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0 people agree with this review 2017/12/24
Christopher Parker がバランスエンジニアを務めたブルックナーの交響曲第9番は例外的に音質が良いが、エンジニアがCarson Taylorになっている他の録音は総じて録音状態が悪い。ピーク時に音が飽和して混濁する場合が多いのだ。70年代初頭のEMIによるシカゴ録音によくあるパターンである。ブラームスの4番などはドロップアウトはあるし、やたらに歪っぽくて聞いていられない。より古いフィルハーモニアとの録音の方が安心して聞いていられる。このセット、音質に関してはゴミのような不出来な録音が多いのは残念。元が悪いからリマスターでもどうにもならなかったようだ。
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0 people agree with this review 2017/12/23
ナヌートさん80歳の時のスタジオ録音だそうだ。同時発売のシューマンに比べると録音状態、オーケストラの安定感、ともに上々。チャイコフスキーはあわてず騒がず、ゆったりとしたおおらかな音楽の運びが魅力。重厚感にも不足はないが、演奏の見通しがいいので過度に重苦しくなったり、深刻ぶったりはしない。表面的にはさらっと流した演奏のようでいて、ベテランならではの円熟味がそこかしこに聞こえるような録音といえようか。ムソルグスキーはライブ録音だそうだ。
3 people agree with this review 2017/12/23
ほとんど会場ノイズが聞こえないため、演奏が終わって拍手が聞こえるまでライブ録音とは気づかなかった。ナヌートさんは鷹揚でゆったりとした構えで音楽を運んでいる。ライブらしい高揚感はほとんど感じられないのだが、おおらかで細かいことは気にしない流れの良さは悪くない。ヨーロッパの地方都市で日常的に行われている普段着の演奏会の感触が楽しめる録音といえようか。作りすぎていない自然体の音楽がいい感じ。
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7 people agree with this review 2017/12/03
安いので購入してみたが、小編成のオケで演奏してみましたという程度の内容だった。きびきびしたテンポを選んでいるのは予想通りで、今時、この手の演奏は珍しくない。ピリオドスタイルを追求しているわけでもなく、中途半端としかいいようがない。2017年の時点で、わざわざこの全集を選ぶ理由は見つけられない。
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0 people agree with this review 2017/11/27
SACD化された音質は、国内盤初期CDで感じられたアナログ風の柔らかいふくよかなタッチではなく、OIBP盤のような煌びやかやさを強調した硬派なキャラだった。ペンタトーンから出始めたクーベリックのベートーヴェン交響曲SACD盤は他も同様の傾向があるので、ちょっとがっかり。これなら従来のCDで十分だ。リマスタリングを担当したエンジニアの好みに疑問を感じる。とはいえ、今後出るであろう他の録音も買いそろえるだろう。国内盤、輸入盤、タワーレコードから出たリマスター盤と、同じ音源を何種類も買ってきたが、クーベリックの貴重な遺産なので懲りずに買いましょう。
2 people agree with this review 2017/11/24
2つの協奏曲は鮮明なステレオ録音でミルシティンの全盛時代の美音が聞けます。特にゴルトマルクは得意にしていた曲なので切れ味鋭いスタイリッシュな演奏が圧巻。ブラームスも後年のヨッフムとのDG録音よりこちらの方がソロはシャープで鮮やか。オケの音質は年代相応ですがSACD化による改善は認められます。バッハのシャコンヌは途中までなのが残念なほどの名演。モノラル録音に電気的な広がりを付与していて、最近の録音かと思うほど鮮明で聞きやすい音質に仕上がっています。
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9 people agree with this review 2017/11/24
スピード感を強調した演奏だが、もうこの手の表現に新鮮味は感じられない。やりつくされた感があるからだ。いかに速く演奏出来るかを競うようなコンセプトはもはや時代遅れなのではなかろうか。バッハの時代にこんなせっかちな演奏を王侯貴族の前で披露していたとも思えない。軽業師じゃないのだから。演奏技術の高さは認めるが、速いがゆえの爽快感を除くと、ここには一体何が残るのだろうか。
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4 people agree with this review 2017/11/23
この指揮者にはフィリップスが収録したウィーン交響楽団との全集があり、音楽の推進力やホールの豊かな残響感などに関しては一番条件がいいと思う(ただし1960年代前半の録音のため、それなりの古さは感じる)。晩年に行ったロンドン・フィルとのセッション録音は、アビー・ロード・スタジオでのEMI収録によるためにのっぺりとした平板な印象を与え、演奏そのものも退屈に聞こえなくもないのに対して、N響とのライブ録音はNHK録音にしては上出来の部類で、分離も悪くなく奥行き感もあっていい感じに仕上がっている。しかし録音条件がいいだけにN響の非力さが目立つ結果になっているのは皮肉である。これが欧州の一流オケとのにライブ録音だったら、どんなによかっただろう。このCDでのN響の演奏は、文章に例えれば句読点が曖昧で尻切れ蜻蛉になりがちなしょぼさが散見されるのだ。思い切りの悪さというのか、万事中途半端で吹っ切れないもどかしさを感じてしまう。いつも、つまらなそーな顔で演奏をする団員がそろっているあのオケの体質が現れているといえようか。弦楽器はロンドンフィル並の上質感を出しているけれど、金管楽器は毎度のことながら弱体。プライドは一流、実力は二流というこのオケの70年代の実態が伝わるセットなので、過剰な期待は禁物である(現在のN響はもっと上手に演奏出来るだろう)。サバリッシュの解釈に関しては、結構粘るところもあって第2番終楽章の最後で金管楽器がファンファーレを吹くところとか、あざといタメの入れ方にへぇ〜と思ってしまった。若い時の録音とも、晩年の演奏とも異なる面を見せていて面白い。
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1 people agree with this review 2017/10/16
ついにCD化された「クラリネット協奏曲」は絶品。作曲者最晩年の名曲をこれほど陰影豊かに彫琢した演奏は、ちょっと他に思い当たらない。ソリストもオケも尻上りに感興が増し、終楽章では万華鏡のような刻々と表情を変える音楽に聞きほれてしまう。晩秋の青空の清澄、降り注ぐ日差しの温もり、木陰を吹き抜ける冷気、流れる雲、舞い散る紅葉。いろんな要素が交錯して足早に過ぎ去る季節の悲しみを紡いでゆく。玲瓏という言葉がふさわしい演奏で、さびしい晩秋を想わせるノスタルジックなモーツァルトがここにある。 1957年のモノーラル録音だが、ホールのアコースティックの優秀さに助けられ、鑑賞するのに何の支障もない。むしろモノーラルであるための凝縮感、解像度の低さがこの場合はメリットになっていて、セピア色の昔の写真を見るような懐かしさを醸し出している。クラリネットを吹くブラム・デ・ウィルデは、当時のコンセルトヘボウ管弦楽団の首席奏者ということ以外詳細は知らないが、フルートのバルワーザーやチェロのデ・マヒュラらとともに、名手として知られていたらしい。さすがに上手くて、しっとりと落ち着いた音色で深々と呼吸する音楽を奏でている。
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5 people agree with this review 2017/10/03
ミラノ盤の録音状態を「劣悪で、よほどの忍耐力がないと最後まで聴きとおすのがつらい音質であると言わざるを得ない」と書いている人がいるが、キングから発売されたミラノ盤のSACDとEMI(ワーナー)のローマ盤SACDの比較では、音質に関する評価は逆転すると指摘しておきたい。 ミラノ盤は放送局にオリジナルテープ(一部はアセテート盤)が残っていて、キングは日本に送られてきたコピーテープからSACDを作成した。一方、ローマ盤のオリジナルテープは早い段階で消去され、アセテート盤に保存された音源を再度テープに収録したものがCDやSACDの音源になっていることは周知の事実である。 EMIによるSACD化で、ローマ盤の団子状に固まっていたオーケストラの音は広がりと分離の良さを獲得し、いっそう生々しくなった歌声の背後で存在感を増してはいる。残響がほとんどないデッドな音場であることが、オーケストラの各楽器の音をクリアに伝えてくれている点は好感を持てるものの、板起こしであることの限界、全般にきめの細かさが不足し荒っぽい印象を与える音質である点と、ダイナミックレンジがやや狭く、ピークで頭打ちになり混濁が強まる傾向が目立つ点は否定できない。 ミラノ盤ではそうした頭打ちを意識することなく聞きとおせるし、適度な残響感と滑らかさを持つ音質の豊麗さにおいてはローマ盤を凌駕している。歌劇場でのライブ録音であるミラノ盤と、スタジオ収録のローマ盤では収録ポリシーが異なるので簡単に優劣を論じることは出来ないが、SACD盤による両者の比較では、ミラノ盤の音質が劣悪であるというコメントは誤報の類であると注記しておきたい。いずれも安くはない買い物だが、SACDのセットを両方買っても後悔はしないだろう。
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1 people agree with this review 2017/10/02
リマスターの具合が気になるので「新世界」と「モルダウ」を、2003年頃にフィリップスから出た96KHZ/24bitスーパーデジタルトランスファー盤(国内盤)と聞き比べた。音質は14年前のCDとほぼ同水準で、あまり向上していないようである。ただし、フィリップス盤にあった奥行きのある広い音場感が若干弱まり、よりオン気味のマイクセッティングで録音されたような近接音主体の音作りに変わった印象を受けた。1958年のステレオ録音なので、それなりの限界は感じるが、もやもや感を減らし、細部の明晰さをより重視したリマスタリングが行われたのだろう。フィリップスではなくデッカ好みの音に近づける方向で改変されたともいえる。いずれにせよ、アンチェルのウィーン録音が、聞きやすい音質でまとまって再発売されたことは歓迎したい。
1 people agree with this review 2017/09/29
モダンオケによるバロック演奏である。かなり昔の録音だが、中庸の美徳といえようか、今聞いてもまったく古臭さがなく、納得出来る演奏である。変な癖がなくストレートに「四季」の魅力を堪能出来るのである。艶やかな美音を滴らせる弦楽合奏はたいそう魅力的で、ソロもうまい。録音状態も最近の録音といっても通用する鮮度を保っている。恰幅の良さは同様の編成で録音されたカラヤン/ベルリンフィル盤といい勝負で、往年のオーマンディの名声にふさわしい好録音といえよう。
オリジナルではなくフランスの放送局に提供されたコピーテープからのCD化だそうだ。1960年の放送録音としては可もなく不可もなしといった水準。往年のウィーンフィルの優美な音色を聞き取ることが出来る。
0 people agree with this review 2017/09/29
モノーラル録音としては良好な音質の部類だろう。弦の音が柔らかく、ピアノの音も鮮明にとれている。ベートーヴェンの方がいくらか録音状態がいいような印象を受けたが、いずれの曲も鑑賞に何ら支障がない水準の音質といえる。
2 people agree with this review 2017/09/29
演奏内容も録音状態もすべてが地味でありきたりの水準。素直に演奏しているので悪いところがあるわけではないが、わざわざこの録音を選ぶ理由が見つからない。指揮者もそつがなく、堅実に振っているけれど、それだけ。これといった光るものを感じさせないゆえ中途半端の印象を受けた。
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