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Review List of ニャンコ先生 

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     2013/01/17

    均一セールで800円になることがあるので、その際に購入されることをお薦めする。ベートーヴェンの弦楽三重奏全集には、ムター、ジュランナ、ロストロポーヴィチという豪華メンバーの録音がある。このDG盤、演奏は立派だが録音が悪い。フォルテのアタック音がいつもきたならしくつぶれていて、曲想にふさわしくない。もっと優雅な音で聴けないものか、と別盤を探していた。このパールマンらの2枚組は、3人の演奏者名から期待したとおり、溌剌とした良演である。録音はというと、「ライヴ感」がはっきり表れたかなり生々しいもので、客席の雑音も聴こえてくる。DG盤のきたならしさはないが、やはり私の聴きたい響きではなかった。

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     2013/01/17

    これも均一セール期間中に500円で購入した。グッドマンが採りあげるのだから、それ相応の作品なのだろうと期待したとおり、佳曲ぞろい、佳演、良録音である。後期バロックのヘンデル風の屈託ない楽章と、CPEバッハ風の多感様式の楽章が交錯する。

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     2013/01/17

    均一セールで800円になることがあるので、その際に購入されることをお薦めする。プレトニョフのスタイルでスカルラッティとくれば、繊細で陰影に満ちた演奏であることは予想どおりである。とはいえ、長調のアレグロ曲は、粒の揃ったタッチで美しく駆け抜ける。ピアノでスカルラッティをすこし多めに聴きたい方にはちょうどよい2枚組ではないだろうか。ブリリアントから発売されているカルボナーラのピアノ独奏による2枚組と、ほとんど曲がダブっていないのがうれしい。

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     2013/01/17

    均一セールで500円になることがあるので、その時購入することをお薦めする。ウェーバーの協奏作品を聴いたことのない方にとっては、良い入門盤になると思う。ピアノ協奏曲では、管弦楽の音がやや硬めだが、録音が古いようには聴こえない。1番、2番ともに静かな2楽章が非常に美しく、3楽章は喜悦に満ちている。2番(ソロは相良明子)の3楽章など、「舞踏への勧誘」を思わせる。「メンデルスゾーン作品では既にピアノ協奏曲まで手を伸ばしている」という方には、ぜひライブラリにお加えいただきたい。ファゴット協奏曲は、曲、演奏、録音ともに申し分のない出来であり、これがピアノ協奏曲とセットで入手できるのはありがたい。

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     2012/12/26

    演奏しているコルスティック氏、ベートーヴェン博士の異名をとるほど研究熱心とのことだが、この博士の講義、とにかく声が大きくてくどい。唾をとばし、ドイツ語のきついアクセントで「ほら、そこの君!聴きたまえ!この和声、このリズム、この旋律、こう弾けばがっちり曲の一部として収まるだろ?誰とは言わんが、名演とか呼ばれる演奏じゃあ気にもせずに弾きとばしてるここのところ!もっと深い音楽的意味が読み取れるよな?だったらこう弾かなきゃウソだよな!」と、たたみかけてくる。「先生、わかりましたから少し耳を休ませてくださいよ」言いたくなる。録音がサラウンドでホールトーンが多く、ワンワン響くせいもあって、聴く者は逃げ場もなく、彼の怒涛のレクチャー攻勢に身をさらすことになる。発売元が付けた宣伝文の「心地よい疲労」という表現は言い得て妙だと苦笑してしまった。それにしてもすごい演奏であることにまちがいはない。同博士によるソナタ全集も破格の安値で予約受付中と知り、迷わず予約した。そちらを聴き通したらいったいどれだけ耳と頭が疲れはてるのか・・・怖いもの聴きたさで今からドキドキものである。

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     2012/12/22

    ヤナーチェクとはあまり縁がなく、「これでもか、と押し寄せてくるブラスの音響」にひたりたい時、アバドかデュトワの指揮で「シンフォニエッタ」を聴くくらいだった。先日、当サイトでノイマン指揮の「利口な女狐組曲」とヴァイオリン協奏曲「魂の彷徨」(未完曲の補筆完成とのこと)を収録した廉価盤を入手してから、にわかに別の曲も聴きたくなった。Witという人はポーランド放送響を指揮してNAXOSに多くの名演、名録音を残してきた人なので、この盤も「オーケストラこそ違え期待できそうだ」と特価にも釣られて購入。これまで食わず嫌い的に避けてきたヤナーチェクがいちだんと身近に感じられて来た。他演との比較はしていないので解釈をうんぬんする資格はないが、すばらしい楽曲と管弦楽の響きに触れられることは保証する。なぜかNAXOSはこの指揮者だと一流の録音をする。それとも指揮者の音づくりが、抜きん出て上手いのか。

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     2012/12/22

    ブラームスの3曲の四重奏は、全集にするにはどうしても2枚組になり、しかも何か1曲加える必要がある。これまで私は、タカーチ四重奏団のシャープな演奏、録音の全集を愛聴してきた。カップリングはピアノにシフを迎えた同作曲家のピアノ五重奏。これがベストな選曲だろう。(もうひとつの妙案がクラリネット五重奏曲をカップリングする方法で、NAXOSで2枚別売りで揃うのだが、こちらの2枚は残念ながら演奏、録音ともにモッサリしすぎていて魅力を感じなかった。)さて、タカーチの音色に耳が疲れてきたので、もっと柔らかい音で聴きたいものだと探したところ、このセットに遭遇。「死と乙女」とのカップリングは次善策といった感じだが、実はこの曲もハーゲン四重奏団のシャープな演奏を少々聴き疲れていたので、個人的にはジャストフィット、というわけで購入。期待通りの東京クヮルテットサウンド。しなやかで張りのある強音、しっとりとした弱音、構成感を失わず適度にロマンティックな解釈。ブラームス、シューベルトとも、大いに堪能した。シューベルトの方が82年と2年録音が古く、残響がやや多すぎると感じたが、これは好みの分かれる範囲であろう。

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  • 4 people agree with this review
     2012/12/22

    長らくセール価格のまま据え置かれていて「在庫あり」の表示もそのまま。いつか買ってやろうと思っていたが、クーポン消化にちょうどよい機会と、ついに購入。常々思うのだが、デュトワ、モントリオール、デッカのコンビには「はずれ」がない、どころか「まあまあ」もなく、「当たり」しかない。ドビュッシーの管弦楽と歌曲が好きな方には、ぜひ今のうちにご購入を、とお薦めしたい。HMVのレビューどおり、フランス語の発音は語学本の付属CD並みに模範的。相当「言葉」にこだわったレコーディングと思われる。もちろん「アリア」のあるオペラではなく、楽劇的にひとつづきに流れていくのだが、時折、管弦楽曲で聴き慣れた音楽語法を用いた盛り上げや場面展開があり、150分聴き飽きることがない。

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  • 1 people agree with this review
     2012/12/22

    20年に一度くらい、この曲を聴きたくなる。今回、「均一セール中500円」という価格に釣られてこの盤を購入。各方面でのレビューに必ず顔を出す盤だけに、演奏、録音ともに申し分ない。もちろん、85年録音だから、作曲者による1990年改訂(チョン指揮のレコーディング時に書き加えられた指揮者への指示が主であるとのこと)は参照されていないのだが、メシアンのファンでもこの曲のファンでもない身にとっては、さほど意味がない。はじめはあっさり目の演奏かと思いきや、第5楽章あたりから妖しい熱気が漂い、第9楽章の静けさをはさんで最終楽章の狂乱へとつき進んでいく。マスで聴かせる場面、室内楽的にソロが浮き立つ場面ともに模範的なマルチマイク録音とミキシングである。ソニークラシカルにありがちな低音のブーストもなく非常に聴きやすい音質。

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     2012/12/13

    これらの演奏のうち、モーツァルトのクラリネット協奏曲、ウェーバーの協奏曲1、2番を1枚に収めたディスクを当サイトで非常に安価で入手できたので既に楽しませていただいている。モーツァルトでは得意のバセットクラリネットを見事に吹きこなしている。実は、N響をバックにした来日時の放送と、アバド指揮ベルリンフィルとの新録音のほうを先に聴いていたのだが、それらももちろんバセットで演奏していた。ここで聴けるSKDとの旧録音は、新録音と比べて、オケの音色、テンポをゆらさない実直な指揮のサポートもあり、新録音よりも落ち着いた演奏である。即興的な装飾も少ないので、よりストレートにモーツァルトの名曲の姿を伝えているように思う。一度彼女のバセットで聴いてしまったら通常のA管の演奏では聴く気がしない、というのが率直な感想だ。ウェーバーは一転して華麗な技巧を駆使して面白いほど完璧に吹きまくる。海外の試聴トラックで聴く限り、シュターミッツやクロンマーの諸曲もすこぶる楽しそうだ。特にファゴットとの二重協奏曲、クラリネット2本の協奏曲の息の合った並走ぶりにはわくわくさせられる。5枚でこの値段である。3曲のダブリも何のその、迷わず予約した。

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     2012/12/03

    ついに再発売か。前は8千円近かったような・・・5千円を切る値段ならぜひ買っておくことを勧める。小編成のオケがていねいに美しい響きをつむぎ出し、編集の成果か、ライヴ収録ではあるがアンサンブルにもソロにも破綻がない。デッド気味の録音で臨場感もたっぷりである。ヴァイオリンは舞台左に集め、ピリオド奏法を用いる気は全くない風。しかし、響きの透明感を重視するためにヴィブラートはかなり控えている。非常に聴きやすいハイドンである。このセットを語る上で欠かせないのが、初発時に問題になった編集ミス盤の存在と、急速楽章のテンポの問題である。私が初発セットを中古で入手した際には、もう編集ミスのある盤は含まれていなかった。よって、今回の再発では心配なかろう。次にテンポについて。はっきり言って、80番より若い曲での第1楽章の演奏テンポの遅さには、「ちょっと勘弁してくれ」と言いたくなる。例外は45番「告別」だけだ。推量するに、全集録音にとりかかる前から演奏し慣れていた「パリ交響曲集」以降の曲と「告別」だけは、通常のリハーサル時間内で、第1楽章を「攻めるテンポ」でまとめることが可能だったのだろう。それ以前の諸曲は、団員の多くにとって初見で、第1楽章を弾きこむ余裕がなかったので、指揮者も録音の仕上がりを意識して安全運転になったのものと思われる。その証拠に、第3、第4楽章は軽快なテンポで盛り上げる。全曲にわたって、第4楽章の活気たるや相当なものだ。つまり、限られたリハーサル時間でライヴでの演奏効果を上げ、喝采を浴びるために、「1楽章は捨て気味、4楽章で勝負。終わり良ければすべて良し」という練習戦術を採った結果である。各曲の最後に起こる拍手喝采が、その戦術の成功を物語っている。しかし、録音として冷静に聴き通すと、どうしても納得がいかない。美しくまとめた緩徐楽章は、少し退屈だが良しとしよう。80番以降は全楽章が良く仕上がっていて、申し分ない。

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     2012/11/15

    これまで30年間、カラヤンがバルツァ、カレーラスを起用したデジタル録音全曲盤(セリフ部分をわざわざフランス人俳優に演じさせている)と、マゼール指揮のミゲネス、ドミンゴによる映画版(VHSからDVDへ)の2種を決定版として聴き、観てきた。しかし今回ラトルの新録音を聴き、カラヤンの壮麗な娯楽性も、マゼールの鋭いドラマへの切り込みも、過去のものになってしまった感がある。これから30年、死ぬまでラトル盤のお世話になっても飽きることがなさそう・・・そんな気がするほどの出来である。純粋に、ビゼーが書いた音楽だけが鳴っている。「室内楽的」にして迫力十分。録音の驚くほどのすばらしさに対しては、これまで何度もEMIの録音の悪口を書いてきた者として、賛辞を述べておく義務があるだろう。

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     2012/10/30

    輸入盤にはこのカップッリングがないので、私としては珍しく国内盤を購入。DGの60年代録音のディスクでときどき出会う「まるでデジタル録音なのではと思うほど音が良い(テープヒスを除けば)」リマスターの1枚に出会えた。70年代録音の「ヴェルディ序曲・前奏曲集」のリマスターでは、これほど広い音場、美しい各パートの音色を聴くことはできなかった。「時の踊り」も同様にすばらしい音と演奏。

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     2012/10/30

    交響曲全集は既に持っている、という方にはお薦めのセットである。(特に、交響曲全集がクッレルヴォ抜きの場合には。)曲が皆すばらしい。「我が祖国」や「大地への讃歌」といった大仰なタイトルの曲にも、清冽で美しい歌があふれている。演奏が意外なほど(と言っては失礼だが)良い。前半2枚のストックホルムのオーケストラに不安はなかったが、「エストニア?合唱は水準が高いので有名だが、管弦楽は大丈夫なのか?」と懸念された後半2枚も、見事に懸念を払拭してくれる出来だった。「ペレアスとメリザンド」は、カラヤンがデジタルで録音した濃厚な美演を聴き慣れていたが、エストニアの貧乏オケ(失礼!)は、ベルリンとは違う透明な響きで、「かえってこっちの演奏のほうが曲に合ってるんじゃないか」という演奏を聴かせてくれる。全作品を通じて、パーヴォ・ヤルヴィのすばらしい「音づくり、音楽づくりの力」を実感できる。唯一ご注意申しあげたいのは、交響詩「フィンランディア」の中間部の木管合奏が好き、という方に対してである。この盤では、そこで男性合唱団がフィンランディア讃歌を歌うので、木管はほとんど聴こえない。

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     2012/10/30

    モーツァルトは、交響曲の場合、若い番号から聴いて行くと、KV番号2ケタの曲はさすがに若書きであまり魅力がなく、100番台の中頃から1曲全部を楽しめる曲が登場してくる。ところが、今回このセットを買って驚いたのだが、宗教曲ではKV2ケタのから実に良く書けていて、はずれがない。10CD全部がモーツァルトの魅力に満ちている。演奏はピリオド楽器であることをあまり感じさせず、現代楽器のピリオド奏法による録音では?、と思えるほどだ。オランダ系古楽の、音の中間をホワーンとふくらませる演奏が好きな方には不満があるかもしれない。しかしここに収められた、清新につきすすんでいく多くの作品には、この奏法のほうが合っていると感じた。独唱は皆、ヴィブラート少なめの清潔感のある声で、合唱と合奏と調和がとれている。文句なしのセットである。

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