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Review List of 一人のクラシックオールドファン 

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     2011/04/18

    1939年からクレメンス・クラウスによって始められたニューイヤーコンサートは以降70年以上毎年開催されており私たちもここしばらくはTVでの宇宙中継で現地での優雅な日本人観客が映っているのを横目にマンネリ気味の正月番組の合間にチャンネルを合わせております。歴代担当指揮者を見ますと圧倒的に創設者のクラウスそして後年コンサートマスターとなったW.ボスコフスキーが回数としては多く意外なのはマゼール(最近あまり話題にはなっていませんね)が続いている状況の中で何とカラヤンが1987年(カラヤン79歳で最初で最後の出演)に棒を振ったライブが本盤演奏であります。充分でない体調を押してなのですが馥郁たるVPOサウンドを重厚に引き出してしかもシュトラウス・ワルツの極意というか独特の呼吸が伴っているのは流石同国オーストリア産同士の阿吽なのかも知れません。カラヤンとしては過去何回も演奏し又録音も繰り返して来た曲目でちょっと雑誌「レコード芸術」資料で調べたら本盤収録分で有名な曲三曲の正式録音経歴は次の通りで他にもいろいろあることでしょう。「こうもり」序曲・・・VPO(1948,1959)、BPO(1942,1966,1975,1980)、「美しく青きドナウ」・・・VPO(1946,1968)、BPO(1966,1975,1980)、PHO(1955)、「ラデッキー行進曲」・・・VPO(1968)、BPO(1966,1980)、PHO(1955,1960)といった具合で勿論本盤録音がカラヤン最後のワルツものとなっているだけにある種の感慨を持ちます。それにこのニューイヤーコンサートでは初めて歌手登場でその大役をK.バトル(S,当時39歳)が「春の声」(タイム8’35)でバックと掛合いしながら見事に果たしております。アンコールの二曲目の定番「美しく青きドナウ」(10’18)に続いて最後恒例の「ラデッキー行進曲」(3’30)では手拍子の場面であのカラヤンが客席に体を向けたのもそして「平和・平和・・・」と言ったのもCDでは分からないのは残念です。やはりこうした超豪華コンサートは客席雰囲気も見たく関心がDVD勝ちには正直な処なりますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/17

    4/15に書き込んだワーナー・クラシック・レーベルでのF.サイの弾くモーツァルト・ピアノソナタ集(カタログNo.WPCS11742及び3984.2197)盤のレビューがうまく反映されていないので同じワーナー・クラシック・レーベルのF.サイ演奏のこのCD盤(カタログNo.2564699708)書き込み欄を借りて再記する次第です(本当は当該盤に再書き込み出来るシステムだと有難いのですが・・・)。→→1997年サイが27歳の時に録音したモーツァルトのピアノ・ソナタK330,K331,K333そしてキラキラ星変奏曲K265の四曲であります。最近彼は自作を録音するなどレパートリーの洗い替えをしている様で正直もう一つ焦点が定まらない感じがしていますが本盤演奏も各曲結構自分の気分の趣くまま好き勝手?に彼なりにデフォルメしている感じがし湯気が立って出来たてのホヤホヤ感があります。それは何か足で拍子をとっているバックの物音や極端な強弱とテンポで余計その様に受け止められるのではないのでしょうか。彼はトルコ出身だからと言うのではありませんが分り易いK331「トルコ行進曲付き」(タイム@10’31A5’18B2’46)を聴いての感想はマァ何とテンポの速い演奏かという事です。有名な第3楽章などまるで掃射機関銃の如くであります(別盤でジャズ風に彼が弾いたこの第3楽章のタイムはなんと1’59 !)。相応するかの様に他の楽章もややキツいタッチが特徴的で全体バランスは保たれているから不思議なのです。K330(@4’20A4’42B3’49),K333(@4’53A6’03B5’44)ででも特にアレグロ楽章は先のK331同様でその他これら聴き慣れた曲でもいろいろ仕掛け挑発して来ますので聴く方は要覚悟・・・。グールドの弾くK331ほどではありませんが珍演奏範囲に入るかも知れませんが妙に説得力がある演奏であります。K265変奏曲(11’39)では単調化を避け時に刺激的な変奏を産み出します。本盤演奏からサイ演奏録音で以降続くストーリーが見られないのは残念ですね。←←次に肝心の本盤について簡単に触れておきましょう。本番はワーナー・クラシックにサイが収録した代表的なものを納めていますが何故前述のモーツァルト・ピアノソナタが少しでも入っていないのでしょうか? それはさておき先ず面白かったのは多重録音(1999年)でのストラビンスキー「春の祭典」(タイム@14’27A16’45)は実にユニーク、発想的に挑戦的な処はピアノが打楽器の様に思わせるのです。ちょっと正式なクラシックのテリトリーからはずれはしていますがサイの特異な才能が満開の演奏でここでも先のモーツァルト同様やはり調子取りの足踏みらしき音が聴こえます。ガーシュインの「ラプソディ・イン・ブルー」(1998年録音、タイム16’57)はマズア/NYPOのバックで彼のジャズ風アプローチが活きた演奏でどうしてもニュアンスは異なるかもしれませんがグールドとの類似性が連想されますね。2001年録音のチャイコフスキーのピアノ協奏曲(トータルタイム33’23)はアゴーギグは散見されるものの全体として割りと意外とソフトな運びをしておりこれは指揮者(テミルカーノフ)、オーケストラ(SPPO)との共同作業である処からも起因するからでしょう(それでも何かうわ言らしきもの?が聞こえる様で・・・)。1998年収録のバッハ・・・BWV817(14’27),BWV971(12’13),BWV1004(14737)等々はマァ彼の演奏ならば想定範囲とは思います。気分転換に(モーツァルトが入っていない事を除き)素晴らしい本盤収録曲を思いつくままサンプリングしました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/16

    最初にこの欄を借りて昨日4/15書き込んだF.サイのモーツァルト・ピアノソナタ集のレビュー文が尻切れになっている事についてHMVに照会確認中であることを申し上げておきますのでよろしくお願いします。  さて、本題・・・大曲「マタイ受難曲」の鈴木雅明/BCJによる1999年録音・・・2000年でバッハ没後250年記念です。全曲盤(タイム的には約165分)からの抜粋版であり演奏そのものの方向感は他の最近演奏者盤と同じでありますがこの演奏は決して鋭角的ではなく穏やかな部類に入るものと言ってよいかと思います。独唱陣についてはバスのP.コーイは他の指揮者の受難曲、カンタータ演奏にも名を連ねているもうヴェテラン域のバロック歌手で安定した歌いぶり、テノール語り手G.テュルクは新鮮な感じがします。ソプラノのN.アージェンタもこの類の曲にはほぼ常連です。本盤アルトはカウンターテナーのR.ブレイズがやはり新鮮な声を聴かせてくれます・・・・第6、39、52曲等代表的なアルト・アリアには私は好みからもう少し抑制気味の女声アルトの方が・・とも感じた曲も正直ありましたが(あくまで私の)目先が変わる分だけ新鮮には感じました。その他テノールの櫻田、バスの浦野等カンタータシリーズでも馴染みのメンバーです。アリアで伴奏するヴァイオリンの寺神戸他独奏者も色彩が合った演奏です。また合唱陣はこのBCJという団体独特のサウンドがほぼ出来上がった時期のもので今述べたカンタータシリーズでも本録音以降ますますの充実振りです。録音場所が私のほぼ地元であり指揮者自身も地元出身なので応援したくなりますね。鈴木の場合少年時からバッハ演奏に関わりその確固としたプロテスタント信仰からこのような一般日本人にはとても到達しえない域まで昇華出来る資質を持ち合わせていることが演奏に反映していることは当然でしょう。それだけ真摯なものが感じられるのでしょう。一方どうしてもクレンペラー盤(1961年収録、約225分)やリヒター盤(1958年収録、約197分)と我々の世代は比較してしまいますがお互いスタンスが異なるのですからその違いは止むを得ない事だし私たちは夫々を聴く時間があるだけ幸せなのでしょう。個人的には全曲版を聴いて欲しいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/04/15

    1997年サイが27歳の時に録音したモーツァルトのピアノ・ソナタK330,K331

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     2011/04/14

    マタチッチと言えば1960年代から1970年代にかけてオペラの随行指揮者として日本に顔見世された人ですがNHKSOを振ってのオーケストラコンサート指揮者としても私達の世代ではあのバトンを持たないで象さんが泳ぐ様な独特な指揮スタイルがTVを通してもいまだに記憶に残っております。容貌からも何かスケール感もある昔風の感じでしたが本盤は1984年彼が85歳の時・・・東京の方のレビュー等にも書いてある様に死の前年・・・そのNHKSOでブラームス交響曲第1番を演奏したライブ録音です。音質が随分良く演奏そのものの凄さがしっかり聴く者に伝わってきます。演奏タイムとしては@12’53A7’58B4’40C17’06(拍手分を考慮すると実質16分余)となっており全体としては重厚剛直な割にはテンポ感は速いイメージで特に第2楽章はタイムとしても短いと申せましょう。第1楽章あの出だしは堂々とゆっくり重心の低いサウンドで当時のこのオーケストラのドイツ物志向ならではといった処。展開部は少しテンポをアップして次第に演奏の熱っぽさ・ボルテージを上げて行きます。中間過ぎのピークではギクシャク感を上手く使って下って行きますがちょつとこの辺りは流れとしては弱い印象も受けたのも正直な気持です。比較的サラッと第2,3楽章を経て最終楽章ではあの歓喜テーマまではインテンポなのですがその後はテンポを触ってスピードアップ、若干アンサンブルで怪しい処も弛緩まで到らずストーリー的には乗り越えます。さて、いよいよフィナーレへの前段階ちょっと見得を切りこの辺りの先述の昔風が懐かしいですね。太い線でもって細かい事は言わず〆へ興奮を高めながら雪崩れ込みます。その折のティンパニー、管楽器群がNHKSOも中々やるなっていう感じで思わず唾を飲み込んでしまいました。曲自体の性格もありますが、とにかくともすれば無難な演奏が身上なこのオーケストラからこれ程の生命力を引き出したマタチッチの指揮芸術の妙技が味わえます。なお、マタチッチ/NHKSOによるブラームス交響曲第1番には1967年録音盤(@14’03A8’47B5’06C16’41)もありタイムだけチェックしても本盤演奏の切迫感が死の前年を思わせる残された時間の少なさを物語っている様ですね。新鮮味には欠けるものの素晴らしい演奏盤です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/13

    東独出身の指揮者の一人レーグナーはすでに70歳代初めに亡くなってしまっているのですが読売日本SO(YNSO)を振ってのベートーヴェン交響曲全集録音盤を残して日本には馴染みになりました。私は別盤で本交響曲第7番演奏を聴いていますのでコメントさせていただきます。1986年(レーグナー57歳頃)、勿論日本でのライブ録音で先の全集のトップバッターではなかったかと思います。演奏タイムとしては@12’10A8’24B9’09C6’23とやや全体速度は速めの印象を受けています。YNSO自体割りとベッタリした色合いの音色で最近のトレンド奏法からすると余計そういう風に聴こえ何かしょっちゅう鳴りっ放しという感も持ちました。多分ライブ故の高揚感も手伝って更にレーグナーの運び方によるのでしょう。第1楽章、最初ゆったりかなと思ったのですが高音が勝った序奏部はテンポを速め「間」を活かしつつ展開主部へ突入します。弾力性溢れたエネルギッシュさはありますが決してこの曲面を特別扱いしておりません。第2楽章での出だしスタッカートを少し均してメロディ的に強調する処は特徴と言えば特徴・・・これで良いかどうかは全体とのバランスなのでしょう。正直な処はやや表情面が退屈しつつあった時に〆の強いピチカートでアクセント付けしています。第3楽章のトリオでの盛り上げと管楽器の持続維持が効果的で少しホッと息継ぎをして終結部へ・・・。最終楽章は大変ハイスピードで少し前のめりがち、途中音をなめしたり工夫をしているけれどふっとただ鳴っているだけと隙間風が・・・。しかし最後凄いエネルギーの奔流がそれを救いました。「リズムの権化」と呼ばれるこの曲の全体の流れで予断出来ない部分があったりしてマァ面白い演奏だつたのですが私の聴いたのはライブなのに終わりの拍手が無いのが頼りなく思いました。第8番は未聴なのでOKランクとしておきますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/12

    バーンスタインは決してバージョンアップの如く同曲を何回も収録するタイプではないそうですが本盤「悲愴」1986年DG分(演奏タイムは@22’34A8’29B9’52C17’11)は三回目(過去分として1953年NYSSO・・・@18’34A8’06B8’59C11’04や1964年NYPOがあり、また別に1974年NYPO盤も確認はされています)だそうです。本盤演奏、第1楽章不気味なまでにゆっくりとそして「間」に意味を為しながらしかし穏やかな面も見せて進め一方弦も引っ掻きそしてドッスンバリバリのアレグロヴィヴァーチェで全管楽器の強奏とテンポの緩急が凄いです。第3楽章ピークは割れんばかりのティンパニーと管楽器ですが決して乱れません。終楽章は既に同演奏盤にて皆さん書き込まれているように通常演奏の倍近い17分余・・・あの超スローのチェリダビッケのEMIライブ盤でも13分余・・・とにかく引き摺り引き摺りそして引き摺るのです。そのウネリの波も凄いですがあの例の抉りクライマックスへは段々と登って攻めて行くようでそして全合奏へと連ねます。絶対ヒステリックにはならず過度に陥ることはないのですが果たしてこれで良いのかなとも感じた事も正直な気持ち。ただ、録音当時68歳、自らの死期を悟るにはまだ少し時期としては早い感じではありこの最終楽章の尋常でない遅さに繰り返し聴くと何となく白ける雰囲気を汲み取ってしまいました、一聴の価値はあります。なお、付録にIPOを振っての「イタリア奇想曲」(タイム15’51)は明るい親しみ深い曲想が次々と出てくる曲でバーンスタインも楽しんでいる有様がライブで伝わってきますね。過去にも出ている演奏盤ですが本盤は仕様が改善され音質が期待はされます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/04/11

    鮫島有美子さん(以下敬称略)が「日本のうた」のタイトルで最初に有名な日本歌曲を集めて1984年(当時32歳頃)日本で録音した盤から第2集を経てそして本盤が第3集であります。本盤は1988年ドイツでの収録でピアノ伴奏は勿論夫君のH.ドイチュで各曲1〜3分程度の曲を全部で24曲(トータルタイム56’14)納めております。さすが三集目となると所謂昔からよく知られた日本歌曲は次第に少なくなり編集スタンスとしては戦後の歌曲・・・近過去の歌曲が幅広くとりあげられており例えば第1集から順に聴くと大まかな日本歌曲の流れも分かりそうです。益々深化して行く彼女の歌唱ぶりはとにかく穏やかな自然体の姿勢をずっと保ちつつその澄み切った抒情性を私などが初めて接する曲にもじっくり聴かせてくれます。ドイチェの伴奏にも違和感といったものは皆無、以降彼女と夫君のコンビは日本唱歌や歌謡曲、日本語による海外民謡と勿論クラシックアプローチでやや硬いイメージはあるもののその録音範囲を広げて行きほぼ前世紀までにリリース盤は安定した様にも思われます。マァこの世界ですからあとは過去の録音分の焼き直しみたいになって行くのは仕方ない事で、少なくとも「日本のうた」については末永く聴かれるべき一頃の国民的ソプラノ歌手の業績として位置づけられるべきでしょう。余談ですが私は仕事で新幹線で出張した時、丁度彼女(彼女には何かマネージャーらしき人が同行しており)の近くに乗り合わせたことがあり駅に降りる際には間近になった経験があります。車内でふっと欠伸をした彼女に親近感を覚えた次第です(そりゃ、誰だって欠伸くらいは・・・)。昨日TVで「題名のない音楽会」に出演していた彼女を見て上手に年をとっていることもうかがわれました。収録曲の中の「六騎」の歌詞では親鸞上人の「御正忌」というワードがあるのですがそう言えば今年は親鸞上人 750年御遠忌ですね。私は日本の歌曲集としてかつては鮫島の大先輩である瀬山詠子(ピアノ三浦洋一)の歌唱LP二枚盤をよく聴いていました、そのままCDでは出ていない様なのでそのLPからCDを専門業者に制作してもらってもいます(当然上野の音楽学校の雰囲気を伝えるこの両人の聴き比べもしています)。以上余談はさておき日本の歌を伝えていくという使命込みで素晴らしいランクといたします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/10

    1980年代後半にヴァントが手兵NDRSOと録ったベートーヴェン交響曲全集の分売物で第1番(演奏タイム@8’44A8’31B3’29C5’50)、第2番(同@11’39A10’34B3’39C6’52)、第3番(同@18’05A14’43B5’45C11’26)が収録されております。私はこの内第2番を聴いており少しコメントをさせていただきます。この第2番1985年頃ヴァントが73歳頃の演奏で幾分速めで先ず彼らしい理詰めな迎合感のない演奏・・・そう曖昧な処が見出せぬ演奏がベートーヴェンに何となくフィットし更に録音の良さがこの演奏のランクを上位にあげざるをえなくしていますね。第1楽章しばらくアクセント強めに進め展開部は速めに。ウィーンというより正しくドイツの地味ではあるが奇をてらわない味わいは派手な指揮者、オーケストラとは一線を隔します。表面ではなく芯において堂々としているのです。そしてちゃんと反復演奏がされております。情緒に流されない第2楽章も印象的ですが最終楽章の何か潔さは一体どこから来ているのでしょうか。スケール感とか懐深さとは趣きを異とする彼はベートーヴェン交響曲で地味な第2番、第8番を結構持ち上げた結果をもたらせてくれたのでは・・・。晩年猫背の容姿から派手なパーフォーマンスとは無縁だったヴァントの本質の語り口の一端が窺える演奏かと思いました。彼には更に後年録られた一部のベートーヴェン交響曲のライブ盤がありますがこの第2番はHMVカタログでは1954年CGOを振ったモノラル盤くらいしか見つからないだけに貴重な録音演奏となつております。兎に角ヴァントのベートーヴェン交響曲全集についてはHMVカタログ上のユーザーレビューで評判というものが最善の紹介状の如く異常な数のレビューでベストランクを獲得していますが私の場合他の第1,3番は即ち過半数を残念ながら現時点未聴ですので素晴らしいランクに止めておきます、スミマセン。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/09

    イギリス音楽のスペシャリストながら何故か今ひとつ日本では知名度が低かったヒコックスは2008年還暦の年で急逝してしまったのですが本盤は彼がまだ38歳の頃1986年CLSを振って吹き込んだヘンデル「水上の音楽」です。一応曲構成としては第1部ヘ長調(演奏タイム9曲トータルで28’50)、第2部ニ長調&ト長調(10曲トータルで22’40)としており全体としてはややテンポは速めで古楽器演奏の影響は認められるものの比較的響きは神経質ではなく大らかな感じがしました。私の聴き違いと思うのですが第1部出だし切れが良すぎてちょっとアンサンブル的に粗く聞こえそれだけ進むにつれて親しみが持てる演奏となって行きます。それは同じ第1部3曲目お馴染の野外ホルン&管弦のアレグロの処での舌足らずなどにも現れてはいます。分厚い響きの中で第1部ホーンパイプでの軽やかさが映えたり又第2部序曲後のヴァイオリンのカデンツァは大変情緒的に扱っていますし前半メヌエットではフルートを前面に押し出したりして変化を入れたりします。まぁ、ヒコックスからすればイギリス音楽の一つの扱いで「癖」「灰汁」は決して演じずさりとて貴族趣味や壮麗趣味には貶めないである品性の良さを保った分り易い演奏かと思います。現在販売されてはおらずヴォーン・ウイリアムズ等の特化者として今後位置づけられるのでしょうか、ちょっと廃盤で消えてしまうには惜しい演奏ではあります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/04/08

    パイヤールはヘンデル「水上の音楽」を三回録音しています、つまり1962年、1973年そして1990年で私は一番最初の演奏盤をLPで聴いておりました。当時バロックの一次ブームで色んな演奏盤が競う如くリリースされましたが彼の演奏(当時パイヤール34歳頃)はややテンポが速いもののしっかりした古典主義的ベースの上にフランス系演奏の特徴である快いタッチ・ソフトな軽さというか洒落っ気が楽しめます。その1962年盤はそれまでの慣例に従って二部形式で有名な第1部三曲目(アレグロ〜アンダンテ〜アレグロ)(タイム8’32)や第2部二曲目(ホーンパイプ)(2’57)などをはじめ各曲円やかさも味わえます。なお、1978、1990年両盤はハレ版により三部形式となっております。ヘンデルの音楽は英国王室関連の為かイギリス系演奏以外ではドイツ系演奏より明るく華麗で小難しい事を言わないフランス系演奏が結構合っている場合が多くパイヤールも前述各競合盤の中で三種類も出したりして彼の音楽学者ぶりと共にその存在感を誇ったものでした。しかし日本のメロディの演奏盤を制作したりサービスこれ努めた頃から次第に世の演奏トレンドが古楽器演奏・奏法に傾くにつれパイヤールの基盤が脇にやられてしまいました。さて、本盤のHMVカタログ及びレビューが「水上の音楽」についてパイヤールとなっていますが商品ジャケットイメージ(RCAレーベル)ではパイヤールの「パ」も記載されておらず併録の室内協奏曲の(フランス系)指揮者クロード・マルゴワールと1966年その彼が26歳の時に創設したオーケストラ王室大厩舎・王宮付楽団(GECR)の名のみが記載されておりマルゴワールもそのオーケストラで「水上の音楽」「王宮の花火」や各室内協奏曲を録音しており、ひょつとして本盤の収録「水上の音楽」もマルゴワール/GECRの演奏ではないかとも思った次第です。冒頭述べた様に本盤パイヤールだとして演奏傾向は1962年分ではあったとしても私は1973年盤(これはトランペットのアンドレやオーボエのシャンボン、ホルンのガルサン・マルーなどフランスの管楽器の名手達を揃えた豪華な演奏であります)や1990年盤は未聴ですしマルゴワール/GECR盤も未聴ですのでランクはニュートラルランクにしておきます。本盤関連で参考メモ程度に読んでいただければ幸いです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2011/04/07

    ルービンシュタインは1963年本盤演奏録音(ルービンシュタイン既に76歳、演奏タイム@19’25A7’11B6’50)前に本人言によれば三度この曲を録音しており1929年バルビローリ/LSOの伴奏(同@17’29A6’46B6’04)、1946年ミトロプーロス/MPSOの伴奏(同@19’06A7’26B6’23)は復刻盤などで確認出来るのですがもうひとつの演奏・・・1958年クリップス/RCASOバックのものはどうも本人曰く「出来が悪い」そうでリリースされなかったそうです??(なお、1946年ロジンスキー/NYPバックのライブ録音トータルタイム29’38もある様です)。さて、本盤はラインスドルフ/BSOの堅実な伴奏で私などはLP時代この曲の本命盤とも位置付けていました。決してバリバリ弾きまくる感じではなくお年のせいか余裕というか過去の先述各録音演奏より勿論淡々と基本路線を歩んでいる様な感じであります。従ってエキサイティングさをこの曲に求める方には少し物足りないかもしれません。例えば第1楽章スタートやや強めのホルンの割には落ち着いたピアノでファースト・インプレッションは得られるでしょう。解説書で伴奏指揮を担当したラインスドルフは「ルービンシュタインの様に疲れることを知らない演奏家とは一つの楽章全体を何度も演奏し直す事が可能になるだけ作品全体の一貫した流れの形が保てる風にもって行ける」と述べているのですがこの曲の優雅さもポイントゲットしつつ過不足ない音楽を展開しています。聴き飽きしない演奏で最高ランクにしたいですね。ジャケットも懐かしいLP時代のデザインで本盤音色は仕様改善で更に期待されましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/07

    アーノンクール57歳の1986年収録モーッアルトの宗教曲で有名な方つまりK317「戴冠ミサ」を切り口に少しコメントを入れさせていただきます。演奏タイムはHMVレビューにもある様に@2’57A4’37B6’18C1’51D3’38E6’46と全体少し速い感じはしますがアーノンクールなら当然という印象。「キリエ」序奏段取り重々しく切れ々な処に抵抗感がありましたがS(J.ロジャーズ、当時30歳)の恰幅ある出だしが素晴らしく若干T(J.プロチュカ、42歳)がその分弱く感じました、続く「グローリア」でのメリハリあるオーケストラは合唱、四重唱(前記二名に加えA(E.マグナス、32歳)とB(L.ポールガール、40歳))がピタリ。「クレド」は戴冠式というイメージから遠く華やかさが抑制気味、それでもBの存在感はばっちり。「サンクトス」での古色蒼然さが前楽章より更に上乗せ、無難に「ベネディクトス」を過ぎて最終「アニュイス」は比較的開放感を放つのではなくセーブして終結部へ運びます。演奏自体が勿論古楽器使用なので少しピッチ上の差もあろうかと思うし全体としてはアーノンクールは正しいのかも知れませんがかつてから聴いているこの曲に抱く楽しみ・・・華麗さ・・・は本演奏では私には印象薄いものでありました。K339「ヴェスペレ」(証聖者の盛儀(荘厳)晩課)(タイム@5’44A5’12B5’18C4’16D4’42E6’29)(モーッアルトはもう一曲「ヴェスペレ」K321を作曲しているらしいです)の方が成功している評価もある様です。多分聴き慣れていない分有利に働いたのかも知れませんね。シェーンベルク・アーノルド合唱団とアーノンクールは長く仕事を以降年も続けており本盤ではもう一つの合唱団と共に中々健闘しております。他の収録曲は未聴ですのでOKランクとしておきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/06

    「蝶々夫人」は日清戦争が始まる頃(1904年?)の時代設定で長崎を舞台とした没落士族の娘 蝶々さんとアメリカ海軍士官 ピンカートンとの悲恋物語で現地妻となった蝶々さんの純愛がピンカートンに踏みにじられ、ピンカートンの新妻に子供だけ引き取られたものの、当然蝶々さんは捨てられ父親の形見刀で自決してしまうという悲しい物語でマァ話しは単純ではあります。殊に日本では曲中に様々な日本旋律(越後獅子、君が代、さくらさくら、お江戸日本橋、ギッチョンチョン節、宮さん宮さん、かっぽれ節、推量節など)やアメリカ国歌が導入されてより親しく身近に聴かれていったものと思います(これら日本旋律はプッチーニが当時駐イタリア大使夫人から収集したものらしいです)。さて、従って本盤は本作品作曲からトスカニーニによる初演を経た概ね半世紀後1955年の演奏録音でありモノラルながら更に半世紀以上その地位を維持し現在でも代表盤として愛聴されているのはやはりM.カラス(S,当時32歳)の名唱がイタリア物を独墺系のカラヤン(同47歳)が乗り込んで?イタリア地元のOCTSMを振っての雄弁なサポートで聴けるからではないでしょうか。全曲盤の演奏トータルタイムは2時間18分余のものなのですが本盤はその1/3位のハイライト盤です。私たち日本人の感覚ではカラスにとて日本の純情な十代女性を(勿論誰が歌っても)百パーセント満足の演技を期待するわけには行きませんが可憐な心情・心模様を抜群の安定した音程声色で前半十代女性をやや化け物的ではあってもコントロールしそして後半母親的強さを迫真にこなした処が聴きものであります。ピンカートンを演ずるN.ゲッダ(T,当時30歳)も少しノーテンキな性格を上手く健闘しているかと思いました。カラヤン側は先にも触れた様にカラスの威力に相伴するかの如くドラマチックに時としてその高まりを緊張感で増長させ素直さ・爽やかさがねちっこさに挟まってまだカラヤンにはあった事の証しでもあります。カラヤンは後年1974年VPOと組んでフレーニ、パヴァロッテイ他によるCD、同年同オーケストラでフレーニ、ドミンゴ他によるDVD盤を収録しておりますが息の長さでは本盤演奏・・・これにも他に様々な異盤があります・・・には届けないのでは。このハイライト盤については私自身未聴でその収録曲内訳も知らないのですが聴いている全曲盤からのコメントを書かせていただきました、聴き処だけのハイライト盤でも演奏雰囲気はつかめるのでは・・・。ただ聴くからには私は全曲盤をすすめたいですね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2011/04/06

    アーノンクール57歳の1986年収録モーッアルトの二つの宗教曲で有名な方つまりK317「戴冠ミサ」を切り口に少しコメントを入れさせていただきます。演奏タイムはHMVレビューにもある様に@2’57A4’37B6’18C1’51D3’38E6’46と全体少し速い感じはしますがアーノンクールなら当然という印象。「キリエ」序奏段取り重々しく切れ々な処に抵抗感がありましたがS(J.ロジャーズ、当時30歳)の恰幅ある出だしが素晴らしく若干T(J.プロチュカ、42歳)がその分弱く感じました、続く「グローリア」でのメリハリあるオーケストラは合唱、四重唱(前記二名に加えA(E.マグナス、32歳)とB(L.ポールガール、40歳))がピタリ。「クレド」は戴冠式というイメージから遠く華やかさが抑制気味、それでもBの存在感はばっちり。「サンクトス」での古色蒼然さが前楽章より更に上乗せ、無難に「ベネディクトス」を過ぎて最終「アニュイス」は比較的開放感を放つのではなくセーブして終結部へ運びます。演奏自体が勿論古楽器使用なので少しピッチ上の差もあろうかと思うし全体としてはアーノンクールは正しいのかも知れませんがかつてから聴いているこの曲に抱く楽しみ・・・華麗さ・・・は本演奏では私には印象薄いものでありました。K339「ヴェスペレ」(証聖者の盛儀(荘厳)晩課)(タイム@5’44A5’12B5’18C4’16D4’42E6’29)(モーッアルトはもう一曲「ヴェスペレ」K321を作曲しているらしいです)の方が成功している評価もある様です。多分聴き慣れていない分有利に働いたのかも知れませんね。シェーンベルク・アーノルド合唱団とアーノンクールは長く仕事を以降年も続けており本盤ではもう一つの合唱団と共に中々健闘しております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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