつあるカラヤンとBPOとの緊張感ある成果が「均整」感を伴った結果でもありましょう。フランス・ディスク大賞受賞をはじめ、高品位ハード・ガラス製音楽CDガラスCDにカッティングされたもの(値段は20万円!)が販売されたりもしましたね。第1楽章の推進力から思わず引き込まれます。全体通して満ち溢れるBPOの機動力が当時このオーケストラの新しい時代を告げた様に聴こえたものです。独唱陣もグゥンドラ・ヤノヴィッツ(S,当時25歳)、ヒルデ・レッセル=マイダン(A,41歳)、ヴァルデマール・クメント(T,33歳)、ヴァルター・ベリー(B,33歳)と当時54歳のカラヤンとバランスとれた年配の面々の各声が朗々と抜けているのも花を添えました。合唱はカラヤンいつものウィーン楽友協会合唱団で必ずしも評価が高い方ではありませんが私には気になりませんでした。本第九、ずうっと聴き継がれる名盤でこの価格、カラヤン以下全体気概に満ちた最高ランク演奏に思いました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/08

    以前本演奏の別盤でレビューした様に最高ランクの演奏で本盤は仕様向上で更に期待されましょう。繰り返しになりますがデータを追加して書き込みさせていただきます。このスタジオ録音(シューリヒト83歳の1963年録音、演奏タイム@15’34A13’59B21’44C19’42)直前の同曲のライブ盤(1963年モノラル録音、タイム@13’38A13’46B22’17C20’28)が別にリリースされてライブの興奮も伝わっているようですが本盤・・長大なこの曲を聴く者に飽きさせることなく比較的直截にシューリヒトならではの表現はあの名盤同じVPOを振った第9番に相通じる墨絵的悠揚さも感じさせます。特にトップの第1楽章とラスト終楽章は身を浸して聴くとクラシック音楽の凄さに新たに出会った幸せに気がつく時があります。ブルックナー指揮者シューリヒトにはこの交響曲第8番も他の録音演奏が残っており1954年シュトットガルト放送SO(@16’08A14’26B25’43C23’29)演奏盤や1955年北ドイツ放送SO演奏盤等がよく聴かれている様であります。名演奏犇めくこの曲については私自身好対照なクナパーッブッシュ指揮分も好きであります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/12/08

    クリヴィヌという指揮者はロシア/ポーランド系の両親ながらフランス演奏家としてキャリアを積んだ実力派で我々とほぼ同世代に当たります。その彼が1992年45歳の時に国立リヨンOを振ってのフランク交響曲は比較的スッキリしたパステル調?仕上がりで先ず演奏タイムが@16’32A10’30B10’10と特に第1楽章が他の演奏より2分近く短いのがこの曲につきまとうオドロオドロさを軽減している様です。オルガン的響きは確保していますが淡白でフランクの洗練したフランスエッセンス面を強調しているのかなとも受け取りました。第2楽章は弦のピチカートに乗って管がメロディ・スタートする中でこの曲の主テーマを浮ばせます。〆は穏やかな高まりを経てのハープエンドが印象的ですね。最終楽章では中盤の盛り上げに思わず聴き入った事と最後クライマックスでの音が濁らないのも特徴的でクリヴィヌのオーケストラ・コントロールの実力なのでしょう。このフランク交響曲についてはyoutubeでクリヴィヌ自身が後年設立したラ・ションブル・フィルハーモニックを指揮した演奏(タイム@16’55A10’21B10’25)もありピリオド楽器を用いたオーケストラのフランク音色も興味のある方は是非一見されたらと思います。なお、交響詩「プシシェ」からの抜粋四曲(トータルタイム20’34)は未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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