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0 people agree with this review 2023/12/29
スクロヴァチェフスキの没後にリリースされた読響との録音群に関しては、レビューの数も少なく、どうも認知度が低い印象があります。ザールブリュッケンなど過去録音とのレパートリー重複、価格の高さなどで手を出しあぐねた人が多かったのだろうと思います。当方もこのシューマンは2023年末に初めて聴いたのですが、非常な名演で驚かされました。◆ザールブリュッケン盤とはまったく別世界、過去のどのシューマン演奏よりもマッシブで生命力に溢れた演奏です。4番以外はテンポもかなり速め。凄まじい推進力で一気に聴かせます。この指揮者特有の硬質感がありながらも、音楽が乾いた感じにならず、濃密な情感もたたえているのも素晴らしいです。録音は、近年のDENON録音らしい近接マイク傾向で、明晰、明快な音。◆個人的に、シューマンの交響曲全集では、この盤とオラモ/ロイヤル・ストックホルム・フィルがツートップとなっています。スクロヴァチェフスキ/読響の録音はいずれも高水準ですが、これは特にお薦めの1組です。
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1 people agree with this review 2021/03/05
言わずとしれたクラシック音楽録音における聖典、カザルスの無伴奏。最近、久々にこの演奏を聴いてみて感じるのは、とにかく「ナチュラル」で「無垢」な音楽であること。あえて今風な(YouTuberあたりが使いそうな)文言で表すなら「バッハのチェロ曲見つけたから弾いてみたらめっさ楽しいんだけど」とでもいった感じ。自身が発掘した音楽を、他の演奏家や批評家などからの影響に一切煩わされずに演奏する、その自由さ、新鮮な気持ちが音楽から溢れているように思えます。歴史的名演として祭り上げられすぎたが故か、その反動として過去の遺物と断ずる意見も一方であったりしますが(私も一時期避けていた)、もっと気楽に聴かれていい録音であるように思います。
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1 people agree with this review 2021/02/27
ベートーヴェンが印象深いです。透明なテクスチャーはピリオドの影響を感じさせるものの、あっけらかんと気持ちよくオーケストラを鳴らしきっており、現代楽器オケならではの音響的快感が実に心地よいです。全集が完成しなかったのが残念。ロマン派的演奏、新古典主義的演奏、ピリオド・アプローチ、様々なスタイルが生まれてきた中で、それらのいいとこ取りを器用にやっている演奏というのが近年増えてきているように思いますが(ベートーヴェンにおいては、ホーネック、トレヴィーノ等)、その潮流の最初期に属するのがこの演奏だったのではないか、と勝手に再評価させてもらっています。ドヴォルザーク、R.シュトラウスなども透明感が際立つ好演。
0 people agree with this review 2020/11/27
現代楽器を使用しているものの、基本的にはノン・ビブラートでの演奏。といっても古楽風の切れ味鋭いスタイルとは一線を画しており、とにかく汚い音は一切出さず、ひたすらに透明感だけを追求したかのような演奏です。柔らかな光を発しながらふんわりと浮遊するような、何とも言えない独特の感触があります。◆その代わりに、音楽の推進力や、いわゆる内面性といったもの、さらにはメリハリを付けることによる音響的立体感といったものはすべて犠牲にしている感があり、個人的にはその点に物足りなさを覚えます。◆私は弦楽器演奏に関しては全く無経験なので分かりませんが、こういう演奏、ヴァイオリニストの方は一度は夢見る演奏だったりするのかもしれません。とにかく、自身の美的感覚を貫き、技術を磨き上げ、完全にやりきった演奏であるのは確かだと思います。興味がある方は、まずはサブスクで試聴するだけでも。◆録音は、残響をほどほどに抑えた(バッハの無伴奏録音でたまにある、教会録音的な長い残響音ではない)、高解像度の優秀録音。こういう演奏は装置もそれなりに仕上がっているもので聴くべきでしょうね。
1 people agree with this review 2020/09/03
老境に入ってアクの抜けた部分と、本来のカラヤンらしいケレン味の両方がウェルバランスで両立されていて、実に魅力的な演奏だと思います。私はカラヤンのブルックナーも、ショルティやハイティンク、あるいはドホナーニやアーノンクールのブルックナーも好きです。ヴァントの演奏も(当時過剰に持ち上げられた部分はなしとしないが、それは巨匠ではありがちなこと)変わらず好きです。「個々の好み」というごく当たり前な結論でしかありません。「古き良き」などと称している割に、暇さえあれば特定演奏家を貶して回り、評論家に惑わされない自分は優秀だ、とアピールすることに異様に執心する、みっともない人生の終わりは送りたくないものです。ここでは、定期的に香ばしい御仁が湧いては旅立っていきますなあ。
2 people agree with this review 2019/10/09
この2枚組、「主要オペラ10作品ライヴ録音全集から、序曲と前奏曲、管弦楽曲を抜粋した」という商品説明から、廉価オムニバス盤などで時々ある、演奏会用の終結部を用いていない、適当な切り貼り盤なのではないか、「マイスタージンガー」第1幕前奏曲や「ローエングリン」第3幕前奏曲がフェードアウトで終わるのでは?という疑念を持っていましたが、実際にはそのようなことはありませんでした。ちゃんと一般的な演奏会用終結部が用いられています。◆全曲盤用の収録をすると同時に、パッチ・セッションやゲネプロなどの際に別途当該部分だけを収録して、うまく編集したのでしょう。「指環」からの楽曲も歌手抜きになっていて、アルバム内に人声は一切入っていません。◆演奏は、各全曲盤の評価の高さからも分かる通り、ヤノフスキ特有の淀みない音楽の流れと明快な響きが特徴的。オケの性質もあってか、ドイツ的な渋さや逞しい生命感も感じさせ、この種の「ワーグナー管弦楽曲集」の新しいスタンダードと言えるものになっていると思います。録音ももちろん優秀です。
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6 people agree with this review 2019/09/03
ピリオド奏法に理解を示しつつも、あくまで自分たちは現代奏法で行くのだ、と決めた指揮者とオケによる演奏、という風情の全集。◆ヴァイオリン両翼配置、透明なテクスチュア、やや軽めの音で強打されるティンパニ、といったところはいかにも今風な演奏ではあります。が、そうした演奏にありがちな、コミカル感、小味感のようなものがなく、それに代わって、昔からのヒロイックなベートーヴェン像がしっかりと顕現しているのが、この全集の魅力であるように思います。◆ロマン派的な情感とピリオド的な(ないし新古典主義的な)透明感の両立というのは、大概はどちらかに傾きがちで、バランスを維持するのは困難であるように思われるのですが、サラステ/WDR響はかなり高次元でそれに成功している、と感じます。◆個々のベートーヴェン観がバラけ過ぎている現代において、個人の感覚で語ることがどれだけ有効か分かりませんが、自分にとっては「とても塩梅のいい、かゆいところに手が届く演奏」になっています。ヒロイズム、ロマンティシズムを維持しつつ、ピリオド的なシャープさを加えた現代オケの音響的快感も同時に満喫できる、手応えのある一組になりました。あえて懐古的な言葉を重ねるなら「久々に奇数番が素晴らしい全集」という気もします。◆オケ、録音も優秀。良い意味でドイツ的な渋さがあり、これも上述した「昔からのヒロイックなベートーヴェン像」を想起させる一助になっています。
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12 people agree with this review 2019/07/15
まず先にオーディオ的な観点から。プロムスのライブを含め全曲でトニー・フォークナーがバランス・エンジニアを務めています。録音会場も、アビー・ロード・スタジオは使わずにホールと教会だけを使用、プロムス以外はセッション録音。20世紀末、テルデック・レーベル末期の良い仕事が凝縮されている一組といえます。◆演奏の方は良い意味で英国のオーソドキシー。英国音楽ではよくある「地味だけれど味わいのある楽節」を素通りしたりすることなく、丁寧に音化してくれていて、安心して身を任せられます。バルビローリの情念やボールトの立派さが恋しくなる瞬間もなくはないですが、録音の良さも含めたリファレンスとしての安心感が大きいです。◆アンドルー・デイヴィスは現在もシャンドスを中心に精力的な録音活動をしており、再録音でより成熟した音楽を聴かせているものもありますが、録音を含めた統一感とコストパフォマンスで、これも価値のあるセットだと思います。
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1 people agree with this review 2019/06/17
もしカラヤンそっくりな演奏をしたら「確かに黄金期のあの音がする、だがそれでいいのか」などと言われるのでしょうし、アバドのようなストレート路線でやったら「無個性だ」と言われ、ラトルのような仕掛けの多い演奏をすれば「前任者と変わらない」と言われるのでしょう。◆結局ペトレンコが選んだのは、オケの機能性(ただし20世紀ではなく現在の基準のそれ)を前に出しつつ、わずかにオルタナティブな色付けを加える、という方向性だった、と感じました。◆全体としては、ひとつひとつのフレーズ、声部が几帳面過ぎるくらいに克明に刻み込まれるような演奏で、どことなく壮年期のジュリーニを思い出しました(振っているオケのキャラはだいぶ違いますが)。◆変わった仕掛けはさほどしていないものの、第1楽章第2主題の甘美な入りの部分、溜めて歌わせるかと思いきやサラッと流すなど、ところどころで独自の解釈がみられます。◆こういうオルタナティブ路線を挟み込むことで、「ノスタルジーに凝り固まった耳で我々の演奏を聴かないでいただきたい」というメッセージを(ラトルに引き続き)発しているように感じられるのは私の思い込みが過ぎるでしょうか。◆長々書きましたが、骨太で安心感があり、適度に華麗で普通に楽しめる演奏でした。ルネ・メラーによる録音も、以前に比べてだいぶ良くなったように思います。
2 people agree with this review 2019/05/10
今更ではありますが、シフのフォルテピアノ演奏への本気度、造詣の深さを改めて実感する1組でした。リュートを思わせるようなアルペジオを、バロックではなくシューベルトで使う果敢さ(前例皆無というわけではないのでしょうが)には驚かされますが、ここぞという箇所にうまく使うため、そのたびに目から鱗が落ちる思いです。楽器自体も新し目のメカニズムではない、本当に朴訥とした音しか出ないものを使っているのに、この表現の幅。インティメイトな雰囲気と深淵の共存。録音も見事。前作とあわせてエポックメイキングな1組と言って差し支えないでしょう。1ヶ月以上咲かぬヒヤシンス、散ったのであれば良い引き際、真の意味で散ったならこれまた僥倖。あなたも如何(苦笑)
4 people agree with this review 2019/02/26
コンセルトヘボウ盤と同時期の収録だけあってコンセプトは共通。どちらかといえば柔らかめで威圧感のない演奏といえると思います。ただ、オケの特質や音質などでこちらの方がブルックナーの録音としてスタンダード感はあるように思います。トゥッティでの響きの厚さと透明感の両立など、多くの人が聴き慣れているであろうブルックナー録音の公約数に近い音といえるのではないでしょうか。テンポは概ね標準的。それにしても、ブルックナーの録音を見るたびに「スコアを見れば世の大半の演奏が遅すぎることがわかる」「ブルックナーの音楽に宇宙だの自然だのは無い」などと繰り返し、実は当人の方がとてつもなく安っぽい主観にとらわれていることに気付いていない、愚かしい聴き手にはなりたくないものです。どれだけ自分が世間から嘲笑の対象になっているかお気づきでないのでしょうかね。あなたも如何(笑
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10 people agree with this review 2018/07/06
おそらく古楽器オケによるベートーヴェンの中では一番穏健で美麗な演奏と思います。ありがちな金管と打楽器の過剰な強調がなく、テンポ設定も現代楽器の伝統的なものに近く、緩徐楽章もせかせかした感じを与えません。◆と書くと「それって面白いの?」と思われるかもしれませんが、これが実に楽しい演奏で、とにかく音が透明でカラフル、安っぽい形容で恐縮ですが、まるで虹のようなベートーヴェン。聴いていて心が弾んできます。◆派手なギミックを仕込んでいないにも関わらず、こうして正攻法で独自の音世界を築き上げるというのはなかなかできることではないと思います。◆このコンビはかつてインマゼールとピアノ協奏曲全集を録音していますが、あの頃より表現も技術も圧倒的に洗練されており、ほとんど別団体と言っていい高みに達しています。◆これは古楽器ないし現代楽器のピリオド奏法のベートーヴェンを聴き慣れている人にも、そうでない人にもぜひ耳にしていただきたい逸品です。少なくともこれを聴かずして古楽器のベートーヴェン演奏を語るべきではないと思います。録音も自然で秀逸。
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2 people agree with this review 2018/04/04
旧東独の指揮者によるオーソドックスな演奏、と言われると「地味で凡庸な演奏じゃないの?」という先入観を持ってしまいがちですが、この「エロイカ」はかなり良いです。ヘルビヒは恰幅の良さと剛直さをもともと芸風として持っており、それがこの曲にはぴったり。才気や劇性は感じさせませんが、そんなものはもとより不要、といいたくなる風格を感じさせてくれます。あまり他の指揮者と比較するのは好きではないですが、旧東独オケの「エロイカ」の中では、ブロムシュテット、スウィトナー、コンヴィチュニーよりも自分にはしっくりきました。音質も、アナログ末期の安定した音で、リマスターで変な悪さもされていないのが良かったです。
2 people agree with this review 2018/02/01
以前のレビュアーさんたちの書かれている通りの演奏で、テンポや管弦バランス等が独特でありながら、同傾向に分類される(であろう)シューリヒトやレーグナーよりも自然な感触があります。ただ、さすがにライブ一発録りの限界で、細かい箇所にアラがみられます。無論、1980年代の都響としては大健闘に違いないのですが、他のセッション録音や編集済みライブを聴き慣れていると、「惜しい」と思ってしまう箇所があるのは確か。特に終楽章終結の音響的カタルシスが薄いのが個人的には厳しかったです。とはいえ、それでも星5つを献上したくなる魅力はあり(特に第2楽章)、リアルタイムでマークを聴いていた方、この曲のファンの方には十分にお薦めできます。音質も良好で、「失敗したときのNHK録音」のようなボヤケ感とは無縁なのは嬉しいところです。
4 people agree with this review 2017/12/03
オケの改変が結構あり、第1番第1楽章、第5番第3楽章のシンバルなどは驚かされます。が、シベリウスの音楽を壊すところまでは行っておらず、演奏全体がシベリウスの音世界をきっちり具現化しているので、感銘の度合いは大きいです。どの曲も優れた演奏と思いますが、第2番の新録音はオーマンディとしてもかなり燃えた演奏で、聴いていて熱くなります。◆以下、以前の国内盤ライナーに載っていた話ですが、第3、6番は、オーマンディ本人が「私には理解できない」として演奏しなかったとのこと。彼とフィラデルフィア管の芸風にはぴったりな気がするのですが。◆また、指揮者とオーケストラのメンバーは作曲者と対面しています。オーマンディがアイノラのシベリウス邸を訪れた際、楽団員たちは寒い中、外で待っていたとのこと。オーマンディがシャイな作曲家を説得して窓から2人で顔を出している写真は旧ジャケット等で目にできますね。指揮者のみならずオケ全体も作曲家に対する尊敬の念を持っていたからこその名演、といえるのではないかと思います。◆これが気に入った方は、ワーナー(旧EMI)から出ている「4つの伝説曲」もぜひ。
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