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Review List of 一人のクラシックオールドファン 

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     2011/08/09

    以前本盤にはレビューを入れていますが今回は印象的な「英雄」交響曲メインにコメントを入れました。1957年、当時最年少記録でバイロイト音楽祭に出演し話題を呼んだサヴァリッシュは1960年代半ばからNHKSOを振って日本でも馴染み深かかった指揮者でレコードでは私などはVSOをふったブラームス交響曲くらいから聴き始めたものです。彼の演奏は決して奇を衒うものではなく崩れる事は先ず無くそのルックスからも次第にある貫禄も放っていました。本盤収録曲はそうしたいい時期の1993年彼が70歳の時RCOを指揮して収録したベートーヴェン交響曲第1番(タイム@9’08A8’48B3’33C6’01)、第2番(同@12’58A11’31B3’34C6’27)、第3番(同@15’50A16’30B5’34C11’55)、第8番・・・ライブ(同@9’39A3’54B4’32C7’39)で何れもサヴァリッシュらしい堅実な貫禄ある演奏です。さて、「英雄」交響曲、第1楽章出だしは決して重々しくなくやや残響大きめな感じで節と節間のつなぎがソフト、要は固くなくがさつかない運びです。後段への攻め方は流石上手く一部管楽器の改変を加えて充分引っ張って終わります。本盤収録の他の交響曲は反復演奏がなされている反復がこの「英雄」交響曲では実施されていないのが特徴と申せましょう。第2楽章の葬送楽章はやや探る様な雰囲気でのスタートで執拗な感じはしません。フーガ箇所も美しく後段〆めへは時としてシャクリを噛ましながらティンパニーもソフトにゆっくりと終わります。ややテンポ的にはゆっくり目ですが気にはなりません。第3楽章半ばの管楽器の伸びやかさというか鄙びた感じは印象的。最終楽章も決して大げさな構えではなく軽妙感すらありますが最終コーナーへは密度濃く運んで行きます。多分当時トレンディになりつつあったピリオド楽器演奏の影響とRCOの艶っぽいサウンドが以上の様な印象へのプラス要因になったと思われます。素晴らしい盤ですね。サヴァリッシュはすでに引退しておりあのTVでの指揮姿が懐かしく思われる昨今ではあります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/08/08

    現在廃盤ですが印象的な「英雄」交響曲メインにコメントを入れました。1957年、当時最年少記録でバイロイト音楽祭に出演し話題を呼んだサヴァリッシュは1960年代半ばからNHKSOを振って日本でも馴染み深かかった指揮者でレコードでは私などはVSOをふったブラームス交響曲くらいから聴き始めたものです。彼の演奏は決して奇を衒うものではなく崩れる事は先ず無くそのルックスからも次第にある貫禄も放っていました。そうしたいい時期の1993年彼が70歳の時ACOを指揮して収録したベートーヴェン交響曲第1番(タイム@9’08A8’48B3’33C6’01)と第3番(同@15’50A16’30B5’34C11’55)でどちらもサヴァリッシュらしい堅実な貫禄ある演奏です。「英雄」交響曲、第1楽章出だしは決して重々しくなくやや残響大きめな感じで節と節間のつなぎがソフト、要は固くなくがさつかない運びです。後段への攻め方は流石上手く一部管楽器の改変を加えて充分引っ張って終わります。第2楽章の葬送楽章はやや探る様な雰囲気でのスタートで執拗な感じはしません。フーガ箇所も美しく後段〆めへは時としてシャクリを噛ましながらティンパニーもソフトにゆっくりと終わります。ややテンポ的にはゆっくり目ですが気にはなりません。第3楽章半ばの管楽器の伸びやかさというか鄙びた感じは印象的。最終楽章も決して大げさな構えではなく軽妙感すらありますが最終コーナーへは密度濃く運んで行きます。多分当時トレンディになりつつあったピリオド楽器演奏の影響とACOの艶っぽいサウンドが以上の様な印象へのプラス要因になったと思われます。素晴らしい盤ですね。サヴァリッシュはすでに引退しておりあのTVでの指揮姿が懐かしく思われる昨今ではあります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/08/07

    以前本演奏別盤に書き込んだメモを主に繰り返しておきます。カラヤン亡き後のムターにどのような変化があったのか私はフォローしてはいませんがこの小品集は比較的気に入っています。1992年彼女が29歳・・・30歳手前の時期でどの曲も彼女の技巧を裏付けて表情を大いに付けた縁取り深い演奏になっております。大半がジプシー色の濃い曲目なのでそれなりに表情はつけ易いのではありますが難しいことは抜きに美しい演奏を楽しむには同種演奏盤を一歩リードしている盤と思います。そう、各曲に説得力もあり芸術とかなんとかではなく商品として一定のレベルを保ち続けるでしょう、レヴァイン(当時49歳とまだ後年アクシデントがち前で好調な頃)指揮も際立った個性はないものの要領を得た指揮です。主な曲タイムをチェックしておきましょう・・・「悪魔のトリル」16’32、「カルメン幻想曲」12’36、「ツィガーヌ」10’01、「ツィゴイネルワイゼン」8’41・・・等々です。タイム的にもどの曲にもコッテリ・じっくり攻め上げている印象を受けております。正しく彼女のエンタテイナーの面目躍如たるディスクであり、改善仕様で音色も素晴らしいです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/08/06

    グリュミオーは所謂四大V協奏曲を何回か収録しており特にメンデルスゾーンはその華麗な曲と共に彼に合った方の曲な為その回数は多い様です。詳細は不明なのですがHMVカタログ等でバックサポートを見てみますと1953年モラルト/VSO、(録音年不明)ジュリーニ/HRSO、1961年ロザンタール/FRO(DVD)、1972年クレンツ/NPHOそして本盤1960年ハイティンク/ACOの各演奏盤であります。グリュミオー39歳の頃の録音で演奏タイムは@12’04A7’32B6’29と若干短めな印象がします。全体としては思った程華麗・豊潤な世界を展開したものではなく結構地道な感じがしますね。第1楽章肝心のスタートの処、むしろ淡々さが先行しパッセージも切れ々で短め。ヴァイオリンは朗々としたものとは異なり私としては意外でした。しかしテンポが一段落すると優しさと艶やが出て来ます。さりとてそれが饒舌に陥ることはなく従ってカデンツァもヴィブラートは効かせ間も設けますが弾きまくるタイプではありません。詰めは割りと反転してスピードアップして〆ます。バックのハイティンクはACOの常勤を任される前年の31歳でACOの重みに任せながら几帳面に務めます。第2楽章は各楽器が歌って後ヴァイオリンがメロディラインを奏でますがやはりそんなに情緒的とは思われません。音重ねは流石グリュミオーでやがて〆は余韻をもってゆっくりと・・・。最終楽章ではバックの音構成の明確性が際立っています。後段の詰めでは少し「溜め」も入れたヴァイオリンは最後の跳ねる様なボーイングが面白いですね。そして余裕をもって終わります。本盤他のヴァイオリン協奏曲・・・1971年録音ブラームス(デイヴィス/NPHO)、1974年ベートーヴェン(デイヴィス/ACO)、1975年チャイコフスキー(クレンツ/NPHO)は残念ながら未聴ですし現在販売されておりませんので当面OKランクとさせて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/08/05

    メンデルスゾーンという超横綱級ヴァイオリン協奏曲のバックを担当しているカラヤンの唯一?現役盤ということがポイントでもあると思います。さて、1980年録音のメンデルスゾーンの方は演奏タイムが@13’55A9’28B7’05とVと合わせる如くというかカラヤン本来のレガート資質からかじっくりと運んでいます。第1楽章、Vは目一杯に働き17歳の瑞々しさより年相応以上のものを感じました。つまり艶っぽくカデンツァも中々雄弁でとにかく難しい事は一切抜きで聴かせ処をきっちりと・・・。バックオーケストラBPOも実にしなやかな弾力性を維持します。第2楽章の旋律も彼女の繊細な面も活きこのメロディの美しさを充分に引き出します。カラヤンの伴奏も丁寧にフォローしサービス満点。ある意味この曲に対して満を待する形となった72歳のカラヤンに「なれ」が無いのも流石です。最終楽章もVはオーケストラに身を委ねて最後は華麗に堂々と〆めます。この曲の分り易い名曲たることとメンデルスゾーンはやはり若い女性ヴァイオリニスト・・・ムターはこの時17歳!・・・が似合うことを再認識させてくれました。ムターには後年2008年ライブでマズア/LGOバックでの再録(タイム@12’24A7’16B6’13)があることを付け加えておきます。ブラームスの方は翌1981年の収録で大変堂々とした肉厚な感じのする演奏でバックのカラヤンサポートも実に華麗・豪華に仕上げております。ブラームスとしてこれでよいのかなぁという思いはするもののティーンエィジャーがここまで大カラヤンとやり合うのですからとにかく大したものと申せましょう。第1楽章ゆっくり甘く入って行きやがて堂々はち切るようなヴァイオリンが・・・。カデンツァ前のオーケストラもすごく豪華でさてこのヨハヒム作のカデンツァも普段聴くものとは少し異なるのですがしっかりしたテクニックで圧倒されボッウとしていたら呑まれてしまいそうです。この楽章最後はゆったり「伸ばし」に「延ばし」て終わります。実に甘い中間楽章を終え最終楽章も怒涛のごとく押し寄せる音楽の洪水・・・とにかく凄い・・・終わりはやはり堂々とゆったり〆ます。演奏タイムは@21’56A9’40B8’28で特に過不足感はありません。カラヤン/BPOの伴奏でのこの曲と言えば私などは1964年録られたフェラス盤を懐かしく思い出します(このフェラス演奏は@23’06A9’47B8’30でいかにカラヤンがこういった点でも軸足のしっかりした運びをしていたか分かります)。ドイツなどではディナーにおいて我々比較的体格の小さな日本人が腹いっぱい食事してパンパンなんだけれどそれが前菜というかプレで本コースは隣の「食事間」に用意されていることってあるらしくゲンナリする場合があると聞いたことがありちょっとそれを思いださせる演奏とは思いました。そう豪華・肉厚・堂々過ぎて体力的についていけない・・・・ズバリ「若さ」についていけない自分を見る思いの演奏でした。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/08/04

    テイトと言えば内田光子とのモーツァルト・ピアノ協奏曲集の収録のバックを実に素直な透明性溢れる演奏で務めてモーツァルトとの相性の良さを定着させたのがすぐ思い出されます。本盤はそのモーツァルトの交響曲を全曲ECOを振って演奏収録したものの一つで第32番(タイム@3’18A3’53B2’12)、第35番(同@6’20A7(09B3’20C4’21)、第39番(同@11’46A9’44B4’11C7’50)の三曲を1984年、テイトが41歳の時の録音であります。先の協奏曲バックサポートから交響曲指揮の前面に替わっての印象は少し私には違っていました。勿論演奏自体は穏やかな自然体で派手な処は一切なく透き通る様な内声部にもちょっとした知性を感じさせてくれます。軽めの曲である第32番では中間楽章の情緒と最終楽章の〆辺りのスローダウンが印象的です。第35番の第1楽章は大層な構えをせずゆっくりしたペース。中ほどはロマンチックな面を見せ〆はテイト常套的にスピードを落します。このアプローチは最終楽章でも同様でこの二つの楽章からでももう少し「勢い」も欲しいとは思いました。大曲第39番でも第1楽章の滑らかさが特徴的・・・スケール感とかダイナミックさは他の演奏に求めるべきなのでしょう。その代わりその美しさ・・・特に弦の美しさは第3楽章で満喫出来ましょう。とにかく全体ハッタリのない演奏各曲で聴き飽きはしないでしょう。体にハンディを抱えながら活動して来た努力の人・テイトももうすぐ70歳なのですね・・・・。大事にしておきたい素晴らしい演奏には違いありません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/08/03

    メンデルスゾーンの方はメニューインは数多く録音を残しておりその内メニューイン/フルトヴェングラーの本盤メンデルスゾーン・ヴァイオリン協奏曲は1952年録音の名演奏(メニューイン36歳、フルトヴェングラー66歳の頃)であります。演奏タイムは@〜A20’02B6’33です。得てしてフルトヴェングラー/BPOのケースではどうしても指揮者のリードが目立つように思われがちなのですが彼らの関係(ナチス問題)で補完し合うところもなきにしもあらずなのか結構双方鳴りきっているところがモノラルの古い録音ながら他に替え難い盤となっております。正直フルトヴェングラーの指揮の底深さに私は迷わず「最高」レベルの評価を禁じえません。後世に残しておくべきでしょうね。バルトークのヴァイオリン協奏曲の方(この曲は結構ヘヴィな曲で正直必ずしも私の体質に合っているとは限らないのですが)は1953年録音で演奏タイムは@16’02A10’02B11’40・・・第1楽章の出だしのバルトーク独特の民族性タッチであるギスギスさはメニューインのイメージから程遠く現代音楽にも強い集中力を示した意外なフルトヴェングラーの側面と共に興味ある演奏とはなっており又オーケストラPHOが良く反応・対応をしていますね。やはりこの曲もメニューインは本演奏で自信をつけたのか後年ドラティ/MSOバック等で再録をしております。演奏としてはフルトヴェングラーの珍しい現代曲指揮という点でも忘れてはならないものでしょう。モノラルながら本盤仕様改善もプラス要素になっていると思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/08/02

    1970年代後半から代表的なヴァイオリン協奏曲をこのムター/カラヤンのコンビで録音を始めた一環で1980年の本盤メンデルスゾーン、ブルッフの各ヴァイオリン協奏曲です。この時ムターは芳紀17歳、カラヤン円熟72歳で両曲ともカラヤンとしてはこのカラヤン・チルドレンの溢れ出る若い情熱を受け止め彼女のヴァイオリンの多彩な魅力を引き出しているところがいいですね。それとメンデルスゾーンという超横綱級ヴァイオリン協奏曲のバックを担当しているカラヤンの唯一?現役盤ということがポイントでもあると思います。さて、メンデルスゾーンの方は演奏タイムが@13’55A9’28B7’05とVと合わせる如くというかカラヤン本来のレガート資質からかじっくりと運んでいます。第1楽章、Vは目一杯に働き17歳の瑞々しさより年相応以上のものを感じました。つまり艶っぽくカデンツァも中々雄弁でとにかく難しい事は一切抜きで聴かせ処をきっちりと・・・。バックオーケストラBPOも実にしなやかな弾力性を維持します。第2楽章の旋律も彼女の繊細な面も活きこのメロディの美しさを充分に引き出します。カラヤンの伴奏も丁寧にフォローしサービス満点。ある意味この曲に対して満を待する形となったカラヤンに「なれ」が無いのも流石です。最終楽章もVはオーケストラに身を委ねて最後は華麗に堂々と〆めます。この曲の分り易い名曲たることとメンデルスゾーンはやはり若い女性ヴァイオリニストが似合うことを再認識させてくれました。ムターには後年2008年ライブでマズア/LGOバックでの再録(タイム@12’24A7’16B6’13)があることを付け加えておきます。ブルッフの方(タイム@8’35A9’52B7’35)も一口で言えばメンデルスゾーン同様で第1楽章の序奏後のVはしっかりとした技が画面一杯に冴えます。オーケストラ全奏は勢いがあり存在感充分・・・些かコッテリ気味。切れ目無く続く緩徐章はやはり旋律重視で濃厚なメロディをやや艶歌調のムードを込めてVは進みます。嫌でもVに聴き入ってしまいます。最終楽章は曲自体からか饒舌になってしまうのは仕方ないでしょう。いずれにしても楽しめる最高ランク演奏盤としておきましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/08/01

    一時指を痛めて活動を休止していたペライヤがCD盤ではバッハあたりで復帰して行き又その演奏の美しいタッチがバッハの協奏曲やパルティータの名演として現れたのは嬉しい限りでした。本盤はその内の一つで2000年ペライヤが53歳の時ASMFを振ったバッハ・ピアノ協奏曲第1番(タイム@7’12A6’07B7’24)、第2番(同@7’59A4’57B6’04)、第4番(同@4’02A4’52B4’25)で全体演奏のクリア性というかシャープな感じが私の様なオールドファンの「どぎも」を抜いたというのが実際の感想です。一頃流行った古楽器なり奏法による演奏に少し食傷気味であった状況下、極めて流麗な滑る様な運びの中に克明に挿入される様々な装飾音は実に千変万化に活き活きとしたバッハを浮びあがらせました。特に私が好きなBWV1052の第1番での第1楽章の今までの演奏では私の能力では聴けていない音の構成感・・・立体感とでも申せましょう・・・やや少しゆったりとした世界に誘ってくれる第2楽章の優雅さそして新鮮という言葉しか思いつかない第3楽章・・・。一方でこの曲の持つ情熱性もおざなりにはなっておりません。演奏に臨むにあたっての諸工夫も聴きものかと思います。最高ランクに躊躇いたしません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/07/31

    こうしてHMVの指揮者別のCDカタログ画面を見ていると小澤征爾の指揮盤には作品は限られてはいるもののマーラー作品が現時点では数では上位の位置を占めており何がこの状況に至らしめているのかなぁと自問しております。師事したバーンスタインの影響も考えられますが、例えば交響曲第1番「巨人」をチェックして見ますと手元資料から今まで三度録音しております・・・即ち1977年BSOを振った演奏(演奏タイム@15’48A5’53・・・これが「花の章」でこの楽章のみ1984年録音B7’31C11’11D19’53)、同じくBSOを振った本盤1987年盤(タイム@15’51A7’22B10’33C19’56)そしてサイトウキネンOとの2008年ライブ盤(タイム@15’22A7’42B10’28C20’46・・・拍手込み)と言った具合で偶然かほぼ十年周期の収録となっております(タイム的には他指揮者とそんなに違いはないようです)。ただ本盤はこれら三種演奏の真ん中の時期分で特徴としてあげ難い事もある為か現在販売されておりません。そういう本盤演奏から感じた事を申しますとこの曲はマーラー作品中一番分り易い面・・・タイトルがジャン・パウルの小説「巨人」から来たという事より最終楽章の堂々たる運びのイメージやタイタンではなくジャイアンツから来る身近な「巨人」イメージで特に日本では親しまれている様です・・・もありますが1977年の旧盤同様小澤(当時52歳)の実にさっぱりした肌合いのアプローチが得てして強調されるユダヤ的アプローチとは別路線的のそれも聴き飽きしないある種「普遍的」なフィーリングがひょつとしたら先の自問への自答になりそうです。但し旧盤で後付けされた「花の章」が無い為一貫性は充実している代わりやはり10年の年月の経過は抗する事が出来ずこの曲に求めたくなる瑞々しさが少しトーンダウンしている・・・勢いが軽減された為の全体像・・・スケール感のあやふやさ印象が残ってしまった様に感じました。第1楽章の中盤に入ってテンポを速め粘り勝ちな処は無くあっさり流し、続く後段での詰め寄る様な管楽器とティンパニーでの起承転結は一応達成されそれはそれで見事なのですが・・・。第2楽章は反転して少し厚ぼったく塗りこめますが後段はやはり急ぎます。第3楽章の濁りの無い処も特徴的だし少しゆっくり目の第4楽章から阿鼻叫喚を想起する最終楽章のスタートも効果的です、最後の詰めは勢いがありながらよく整理されすっきりし過ぎマーラーの毒気が抜かれてしまいましたね。ただ、そういう処が小澤/BSOならではのマーラーとも言えるのでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/07/30

    私はフィリップス盤の後期交響曲集を聴いておりますが本盤とソースが同じなのでコメントさせていただきます。マルケヴィッチのアプローチはこのチャイコフスキー交響曲に限らず極めて強く聴く者に説得力をもたらす直截的な表現が特徴なのですが更にこのチャイコフスキーではそれが活きている様です。作曲もしただけに曲のツボの押えどころも流石でありますね。各楽器の使い方(特に管楽器)の明晰さが私にはとても魅力的に思えた事とそれとLSOがよくついて来ているなぁと感心もしました。本盤演奏は1962年彼が50歳の時の第6番「悲愴」から1966年第1番「冬の日の幻想」までLSOを振ってのもので私は前期分三曲は聴いてはいないのですが全曲集としては数多くある中でも久しく代表的な演奏盤となっているのには肯ける次第です。ただ本盤も現在廃盤となっており残念ですね。第4番(1963年録音、タイム@18’23A9’37B5’29C8’45)の第1楽章の山場への持って行き方は曲そのものの良さに加えるにマルケヴィツチの持つ色彩感とダイナミズムが映えた演奏となっております。また私は第2楽章での先述の各楽器音の構成の明確さの程度が高いのが気に入っております。第5番(1966年録音、タイム@12’30A12’16B5’24C12’54)では第1楽章の荒野的雰囲気等情緒浸りは抑えられメリハリをつけながらのそっけ無さが多少スケール感に影響を与えた面も感じました。かわって第2楽章では憂鬱な中にもひと明かりの「暖」を捉え一時「底」を見せつけますが決してテーマからの荒みには到りません。第6番「悲愴」(1962年録音、タイム@18’37A7’32B9’22C9’45)での第1楽章後半の突発にはよーく踏み込んでのスタートで聴く者の気を持たせ方はその大きなアップダウンの付け方と共に印象的です。第2楽章が意外と逞しくしつこくないのもマルケヴィッチらしいです。各管楽器を上手く区分けして鳴らしきっての第3楽章はベタッとはならなかったのですがもうちょつと攻め具合に面白さも欲しかったとは思いました。最終楽章はそんなに詠嘆的ではなく畳みかけも男性的・・・後段深みへの行き方も割りと直截で〆へはテンポを早めあのドラが強調されるのが面白く聴けました。前期分はタイムだけメモしておきましょう・・・第1番1966年録音「冬の日の幻想」@10’58A10’27B7’39C12’24、第2番1965年録音「小ロシア」@12’03A7’49B5’20C10’37、第3番同1965年録音「ポーランド」@15’27A5’53B11’44C5’39D8’33となっております。前述の様に前期分は未聴ですので★一つ分は保留しておきます・・・スミマセン。(なお、現在HMVカタログでは前期交響曲集は載っているのですが後期交響曲集もちょつと見当たらないのは寂しいですね・・・名盤だけに復活が望まれます)(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/07/29

    本盤「ブラームス交響曲第1番」演奏は以前書き込んだフィリップス盤(PHCP21001等・・・)と同演奏という前提で当時書き込んだ当該演奏盤へのコメントをメインに再度メモさせていただきます・・・・サイトウ・キネンO(SKO)の技術的レベルが相当であることを知らさせる盤であります。例えば宮本さんや工藤さんの管楽器をはじめとにかくそうそうたるメンバーから成るSKOを振ったこの1990年盤(演奏タイムは@13’03A8’16B4’50C16’30)は、当時しきりにTVにもオンエアーされた一連の演奏も含めて視覚を外してCDで聴くと成る程やや厚ぼったいタッチで全体(特に第1楽章と第2楽章)少し速めに進み終楽章は多分例のティンパニー改変を行なってのコーダ締め括りはやや録音上緊迫感がもう一歩欲しい処もありつつ見事に聞こえます。しかし何かが足りない・・そう、日本の技術が優れているという隠れ蓑に外面効果を狙う限界がある意味では見えて来てしまいます。当時一連でのモーツアルトK136演奏に通じる「見え透き」には素直に感動にまで結びつかない時などがあったりした事などです。さて、このブラームス演奏時、小澤は55歳・・・ライブさながらでまだこの曲に必要なある若さもあり正面突破型ながら全体「勢い」まかせにはしていないすばらしい演奏となっております。今ではもう懐かしい演奏盤となってしまい年月の経つ速さも感じている次第です・・・。それはさておき、本盤併録のハンガリー舞曲第1番(タイム3’06)、第3番(同2’12)、第10番(同1’44)も覇気あるものに出来上がっている様です。なお、周知の通り小澤/SKOのコンビで2年後の1992年松本での熱気溢れるライブDVD盤や更に20年後の2010年小澤復帰のブラームス交響曲第1番ニューヨーク・ライブ盤(SKO)が今では聴き比べが出来ますね。なお、小澤のブラームス交響曲第1番は1977年録音のBSO盤(タイムは@13’07A9’52B5’06C16’46)が結構やはり更に若いだけに進取に富む演奏らしくこれも聴きたいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/07/28

    本盤は現在販売されてはいないベーム/VPO演奏によるシューベルトの未完成交響曲とブラームス交響曲第1番なのですが、同じソースなのか後述するように自信がありません。先ずブラームス交響曲第1番から入りますとこの曲はベームに合った曲というか特に私は1959年DGでBPOを振って録った演奏盤(タイム@12’29A9’21B4’33C16’34)の妥協しないドイツ武骨さと颯爽さが混じった分が忘れられない者であります・・・こういう方が多いと思っております。VPOとの1954年ライブ盤(タイム@13’11A10’35B4’05C16’21)や我々には身近な1975年全集盤(同@13’43A10’50B4’35C17’20)、同年東京ライブ盤(同@14’13A10’41B5’04C18’05)なども全て聴いたわけではありませんが中々ベームの増加しつつある味わいがする名演として知られております。そうした事を頭に置きながらさて1940年前後のVPO演奏本盤は私の聴いている盤がタイム@14’27A9’29B4’50C17’02となっており情報として入手した一例@13’18A9’30B4’27C17’06とは明らかに異なっており私の聴いている盤の第1楽章は展開部でやたらテンポというか歩幅を大きく取りそれが時として宙ぶらりんになってしまいそうな危うさに繋がりそうな感じがしました。ただ最終楽章に向かってはベームの実直な取り組みが活きた素晴らしい演奏に帰結しております。「未完成交響曲」はこの旧録音が@13’32A10’18と第1楽章は反復を含んでのタイムで同じ1940年代録音のタイム情報@12’19A12’55と大きく異なるのは気になる処ではあります。音源自体の問題かもしれません。しかし私の聴いている「未完成」は抑制のとれた知情バランスの良いものです。いずれにしても本盤演奏が私の聴いている盤と録音時期が似ているだけで同一という確信は正直得ていないのですがベームの若い頃の芸風を知る格好の物かと思います。同じ曲でも同一演奏かの保証がないのでこの頃のベーム演奏の傾向ととらえて取りあえずOKラインとしておきましょう。このように私たちがこだわっている演奏音源について突き詰めれば甚だ頼りない物で極論すればベーム/VPOとなっていても実は全く違った演奏かもしれないことがあり得るわけです。コンピーターで例えばベーム風な演奏を制作してベーム演奏だとされても少なくとも私にはそれを聴き抜く能力は備わっていないという告白をしなければなりません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/07/27

    本盤は1968〜1973年に収録されたノイマン/CPO演奏の第一回目のドヴォルザーク交響曲全集からの抜粋で第7番(タイム@11’00A9’30B7’36C9’06)、第8番(同@9’42A10’29B6’35C10’45)、どちらも資料からは1972年ノイマン52歳の時の録音となっております。第7番・・・第1楽章遠く不安げなティンパニーと断片的テーマを奏でる管からスタートして弦も加わって民族舞曲風に様々なテーマを繰り返しながら盛り上げて行きます。1968年動乱期からは幾分年月が過ぎてもなお困難な時期を共に過ごした緊張感のあらわれか、演奏の密度は非常に高いものとなっています。この第7番は続く第8番とは異なりややフォローしにくい曲想が多いのですが全体的にノイマンは遅めにボヘミアの情感を散らばせます。第3楽章はそれに対してよく聴く舞曲風の親しみ易い楽章ですね。最終楽章は又少し曲自体流れがスッキリしない処を陰影をつけて演奏を進めます。第8番の方は偶々出版がロンドンたったなので「イギリス」と愛称されており私はセル/CLOやカラヤン/VPOでLP時代にも親しんだ曲です。ノイマンの演奏は初めやや遅めな印象を受けますが第1楽章展開への勢いはメリハリがついて来ます。時としてつんのめりそうにも感じますがフレーズによってはその早目のテンポがスパイス効果を醸しだします。第2楽章のヴァイオリンソロの美しさと山場作り後半ティンパニーの打ち込み迫りには凄みが伴い第3楽章・・・美しい弦の節回しそして最終楽章での管楽器の散りばめなどもノイマンならではと思わせます。大きく息を取って見えをきる独特なゆっくり語りつつの最終詰めも印象的です。この二曲については1981〜1982年の二回目全集分(第7番タイム@10’50A9’10B7’25C9’13、第8番タイム@9’18A10’17B6’08C10’18)そして1991年東京ライブ分(第7番タイム@11’37A9’36B7’54C9’59、第8番タイム@10’09A11’08B6’29C11’06)があるそうですが未だ聴き比べを完了しておりません。ほぼこうして並べると十年毎となって微妙な変化もあるのでしょう・・・ただ世評ではある若さもあって本盤一回目録音分が覇気の点でも評価高の様ですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/07/26

    1982年テンシュテットが癌発病前の56歳の時にLPOを振って収録したマーラー交響曲第4番で演奏タイムは@15’40A8’48B21’04C9’00とコンパクトな・・・特に前半にそれを感じました。マーラーの交響曲第4番は何となく魑魅魍魎的なイメージの強い彼の交響曲集の中で比較的明るく私にとっても一番親しみ易い交響曲です。第4楽章で第2及び3交響曲でも使われた「子供の不思議な角笛」からの歌詞で天上の喜びを歌っているソプラノのL..ポップ(録音当時43歳とややお年をめしてはいます・・・)も少し声は遠めながら落ち着いた雰囲気がいい感じです。この楽章は変化激しい前の楽章に対する如く(時折第1楽章の鈴が入ったシャンシャンリズムが入りはしますが)比較的平穏な運びで〆のい次第に穏やかに遠のいて行く有様がポイントでもありますね。戻って第1楽章から比較的テンシュテットは緩急をつけ鈴のシャンシャンの鳴らし方もこの曲のこれから展開する裏にある悲劇性を予感させる如く語る様であります。真面目なテンシュテットが部分々で感情的に畳み掛ける処も見せますがとにかく神経の行き届いた進め方です。詰めの高弦の美しさも特筆ものかと思います。第2楽章は一音上のヴァイオリンがソロで活躍する楽章は比較的穏やかに進めており時折諧謔に満ちたマーラー世界の暗部表現にも怠りありません。第3楽章も穏やかなスタート共に大変美しい世界を大きな変奏方式でウェットさを加えて行きます。この辺り亡命後特にマーラーを積極的に取り上げていたテンシュテットの特質もありましょうがLPOというイギリスのオーケストラの中庸さも影響しております。冒頭触れた様に発病直前のテンシュテットのある主張が感じられる素晴らしい演奏と思いました。第5番「フダージェット」(タイム11’22)は未聴です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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