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Review List of フォアグラ 

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  • 1 people agree with this review
     2020/06/07

    hmvの紹介でyoutubeに公開しているグラーツ歌劇場の映像が付いているが、それを見るとかなり力の入った演出、舞台のようだ。演出家もコメントしているのに発売がCDだけなのは残念。音だけだとグラーツのオケは弦の人数が少なくひなびた演奏に聴こえる。シチリアの田舎が舞台の「カヴァレリア」には丁度いいとも言えるが、もともと名旋律のメドレーのようなオペラで歌手も飛びぬけた人はおらず(イタリア人は一人もいない。ディ・トロはオーストラリア人)美人指揮者で話題のリニフの聴かせ場も少ないとなると数ある演奏のなかで主張するのも難しいかな、と思える。「道化師」は一転、実に見事なもの。オペラ自体がずっと複雑な分リニフの切れ味鋭い指揮の威力が発揮されているし、歌手、合唱も好演で聴き手をぐいぐい引っ張る。「道化師」の名演は少なく、こちらは推薦に足る出来だと思う。

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  • 8 people agree with this review
     2020/05/17

    フィストゥラーリの「白鳥の湖」はLSOとの第1回録音が最高という評をかつて読み「オーパス蔵」の復刻盤を聴いたのだが、短縮版で演奏も録音も冴えず失望した。ほんと評論家の言うことは当てにならない。やはりコンセルトヘボウとのハイライト版とオランダ放送フィルとの全曲盤(こちらは不当に評価が低い)がともに劇的で素晴らしい演奏である。このエロクエンス盤ではフィリップス録音の3曲がカプリングされているが、弦楽セレナードは初CD化、「くるみ割り人形」はなんと世界初出と書かれている。これが飛び切りの名演なのだ。録音もよろしい。どうしてお蔵入りしたのか理解に苦しむ。「白鳥の湖」は有名な演奏で国内盤も手に入るが、「眠れる森の美女」(これも名演)を含むフィリップス録音が聴けるエロクエンス盤をお勧めしたい。

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  • 2 people agree with this review
     2020/05/14

    私が最も尊敬する指揮者の一人がモントゥーだ。彼の音楽は常に率直であり、かつ生命力に溢れユーモアもある。映像を見るとビートとキューがメインの簡素な指揮でオーバーアクションは全くないのだが、それでもオケは燃え上がる。トスカニーニのような強制ではなく、オケの自発性で白熱した演奏を引き出すのだからこれは指揮の奥義とでもいえようか。残念なのはこれほどの大指揮者がレコード会社からさほど重要視されていなかったことで、典型はデッカがベートーヴェンの交響曲を9番を残して企画終了にしたこと。ブラームスの交響曲全集も残ってないし。これはモントゥー88歳(!!)のライヴだが、相変わらず老いの片鱗も見せない素晴らしいものだ。「タリス」は英国風の「雅」とは遠い熱っぽく意思的な演奏。ベートーヴェンの簡潔で躍動する音楽も全く古さを感じさせない。得意中の得意「エニグマ」は6種持っているが多分もっと録音は残されているだろう。ここでも第1変奏の熱く慈愛に充ちた表現から完全に引き込まれてしまう。そして終曲の爆発の凄さ。これぞ88歳の人間賛歌。ボストンはミュンシュ以来の粗いアンサンブルなのが惜しい。音は歪みがあるが、それでも同じメモリーズから出ているセル/クリーヴランドのものよりはるかに良い。

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     2020/04/30

    ベルリオーズのレクイエムは大編成なので派手な曲と思われがちだが、実際はむしろ地味で静謐な音楽であり、ヴェルディのようなオペラティックな部分は全くない。ピュアな演奏が求められるが、モルローの音楽作りは久々にそれを感じさせる優れたものだ。合唱は全曲出ずっぱりで、アカペラのナンバーもあるが、大編成のライヴ録音でピッチも落ちず清純な歌声を最後まで聴かせるのは立派。サンクトゥスで出てくるアフリカ系米国人ターヴァーのテノールは実に輝かしい美声で会場に響き渡る。写真を見ると、ステージの一番奥、オルガンの隣で歌っているのだから素晴らしい。シアトル交響楽団自主製作盤だが、この大編成から透明な音を捉えている。LSOライヴとは大違いであり、おかげでシアトル響がLSOより上手く聴こえる。

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  • 3 people agree with this review
     2020/04/25

    録音は57年から75年の長期に及ぶので演奏スタイルは微妙に変化している。若い頃はテンポが速く勢いがあるが、70年代になるとテンポも遅くなってきて表情も濃くなってくる。私の好みとしては1番〜3番が好演、後期交響曲では5番がいい。管弦楽曲では「ハムレット」がスケール大きい演奏。ただ、録音時期がバラバラなので音質も大きく違い、一番新しい4番の音が一番駄目。これは58年盤のほうがよかった。音質で損をしている演奏が多い印象であり、HMVの宣伝文句のような好録音揃いとはいえず、優秀録音の全集が増えた今、相対的価値はやや落ちたと思う。データミスがあるのも残念。

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     2020/03/07

    マーリス・ペーターゼンがソニー系のソロ・ムジカ・レーベルで続けている「ディメンションズ」シリーズの第1作(これまで3作でている)。ここでは「世界」のタイトルで現世の自然、人の喜び、哀しみをテーマとしている。そのプログラムが素晴らしい。シューベルト、シューマンを中心にゾンマー、コッホというあまり知られない作曲家も加えるが、どれも佳曲ぞろいで全く退屈しない。ペーターゼンは「ルル」歌いとして有名だが、先代の「ルル」歌いクリスティーネ・シェーファーがコケティッシュでアンニュイな歌唱だったが、ペーターゼンは歌詞を深く読み込んだより明晰、知的な解釈を聴かせる。ラーデマンのピアノも絶妙。ところでこのシリーズのHMVの歌手名表記がバラバラなのはいただけない。第2作はマーリス・ピーターゼン、第3作はマリス・ペーターゼン、オペラではマルリス・ペーターゼン。おかげで検索でヒットせず、歌曲はこのCDしかないと思ってしまった。ドイツを代表するソプラノ歌手なのだから日本語表記を統一してほしい。

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  • 4 people agree with this review
     2020/02/26

    カーメン・ドラゴン贔屓なので結構持っているのだが、それでも半分くらいは初めて聴くもの。スクリベンダムの復刻は優秀で東芝EMIから出ていたものより音質向上しているものが多く誠にありがたい。それでも出来ればワーナーからオリジナルジャケットで出してほしかったんだが、日本以外ではあまり人気がないようなので仕方ないか。ドラゴンのアレンジはゴージャスでアイデア豊富。ロンバーグとコール・ポーターがお気に入りだが、フォスター、ショパンなどもとても楽しい。70年くらいまで活躍したアンドレ・コステラネッツに比べ60年で録音が終わってしまったのは残念だし不思議なことだ。余談だが、ソニーから出たワルター・コンプリート・コレクションの解説(英文)にコロンビア交響楽団はロサンジェルス・フィルハーモニックとフリーランスの楽団員で組織されたと書かれているが、HMVの紹介文によるとフィルハーモニックとはフィルハーモニック・アソシエーションのことでLAPとは関係なくキャピトル交響楽団とほぼ同じ団体とのこと。ワルターの解説を書いた人も知らないんじゃないかと思うが、毎度HMVの調査力には頭が下がらずにはおれない。

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  • 4 people agree with this review
     2020/02/23

    第1印象は「明るい」トリスタン。歌手は皆若々しくオケの音色も明るい。従来の暗い情念の渦巻く「トリスタン」とは全く違う。歌手はスケルトン以外知らない人ばかりだが皆大変優秀。イゾルデのバークミンはナクソスから出ているズヴィーデンの「神々の黄昏」でブリュンヒルデを歌っているそうだが、イゾルデ、ブリュンヒルデのイメージとは程遠いリリックな声質。それでもフォルテでヒステリックにならず、高音が突き抜ける。スケルトンとバークミンの二人により「明るい」トリスタンの印象が決定づけられるし、これまでにない若い恋人たちの切ないドラマにもなっている。グバノヴァのブランゲーネが落ち着いた深みのある声でイゾルデと対比されるのもよい。アッシャー・フィッシュの指揮も透明感の高いものだが、ヤノフスキのような精妙だがドラマに欠けるものとは違って盛り上げるところは充分盛り上げる。初めて聴く西オーストラリア響も本当によくやっている。最近のワーグナーでは出色の出来として推薦したい。

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  • 1 people agree with this review
     2020/01/30

    これはお薦め。ダウランドを中心に17世紀初めの英国音楽をスペインのグループが演奏しているのだが、これがなかなか興味深いのだ。イギリスの例えばルーリーらと比べ、ずっと陰影が深くなる。なんといってもマグラネルのヴィオラ・ダ・ガンバが素晴らしく、アグンデスの声も美しい。最良のヒーリング・ミュージック。

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     2020/01/30

    確かにテンポは遅すぎる。しかしながらそれによってクナッパーツブッシュではわからなかったシャルク版のオーケストレーション変更がつぶさに確認できるし、なにより最晩年のロジェヴェンの唸り声を発しながらの渾身の熱演に心打たれずにはいられない。指揮者は80歳を超えるとレパートリーを絞るものだが、彼は最後まで好奇心の塊りだったんだなあ。終楽章のバンダ効果はクナを凌ぐ。LSOライブみたいな音質なのが残念だが、価値ある録音。

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  • 2 people agree with this review
     2019/11/29

    超優秀録音盤。壮大なオーケストラ・サウンドが目前に迫る。ハインツ・ホールの音響ももちろんいいのだろうが、客席ではこの音は聴けまい。これは指揮台で聴くサウンドだ。優秀録音で名高いリファレンス・レコーディングスでも抜群の出来だろう。ホーネックはいろいろ小細工をする指揮者であり、あまり好みではない。ここでも煩わしく感じる部分があるが、一方で第3楽章は極めて美しく、さらにクライマックスは破壊的。ピッツバーグ交響楽団も優秀であり、音質も考えると9番のトップクラスに挙げていいと思う。

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  • 11 people agree with this review
     2019/11/26

    ソニー・クラシカルのコンプリートボックスはアーティストへの敬愛が溢れている点で他社を圧倒しているが、今回のワルター・コレクションはその中でも抜きんでている印象だ。解説書の写真も豊富で、サイズが大判なため私のような老眼でも文章が読みやすい。購入して本当に幸せな気分になる。他のレビュアーの方も書かれているが、ステレオのモーツァルトとブラームスの交響曲は分売のジャケットにしてほしかったなあ。それならほぼ完璧。音質は低音がよく鳴り厚みが出て雰囲気ゆたかになったが、解像度はやや下がったかもしれない。ワルターらしい音により近いとはいえるだろう。コロンビア録音では究極のセット。ありがとうソニー!

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  • 5 people agree with this review
     2019/11/25

    「わが祖国」はあまり上手くないオケと未熟な指揮者がやっても真摯で誠実な演奏なら聴き手に感動を与えられる曲である。小林/読響の演奏はその正反対のものだ。オケは上手く弦もうなるよう。小林はオケを煽りオーバーアクションな表現を加えていくが、これがことごとくすべっている。聴き手のイライラは募るが「ブラニーク」の最後の和音を長く引き伸ばすに至って、イライラは怒りに変わった。これまでに聴いた「わが祖国」のうち最も下品な演奏だと思う。しかもこの演奏を「音楽人生で最上」という小林研一郎の音楽とはなんなのだろう。チェコ・フィルとのものはこんなことはなかった。

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  • 1 people agree with this review
     2019/11/04

    マキシン・サリヴァンの歌声は本当に癒される。CD3枚続けて聴いてもまだ聴きたいくらい。ジャズテイストは低めだが、暖かくソフトな歌い口が癖になる。バック・ミュージシャンも豪華で、クロード・ソーンヒル、テディ・ウィルソン、ボビー・ハケット、ベニー・カーターらのバンドが務め、バンド・メンバーにはヴィック・ディッケンソン、デクスター・ゴードンの名前も見え、ミッチ・ミラーがオーボエを吹いていたりする。マキシン・サリヴァンの当時の人気が偲ばれる。UKのアクロバットの仕事は丁寧で、録音が年代順に並べられ復刻も上出来だ。

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  • 4 people agree with this review
     2019/11/02

    生誕100年を過ぎ来年は没後50年になるツィンマーマン。これまではツェンダー、ギーレン、コンタルスキー、ホリガーといったコンテンポラリー・スペシャリストのみが取り上げていたのが、ここにきてネルソンス、リントゥらがクラシック・レパートリーとしてプログラミングしてきている。生前シュトックハウゼンら後輩から前衛の姿勢に欠けるとして批判され本人も悩んだそうだが、前衛の概念が消えた現在ならばその音楽をフェアに評価できると考えるし、リントゥらもそう考えているのだろう。実際ここに聴く音楽は20世紀後半に生まれた最も優れた作品群といっていいと私は思う。45分に及ぶ「ヴォーカル・シンフォニー」はただならぬ緊張感に充ち少しも弛緩しないし、晩年の「フォトプトシス」の濃密な音空間には圧倒されずにはおかない。こんな傑作を書いた絶頂期に自死に至ったのは残念としか言いようがない。ヴァイオリン協奏曲はこれほど凄まじい音楽ではないが聴きごたえある曲であるし、演奏も抜群。無調音楽がイケル口の方にはお薦めしたい。

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