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Review List of greyfalcon 

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  • 1 people agree with this review
     2015/01/01

    雄大にゆったりと流れる大河のように歌い込まれる旋律美に息をのむ。曲の格が上がったかのような印象さえ受けるほどだ。まるでブルックナーのように巨大なスケールで太く逞しくうねる旋律が奏でる叙情美が凄い。甘ったるさは全く無いのに恐ろしく濃密なこってりとした切ない甘さを感じるのだ。論理矛盾でまったく文章の体をなしていないが、にこりともしないで恐ろしく面白いことを言うのに似ていると言えば、分かっていただけるかもしれない。これほど風格のあるこの曲の演奏はもう現れまい。これが名盤でなくて何であろう。

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  • 13 people agree with this review
     2014/12/30

    VENIASレーベルは初めてなので音質が心配だったが、予想以上に素晴らしかった。最近はテープヒスを極端に嫌う者が増えたせいか、ノイズリダクションを掛け過ぎて丸くなった高域をイコライザーで持ち上げ、無機的で冷たい平板な音が多くて閉口していたが、暖かい温もりのある音なのに手持ちの盤より遥かに情報量が増えた立派な音がする。激安なのにこれだけ高品位の音質とは驚いた。楽しみが増えたわい。じゃんじゃん出してくれ〜、頼むよ。
    この当時のベームは質実剛健を絵に描いたような指揮振りで、後年の柔軟性を増して大衆にアピールする洗練さを加えた演奏に比べると取っ付きにくいと思う方も多いと思うが、これがいいのだ。音楽的にはこの当時ベームは一つのピークにあったと言える。ベートーベンやブラームスの気迫に満ちた重量感は圧倒的だ。鉄の塊のようながっしりとした構成力と巨大な推進力に魅了される。VPOとのブラームスの3番などはこれに馥郁たるロマンも加わり昔からの愛聴盤だった。シューベルトも素晴らしい。モーツァルトはより録音の良い後年の盤を好むが、RCOはやはり好ましい風合いを与えている。ステレオ録音だったらと惜しまれる。R.シュトラウスは内容のない音響だけの空虚な演奏が多いが、(もともと曲自体がそういうものなのでそれも当然なのだが)ベームの指揮で聴くと中味があるように聞こえるから不思議だ。若い頃は真面目過ぎてつまらなかったベームのR.シュトラウスは、今聴くと遥かに聴き映えがする音楽になっているのだ。やはりこの人は大指揮者だった、と今さらのように思う。

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  • 4 people agree with this review
     2014/11/22

    なんとも伸びやかで自由闊達な、まるで天空に舞い上がっていくような気分になるベートーベンだ。ドイツ系のピアニストにる重厚で枯れた味わいのこの曲のイメージを一新させる、歌心にみちた軽やかで色気さえ漂うユニークな唯一無二と言うべき演奏。たった2曲なのが惜しみても余りある。せめて30番だけでも聴きたかったなぁ。全集だったらどんなだろうと思うとこれだけなのが堪らないが、これが有るだけでも有り難いと思うべきなのだ。ピアノ好きなら是非とも聴いて欲しい世界が広がる名演です。作曲者、演奏者共に老境にさしかかったからこそできる、慈しみと愛に満ちた哀しみの歌に圧倒される。女流だからと言ってこぢんまりとした
    世界を想像してはいけない。非常に柄が大きく雄大な世界が広がる。素晴らしい!

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  • 14 people agree with this review
     2014/11/19

    手持ちの Dutch Masters からの買い直し。当時は良い音だったが、さすがに頃合いだし、安価にまとめてくれているので飛びついた次第。Decca による一連の remastering と同じ傾向の音だ。残響豊かな Philips tone から一枚ベールを剥いだ上で、分厚いどっしりしたピラミッド型の響きに変わっている。硬くはないし十分に良い音になっている。2年前の国内盤で揃えなくて良かった。一枚物で揃えるよりはるかに安上がりだし、場所をとらないのがうれしい。
    レビューが少なく、こんなにも人気がないとは悲しいので一言。ベイヌムと言えばブラームスだが、渋い中にもコンセルトヘボウの響きが独特の艶を加え、やはり素晴らしい聞き物。剛毅の極みのブルックナー、マーラーの官能美と毒気の中に哀感を込めたメリマンの一世一代の名唱が光る大地の歌。意外に知られていないのがフランスもので、こってり濃密な響きで輝かしい光彩陸離の世界を現出する超の付く名演なのだ。本当に何を振っても名演の大指揮者、あと10年は長生きしてもらいたかったなぁ。

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  • 2 people agree with this review
     2014/09/21

    ものすごく期待して買ったCD。恐ろしく内省的で、息苦しいくらい真面目で根暗なベートーヴェンです。これって、もうツェヒリンの写真そのものじゃありませんか。この人、全く聴いたことがなかったので、聴いてみてもうビックリです。完全に自分の世界に入り込んでいる演奏なので、嵌る人は嵌るでしょうねぇ。私は微妙です。かつて「学求的」の一言で片付けられた、というのも分かるような気がします。この世界が分からない人には全く面白味のない演奏でしょうからねぇ。愉悦感とか、伸びやかな気分とかは、全く別世界のことです。もう思い詰めた思いの丈をひたすら真剣にぶちまけてます。真剣すぎてテンポがつんのめったり、一本調子になるところが多々あり、テンポの変更が不自然で興を削がれます。そこを我慢して付き合っていると、唯一無二の独自の世界ゆえの面白さも出てきます。真剣さにほだされるんでしょうか。

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  • 9 people agree with this review
     2014/09/21

    夭折した天才ピアニストというイメージにぴったりで、リパッティを彷彿させるものがある。とにかくタッチが美しい。どこまでも柔らかく澄んでいて、透明な宝石のような輝きを放っている。うっとりする程の美しい音色だ。実演を聴いた人は堪らなかっただろう。紡ぎ出される音楽も澄みきった叙情にあふれ、聞き込むほどに言葉を失っていく。これほどとは思わなかった。話半分、騙されるつもりで買ったCDだが、完全にファンになりました。しかし、神様は罪なことをしますねぇ、自分が生きていることが申し訳ない気になります。持ってない方はぜひ買って下さい。知らない人は可哀相です。

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  • 10 people agree with this review
     2014/09/20

    Philips が Decca に吸収されて消滅したために音の傾向ががらりと変わってしまったのは仕方ないとしても、この Mozart だけは Philips の方がまろやかで良かったなぁ。Decca のリマスターにより残響が取り去られてすっきりし、ピラミッド型のどっしりした響きになり、音に芯が出てきた。力強さは増したが、芳醇でとろけるような柔らかな響きは失われてしまった。演奏は、現代的なものに背を向け、鄙びた味わいが際立つ。悪く言えば、時代遅れのゆるくて退屈な演奏と切り捨てる御仁もいよう。しかし、今時こんなに典雅でほんわかした Mozart が聴けること自体が奇跡であろう。これが録音された当時は古めかしくてどうってことない演奏だったのだろうが、今となっては古き良き時代のスタイルを今に留めた貴重な遺産と言え、よくぞ録音してくれましたと感謝したい。これだけを聴くことは Mozart 像がいびつになってしまう虞があるが、名盤の一つとして聴き継がれて行くべき演奏だと思う。優雅で美しく幸せな気分になれる Mozart ですよ。

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  • 1 people agree with this review
     2014/09/03

    古い国内盤(原盤は 437-395) からの買い直し。一聴して帯域バランスがどっしりとしたピラミッド型になっており、分解能も上がって情報量もずっと多くなっている。高域もより伸びているが、きつさはかえって後退している。音質向上は明らかでもう旧盤には戻れない。ORIGINALS は硬い音も中にはあるが、まずまずか。演奏は若かりし頃の颯爽としたクーベリックが聴けるのが最大の魅力だ。バイエルン盤より見通しが良く、グイグイと突き進む若々しいシューマンが聴ける。もっと評価されても良い盤なのだが。爽やかでロマンティックなシューマンを聴きたい方にお勧めしたい。

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  • 7 people agree with this review
     2014/08/25

    バルビ協会による高音質リマスタリング盤。7番がハイ上がりでキンキンするのが残念だが、他は良好。7番は凄い気迫の熱演。8番は熱気をはらんで歌い抜く様が美しい名演。9番もスケールが大きく若々しい情熱のほとばしりを感じる。いずれもバルビ節全開で歌い抜くが、くどい感じはない。たたみかける時の迫力は後年の録音にはない魅力がある。やりたい放題のようでいて優美さや優雅さが同居しているところが、この時代のバルビローリの魅力である。

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     2014/08/24

    Decca Legends からの買い直し。音が伸びやかになって期待以上の音質になっていた。だがあのLPのふくよかで柔らかなホルンの響きは再現されていない。アナログの味をCDで再現するのは難しいからなぁ、この次に期待するとしようか。演奏については文句なし、全くすばらしいブルックナーだ。音もグラモフォンにいれた7&8番よりも好きだ。欠けている5,6,9番も含めて Decca に録音してもらいたかったなぁ、残念でならない。

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  • 10 people agree with this review
     2014/08/24

    まず、音が素晴らしく良くなっています。LP時代から音が良くないことで有名でしたが、さすがバルビ協会を名乗るだけのことはあります、メンツにかけて気合い十分の復刻をしたのでしょう。演奏はバルビ節全開の熱くたぎったもの。手兵を指揮したものだけに、やりたいことをやり尽くしたといった感があり、ひたすら濃厚に情熱的に歌い抜きます。元よりバルビローリはオケのアンサンブルには拘らず、ひたすら楽曲の表情付けに命を賭けた指揮者ですから、オケの精度を云々するのは筋違いと言うものです。ここまでひたむきに自らの信ずる道を突き進んだからこそ成し得た名演と言うべきです。みんな同じじゃ、つまらないじゃありませんか。クレンペラーもバルビローリもいたから良い時代だったんですよ。そうですよね?

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     2014/08/23

    何が凄いって、安っぽいセンチメンタリズムが全く感じられないことです。もちろん、クレンペラー、ケンペンなどもその点では同じなのですが、この演奏には巨大な戦艦か要塞のようなゴツさがあり、そのガチっとした構成力にはほとほと呆れ返ります。ティーンの頃に感傷的なメロディーからクラシックに嵌る切っ掛けを作ってくれたチャイコフスキーですが、聴き過ぎたせいか30前には甘ったるい演奏に身体が拒否反応を示すようになり、以来チャイコは硬派一本槍ですが、これは何度聴いても、もたれない、うんざりしない極めつけの演奏です。何と深く大きな、鉄壁の叙情に満ちていることか、媚びないということがどんなに崇高で気高いか、を証明してくれる究極の名演奏です。

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     2014/06/09

    確かに演奏は気合いが入っている立派なものだ。私見では板起こしではなくダビングを繰り返したテープ音源ではないかという気もする。確かにスクラッチはあるのだが、針音というより電気的ノイズのようにも聞こえるのだ。音像がぶよぶよに膨らんでいるのも板起こしらしくない。板起こしなら音が太く引き締まってくるからだ。板起こしのテープを更にダビングしたものが音源かもしれない。あるいはノイズリダクションのかけ過ぎか。とどのつまり、音質評価はこの手の物としても良いとは言えない。劣悪の一歩手前というところだ。聴き始めは音の悪さに腹が立つが、止めるまでには至らない。音楽に力があるため耳が聴こうとするからだ。10分も過ぎれば慣れてきて、想像力が音の悪さを補完してくれる。演奏は気迫のこもった名演だが、この年代の海賊盤に慣れたコレクターでないと厳しいかも、というのが結論です。

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     2014/05/23

    このコンビの8,9番の正規録音がないことが残念でたまらないが、このライヴ録音はその渇望を癒してくれる名演奏だ。まず録音が優秀なのがうれしい。大河のような雄大な流れ、巨大なスケール、ふくよかに歌う艶やかな弦の響きとそれを割って鳴り響く豪壮な金管群、ブルックナーに必要なものは全てある。この演奏はもっとさわがれてもいいと思うのだが、さほどでもないのはどうしてなのだろう。とにかくマタチッチとブルックナーの相性は抜群だ。素晴らしいですよ。

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  • 2 people agree with this review
     2014/05/21

    版の問題はあるが、これはやはりマタチッチの最大の遺産だと思う。実力の割に独墺の名門オケとの録音が少なかった彼がチェコフィルを振って残してくれた宝物だ。全集とは言わないまでも、せめて8番と9番だけでも残していてくれたらなぁ、と残念でならない。今時のかる〜いヘッポコ指揮者にこんなゴジラのような巨大なブルックナーが振れるわけがないのだから。こんな良い録音でこんなに豪壮なブルックナーが聴けるのだから、文句を言う気にはとてもなれない。

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