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Review List of フォアグラ 

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     2025/11/28

    私はバレンボイムがシカゴと録音したブルックナーとシューマンの交響曲全集こそ彼の最高の録音だと思っているし、これだけ全集が増えてリスナーの耳も肥えた現在その価値を認める人も増えると思う。のちのバレンボイムと違ってこのころはスコアを丹念に検討し誠実な音楽づくりをしている。フルトヴェングラーのようにテンポを動かすことを嫌う人もいるだろうが、聴いてみるとマゼールのような極端なことはやっていないし、「ブルックナーはインテンポ」という迷信から解き放たれた現在聴いてみると違和感はなくシカゴの力感に充ちたサウンドを使いながらもブラスで押す演奏ではなくまっとうなブルックナーなのである。さらに優秀なシカゴ交響合唱団による「テ・デウム」「詩編150番」「ヘルゴランド」が入っているのも大きなプラス要素。この演奏も素晴らしい。ぜひおすすめしたい。

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     2025/11/26

    アレクサンドラ・ティルスー。初めて聞く名前だが来日もしているらしい。ヴィジュアルもいいし、なんといってもショスタコーヴィチとヒンデミットという私にドストライクな演目、さらに私の推しのヴァシリー・ペトレンコ指揮だから聴かないわけにはいかない。ショスタコーヴィチは超難曲だと思うが近年女流ヴァイオリニストが演奏することが増えており、男性に対して全く遜色を感じさせない。ティルスーも抜群のテクニックとしなやかな美音でショスタコーヴィチを歌いあげる。カデンツァではもうすこし爆発も欲しい気もするが演奏内容としては十分。ヒンデミットはこの晦渋な作品にややてこずる感もあるものの、そこはバックのVペトレンコが引き締めて単調にならない。デビュー盤として合格点。惜しいのはフーガ・リベラの録音がいまひとつなこと。ホールトーンを入れすぎオケの解像度が落ちている。2曲ともオケが重要な曲だけにむしろデッドな音のほうが良かった。

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     2025/11/26

    イエジー・セムコフは決して無名の指揮者ではない。しかし彼の録音は60〜70年代に集中しており、私はセムコフは20世紀に亡くなったのだとばかり思っていた。ところが今回ブラームス全集が出て調べたら2014年まで存命だったとのこと。この全集は2008〜2009年にかけてなんとセッションでポーランド放送が収録したもの。想像するに、自国の名匠セムコフの重要な遺産を残さなければ、というポーランド放送の使命感があったのではないか。実際この全集は数あるブラームス全集のトップに挙げていいほどの素晴らしいものである。1番から実に味わい深い。終楽章のフルートソロの部分など涙がでそうになる。コーダもアッチェレランドをかけず雄大に締めくくる。3番冒頭も金管を抑え木管をメインに出すなどハッとする場面も多い。どの曲も充分重厚でありながら各声部がよく聴こえるのもセムコフが只物ではない証明といえるだろう。ポーランド国立放送響の能力も圧倒的。最近東欧のオケの優秀さに驚かされてばかりだが、このオケはその中でも飛びぬけている。来日の多いオケだがショパンの伴奏では本当にもったいない。最近某有名オケのブラームスが高額で発売されたが、その価格で全集が買えてしまうセムコフのほうを強くお勧めしたい。

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     2025/11/06

    愛知室内オーケストラは結成20年を過ぎたばかりの若いオケだが、その実力はアルトゥスから出た「グラン・パルティータ」で実証済み。ここで音楽監督である山下一史とのシューマン交響曲全集に挑んだ。結論から言えば大変優れた全集である。1番「春」はしっかりしたオケなら失敗することのないよく出来た曲である。しかし2番からはそうはいかない。シューマンの複雑な心象風景が曲に強く反映されるからで、それを前期ロマン派の響きのなかでどう描き出すかが問われるのだ。ここでの山下の表現は万全といっていい。異様に陽気なシューマンも深く沈み込むシューマンも適切に表現しており山下のシューマンへの理解の深さが伺える。傑作である2つの序曲も見事。同じような室内編成のシューマンはシェリー/NACが出たが、愛知室内オケのほうが実力的に上だと思う。是非広く聴いていただきたい全集だ。

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     2025/06/13

    ボールトのエルガー2番といえばLPOを振ったステレオ初期のパイ盤と最晩年のEMI盤がステレオセッションとしては全てだと思っていたのでこの録音の登場は驚きだ。スコティッシュ・ナショナルを振っているのも珍しいしレーベル名も聞いたことがない。CFPから再発売されたことがあるということはEMI系なんだろうか。演奏は75年のLPOと比べ活力が勝り第1楽章は痛快、第2楽章の深い憂いも味わいがありこれはこれで充分聴きごたえがある名演。「南国にて」は44年録音だが予想以上に音がよくこれも楽しめる。CD2のパートソング集も珍しい。無伴奏の合唱曲をこんなにたくさん書いてたんだ。コレクター向きだと思うがエルガー好きは購入して損はないと思う。

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     2025/05/09

    アンゲルブレシュトは1965年まで存命で晩年まで元気だったそうだ。にもかかわらずアンゲルブレシュトのステレオ・セッション録音が存在しないというのはフランスレコード産業界の怠慢のそしりを免れまい。ステレオ化が遅れたフランスでも58年にはスタートしていたのに。しかしそうは言ってもこのBOXの50年代モノ録音を聴いてさほど不満を感じないのはアンドレ・シャルランが大半のエンジニアを務めモノとしては最上といってよい音質で録音されているからだ。デュクレテ・トムソンとコロンビアに録音された50年代のアンゲルブレシュトの演奏はフランス音楽の金字塔と呼べるもの。親交のあったドビュッシーの録音が多いが、フォーレ、ラヴェル、ラロも実に美しい。声楽曲が多いが有名な歌手がいない一方、その後消えてしまったスタイルも味わえる。そう、オケも含めドイツ、イギリスとは響きが全く違うのだ。残念なのはフランス音楽以外がほとんどないこと。「ペール・ギュント」組曲が収録されているが(HMVの紹介では第1組曲となっているが、第2組曲も歌入りで入っている)優れた演奏であり、アンゲルブレシュトはドイツ音楽やロシア音楽でも見事な演奏を残したのではないかと想像できるのだ。INAに残っていないだろうか。

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     2025/04/29

    ドラティはLSOのポストについたわけではないが、50年代後半から60年代初めにかけてこのオーケストラを支えた指揮者のひとりである。ちょうどクリップスとモントゥーの間の期間、実力低下を噂されていたオケを鍛え直したと言われている。実際録音の多いLSOのなかでもドラティはトップかもしれない。ドラティも時期によって演奏スタイルは結構変わった人でデトロイト時代とLSO時代とではかなり違う。LSO時代はバッキバキの筋肉質の音楽であり、色気、甘味はない。曲によってはもう少し柔軟な表情を求めたくなるものもあるが、一方でアンサンブルは引き締まり推進力のある音楽は痛快そのもの。ロシア音楽との相性がとてもいい。コンチェルトも大変うまい。シェリングとのブラームス、シュタルケルとのドヴォルザークはドラティの指揮の力も大きく圧倒的な感動を生む。マーキュリーの録音は素晴らしいとしかいいようがない。シルヴェストリがマーキュリーだったらと思ってしまう。

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     2025/04/10

    プレートルといえばパリ・オペラ座管弦楽団と来日した時の演奏に非常に驚いた覚えがある。ライヴで燃えるだけでなくテンペラメントに充ちた指揮者だと知ったのだ。今回のSWRセットはプレートルのライヴの魅力をたっぷり味わえる。テンポを大きく動かし盛り上げるところは超スピード。やりたい放題なのだ。正直ブルックナーは居心地よくない。しかし、その他は面白い演奏がたくさん。最高の演奏は「ラ・ヴァルス」。変化に富み、最後は興奮のるつぼ。レスピーギの2曲も素晴らしい。トレビの泉で遅いテンポから一気にスピードアップする痛快さ。アッピア街道の松でのグランカッサ強打かっこいい!観客が興奮で悲鳴みたいな声を出している。「新世界」はパリ管弦楽団とのEMI盤も優れた演奏だったが、このSWR盤は燃焼度が段違い。同曲ベストのひとつに挙げたい。ブラームスのハンガリー舞曲も楽しいなあ。リヒャルト・シュトラウスも名演だが、そういえばプレートルはシュトラウスのオペラをよく振っていたんだった。録音が大変よいのもありがたい。

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     2025/04/06

    2023年バイロイト・ライヴ。NHKBSで放映されたもの。毎度の読み替え演出だが、レアアース争奪戦がテーマになり最後パルジファルはレアアースで作られたと思われる聖杯を投げ捨て木っ端みじんにする。一同唖然とする中、幕。こんなものがあるから平和にならないんだという主張かもしれないが一番感動的な場面であれをやられてはたまったものではない。カーテンコールで当然演出陣に盛大なブーイングが浴びせられたが彼らは嬉しそうだった。ブーイングも勲章ということか。演出家は観客を感動させる気などないのだ。ところが、演奏は十分に感動的、いや近年最高の出来だったのだ。バイロイトの「パルジファル」としてはブーレーズ、レヴァインよりはるかに優れた、そうクナッパーツブッシュ以来の素晴らしいもの。まず、エラス=カサドの指揮するオケが見事。非常に透明でありながら深みのある音、まさに「パルジファル」に望まれる音を出している。ここぞというところでエラス=カサドはテンポを落とし圧倒的なクライマックスを作る。歌手陣もみな優秀でオペラでやや退屈する第2幕がガランチャによって大変な聴き映え。映像で懲りないでCDで聴いてほしい。

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     2025/02/28

    ベテランから新人の録音まで雑多な構成に見えるが、どうやらエロクエンスは忘れられたDG音源から復刻する価値のあるものを選んでライブラリーとしたようだ。実際私が知っている音源はエルフェのブーレーズとシドンのアイヴズだけ。あとは初めて聴く録音ばかりだし、初めて聞く名前のピアニストも多い。大体DGのデビューシリーズとかコンクールシリーズとか国内盤で出たんだろうか。肝心の演奏は、つまらないものは一つもない。むしろこれほどのピアニストがなぜ無名に終わったのかと信じられない思いがする。飛びぬけているのはディノ・チアーニのドビュッシー。エゴロフの「謝肉祭」も凄いがこの二人早世してしまっている。びっくりするのがシャウリスの「ゴルトベルク変奏曲」。こんなに楽しいバッハあるだろうか。この人はコンサート活動より家庭を重視した結果国際的には忘れられ、もう亡くなっている。カーロイのショパンも立派な出来だがメロクラシックくらいしか知られていないのでは。解説を読みながら聴いていくと、ピアニストそれぞれの事情もわかり、著名ピアニストとの実力差は大してなく、運としかいいようがないように思われるところがこの世界の厳しさを再認識させられる。ともかく音楽的には聴きもの揃いであり、またまたエロクエンス、GJと言いたい。

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     2025/02/22

    シルヴェストリ晩年の録音。仰天するような解釈で度肝を抜くこともあるシルヴェストリだが、ここでの演奏はそういったところはなく爆演を期待すると肩透かしとなる。しかしシルヴェストリによってアンサンブルの向上したボーンマス交響楽団の演奏は十分聴きごたえがある。シルヴェストリによる「三角帽子」が聴けるのは嬉しい。ただ、プライヴェート録音による音質は60年代後半としては水準以下。拍手がないところをみると観客なしの放送用録音かもしれないのだが、それならばもう少し精度の高いものが欲しかった。

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     2025/02/18

    昨年日本で行われたオーケストラ・コンサートで多くの人がベストにあげたのがラトル/バイエルン放送響のマーラー7番。私もそう思う。そして東京公演がテレビで放映され、ラトルのインタビューもあった。ラトルによるとベルリン・フィルとバイエルン放送響で同じドイツのオケでここまで違うのかと本当に驚いたそうだ。実際リハーサルを見てもたしかに違う。ベルリン・フィルの団員は都度ラトルの解釈を吟味し聞き流す。バイエルンはラトルに対して「サイモン、もう一度やりたいんだけど」と気軽に問いかける。マエストロとは呼ばない。ラトルも嬉しそうだ。インタビューでのラトルの解説も、思わず、そう、そういう曲なんだと声を出しそうになった。そのアイデアは演奏に存分に生かされている。ラトルはコラージュ的に分裂する楽想を面白くて仕方がない様子で振りオケもそれに乗る。このCD録音は日本公演直前のものなので解釈はほぼ一致しており、録音も優秀。ただ、ラトルの指揮を見れたほうが面白いのも事実。それでもこれは7番のベストを争う名演であると思うし、現ベルリン・フィルのシェフ、ペトレンコが州立劇場オケを振った7番よりはるかに読みは深く納得させられる。

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     2025/01/09

    「わが祖国」が圧倒的名演であったビシュコフ/チェコ・フィル。ドヴォルザークも名演間違いなしと思っていたが、優れた演奏には違いないのだがもうひとつ演奏にのれず。どういうことだろうと思っていたのだが、ドホナーニ/クリーヴランドBOXでこの3曲を聴きそういうことかと合点がいった。結論から言えばドホナーニのほうがはるかにいい演奏である。ドヴォルザークの丈に合った演奏といえばいいだろうか。ビシュコフは遅めのテンポでスケールの大きなドヴォルザークを描くが、これが「わが祖国」ほどうまくいっておらず、どこか大味な印象が残るのだ。ジュリーニ/コンセルトヘボウのドヴォルザークに通じる。ドヴォルザークはむしろ小味な魅力にあふれた音楽なんだろう。ビシュコフは現代の最も優秀な指揮者だと思っているし、ワーグナー、Rシュトラウス、マーラーでは第一人者なのだが、弱点もあるということだろうか。序曲3部作の出来は出色、過去最高ではないか。

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     2025/01/03

    MTT生誕80年記念としてソニーとエロクエンスよりBOXが出た。重要度はソニーのほうだし、さらに言えばサンフランシスコ響自主製作も入れないとこの指揮者の全容には迫れない。それでもエロクエンスBOXのレビューを書くのは全く個人的な感情からである。60年代末米国のメジャーRCA、コロンビアは経営不振に苦しんでいた。そこで長年専属だったビッグファイブとの契約を打ち切り、それに乗じて欧州のレコード会社が進出、デッカがシカゴ、EMIがクリーヴランド、DGがボストンと契約を結んだ。DGは70年にスタインバーグ、アバド、ティルソン=トーマスで一斉に録音開始。米国市場を考慮にいれてジャケットも斬新なものに変えた。中学生だった私はこれらが欲しくてレコード店でよくジャケットを眺めていたのだが結局購入しなかった。理由は当時の日本の評論家が誰も褒めなかったからで金銭的余裕のない中学生はルソーのジャケットが魅力的な「映像」もモントゥーの廉価盤を優先せざるをえなかったのだ。今回エロクエンスはオリジナルジャケット、オリジナルカップリングで70〜72年のティルソン=トーマス/ボストンを出してくれた。初めて聴く音源もあったがどれも実に素晴らしい。演奏も最高だしギュンター・ヘルマンスによるボストン響のサウンドもいいのだ。もうこれで十分なのだが、その後の録音についてはニューワールド響を振ったものが面白かった。エロクエンス、本当にありがとう。そして闘病しながら活動中のMTT、どうぞ少しでも長く演奏活動してください。

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     2024/12/30

    アリーヌ・ヴァン・バレンツェン、オランダ人のような名だが、オランダ系ではないらしい。米国人で神童としてならし、欧州、北米、南米で演奏、39年からはフランスを拠点とし、後にパリ音楽院の教授となり、教え子にはカツァリス、ジャン=フィリップ・コラールがいる。商業録音は極めて少なくステレオのセッション録音もあるが聴いたことはない。このエディションは彼女の60〜70代の放送録音(一部ライヴ)が収録されている。演奏家としては晩年のものといえるが、技巧的な衰えはなく粒立ちのしっかりした音でスタイルの古さも全くない。最初のベートーヴェンの協奏曲から聞きものである。3番、4番ではベートーヴェン作ではない長大なカデンツァを弾いており(もしかして自作か)実に堂々たる演奏だ。若きフレモーの爆発的な指揮もスリリング。他のコンチェルトもスタイルを見事に描き分けている。ソロ曲もどれもすばらしい。ドビュッシーのこれほど優れた演奏はめったに聴けないしモーツァルトの軽やかなタッチも素敵。ベートーヴェン、ブラームスは厳しくダイナミック、シューマンはファンタジック、「ウィーンの謝肉祭の道化」はベストのひとつだろう。ラヴェル、フォーレからヴィラ=ロボス(作曲家自身バレンツェンを高く評価していた)まで聴いていて楽しくてしかたがない。どうして彼女が忘れられたのか不思議としかいいようがないがメロクラシックが9枚もまとめて出すだけのことはあるし(解説も充実)本当に感謝したい。音質も良好。

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