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Review List of eroicka 

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     2012/10/08

    フレデリック・ストック、デジレ・デフォー、アルトゥール・ロジンスキーというシカゴ交響楽団の往年の名指揮者3人の演奏を収めたアルバム。聞き物はロジンスキのメンデルスゾーンのスコットランド交響曲で、彼らしく早いテンポでたたみかける鋭角的な表現の中に、曲が進むにつれ熱いロマン性がにじみ出てくるところが興味深い。第3〜4楽章を聴けば、彼が単なる即物主義の権化ではなかったことが分かろうものだ。ロジンスキ以外の2人は現代では忘れ去られつつなるばかりだが、ストックの曲想に合った明るいロマン性、デフォーの渋い端正さも印象に残る。こういう地味な「赤盤」をカタログに残し続けるメーカーの努力に敬意を表したい。

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     2012/10/06

    小澤征爾のボストン時代を代表する名盤の一つ。颯爽とした若さとしなやかさ、音に対する感性が現れた名演奏。80年代後半にデジタル録音でフィリップスに再収録しており、それは自信を深めた堂々とした演奏になっているが、「花の章」が収録されていることも含めて、青春の残り香が感じられるこのDG録音に軍配が上がる。CD時代も廉価版で何度も出ていたが、時々、古LP店で見かけるオリジナルジャケットの趣味のよさに懐かしさを覚える。このシリーズを購入しているファンはおそらく40代以上で、音質改善だけでなく、懐かしいジャケットに惹かれているのではと思う。

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     2012/10/06

    スペイン交響曲やロンドカプリチオーソ、詩曲などティボーの面目躍如のレパートリーがぎっしり詰まった1枚。いずれも30年代から40年代のセッション録音や放送録音で、初CD化というロンカプ以外は良く知られた音源だが、自在闊達というか草書体というか、ティボー節というべき独特の提琴の歌と響きが堪能できる。勿論、テクニックや正確さ、楽譜への忠実度のみで音楽を聴く向きには論外なアナクロにしか映らないであろう代物だが、一度はまると媚薬のような弦の悦楽に耽ることができる。スペイン交響曲は1951年のライヴ盤もTAHRAから出ており、味わいはそちらの方が濃厚であるが、広く聴かれるならやはりこちらに軍配が上がるだろう。こういう往年の名盤は昨今、歯が抜けるようにカタログから消えているが、いわば世界遺産や重要文化財のようなもので、CDや配信などの様々なメディアで、後世の人間がアクセスできる仕組みを確立してもらいたいものだ。

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     2012/09/29

    シューマンはNYPとの旧録音や79年の来日公演を洗練させた名演奏。この指揮者らしい破棄や情熱とシューマンの躁鬱の激しい音楽を、黄金の響きでマイルドに磨き上げている。NYPやCOA、BRSO、IPOではこの味は出なかっただろう。マイスキーやフランツとのコンチェルトは、一層激しい情念の渦巻く演奏だ。個人的には、IPOの弦の美しさが際立つ重厚でロマン的なメンデルスゾーンの3番4番が最も好みなのだが、それに比して、シューベルトは少しあっさりした印象を受ける。できればシューベルトやメンデルスゾーンもウィーンフィルと録音してもらいたかったが、当時の一連のDGの録音は、ほとんどがマエストロのスケジュールに沿ってライヴ録音しただけに仕方ないのだろう。シューベルトの5番やメンデルスゾーン5番や「フィンガルの洞窟」はこのセットでしか入手できないはずで、その意味からも貴重なBOXだ。

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     2012/09/23

    イヴ・ナットの主要録音がほとんど網羅されたセット。戦前のあらえびす氏の「名曲決定盤」に名前が出ているとおり、日本でもナットの評価はすでに高く、戦前から日本のピアノ界にも井口基成氏をはじめとするナットの薫陶を受けた演奏家や教師が育ち、日本楽壇にも少なからぬ影響を与えた人物だ。知的なピアニズムといっても、ギーゼキングやバックハウスのような玲瓏さや峻厳さではない親しみやすさをもち、フランス風といってもカサドシュのような感覚美やエスプリよりは思索的な知性を感じさせる。以前から主要レパートリーであるシューマンやベートーヴェンのBOXは持っていたが、珍しいショパンも収められている。節度と端正な造形の中に薫る詩情、洒脱さ、洗練さがこの名匠の持ち味で、晩年のベートーヴェンのソナタは勿論、得意のシューマンの滋味豊かさは、不朽の名作だ。

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     2012/08/29

    ヌヴーの畢生の名演、というより、ブラームスのヴァイオリン協奏曲のベストレコードのひとつに君臨する名盤だ。星6つでも7つでもつけたいほどだ。この曲をヌヴーは特に気に入っていたようで、ドヴロヴェンとのセッション録音をはじめ、この1947年5月のライヴ、1949年のドラティ、デゾルミエールとのライヴと、たった3年ほどで4種類の録音があるが、最も燃えている演奏がこれだ。ヌヴーの大胆なテンポと細かい表情付け、音色の変化を聴いていると、その1年5ヶ月後に彼女を襲った不慮の死の影を感じ、目頭が熱くなるのを禁じえない。早すぎる死を予感するかのごとく、青春の煌きを輝かせ、激しくエネルギーを燃やす。もはや彼女はシャーマンと化したのように音楽の神が光臨したか、ブラームスの霊が憑依したかのような没入ぶりで、その集中力は類を見ない。不謹慎な言い方だが、これでは仮に事故で亡くならなかったとしても、いずれ心身とも燃え尽きて引退したかもと思われるほどのテンションの高さだ。比較的表現が近いのはチョンキョンファぐらいで、オイストラフやミルシテイン、ハイフェッツ、クレーメル、シゲテイ、クライスラー、パールマン、ズーカーマン、コーガン、ムローヴア、ハーンら古今東西の名手の名盤は数多くありそれぞれ魅力を放っているが、このヌヴーのハンブルクライヴの熱さと没入はとりわけ類のないものだ。この名演の立役者はシュミット=イッセルシュテットで、奔放なソロへの伴奏者にとどまらず、重厚な響きとロマン的な表現で真剣にぶつかり合うとともに、違和感なく包み込んでいる。Deccaのベートーヴェンのようなセッション録音での上品で端正なイメージとは別の姿を見せている。この演奏は、25年ほど前の昔、フィリップスから出て話題になったが、その後、10年前〜最近までAcantaレーベルなどいくつかのレーベルから出ており、高音質復刻を競い合っていたが、腹立たしいことにその後、廃盤になり、最近はカタログに存在しなかったようなので、復活はまことにありがたい。以前のAcanta盤と同じ音であれば、少しステレオプレゼンスが加味され、広がり感があるように音が加工されてはいるが、1948年のライヴとしては聴きやすい音質のはずだ。

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     2012/08/27

    野太く渋いホルン、甘い香りのオーボエ、香気を放ち輝く管楽器、いぶし銀の低弦…。ワインガルトナーやフルトヴェングラー時代からのウィーンフィルの黄金のサウンドがそのままこの演奏に受け継がれている。この録音の少し前に、ショルティが強引にウィーンフィルをねじふせたと評される側面はあるが、「指輪」同様、必ずしもウィーン流は尊重されていなくとも、独特のサウンドは剛毅なショルティの演奏に独特の華やぎ、色香を与え、独特の魅力を放っている。剛と柔の調和の妙には、時に52年のフルヴェンのセッション録音を思い出す瞬間がある。この前後にモントゥ(彼はさらにその数年後にもコンセルトヘボウと同じ曲を録音した)やイッセルシュテットらもウィーンフィルでエロイカをdeccaで名録音をのこしており、いずれもウィーンフィルの薫り高さを残す最高級の名盤には違いないが、ショルティほど後世に強いインパクトを与えるものではない。少なくともシカゴ交響楽団との2回の全集に含まれた演奏よりは圧倒的にウィーン盤のほうが面白い。昔は廉価版の定番でカタログからあまり消えることがなかったのだが、ユニヴァーサルが合併で肥大化した悪弊なのか、フィリップス系やdecca系の多くの音源が廃盤の憂き目にあっている。ここに限らず大手レコード会社のクラシック部門の担当者たちは自社の音源をまともに聴いたことがあるのだろうか。それとも音楽不感症なのか。毎度、怒りを禁じえない。SACDでの復活でさぞいい音に仕上がっていると思われるが、1枚4500円は厳しい。CDでは現在廃盤になっている模様だが、古楽系に多い玉石混交の巷に溢れる凡百のガラクタ演奏の新録音を廃盤にさせてでも、ミッドプライス以下の価格で早く復活させてほしい。

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     2012/08/27

    弦も金管も例によってピリオド奏法で、内声部や対旋律を強調して、時に刺激的に響きすぎるときもあるが、速めのテンポで疾駆する中、アーノンクールの細かな指示に俊敏に対応するオケの優秀さには感心する。イタリアよりもスコットランドの方がしっくり来る。音質は文句なく良い。

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     2012/08/26

    ウイーンでのライヴの名場面集で、ナイチンゲールレーベルで本人サイドが発売した一連のライヴ盤より一層素晴らしい出来栄えのものばかりだ。ルチアは、10年以上前にMYTOレーベルでFMエアチェックか関係者横流しと思われるCDが販売されており入手、シャモニーのリンダとナクソス島のアリアドネも2000年秋のウィーン国立歌劇場来日公演で実演に触れているので、グルベローヴァの実演の凄味は十分承知しているつもりだが、こうして数々の隠れた名演のサワリだけ聴かされていくと、まったくまるで生殺し状態になってしまう。どうしてもすべて全曲で発売してほしいと禁断症状のような渇きが心の奥底から湧き上がる。特に全曲発売を願うものとしては78年のルチアや79年の後宮、90年のトラヴィアータ、95年のアリアドネだ。とりわけ先に述べた78年3月のルチアは、ベルカントオペラの第一人者としてのグルベローヴァの名声を確実にさせた公演であり、このCDにあの神々しいほどの「狂乱の場」だけでも収録されていないのが残念だ。(パタネのドラマティックな指揮にP.ドヴォルスキーの熱唱も特筆すべきだ。)先に触れたMYTOのCDを聴いた夜はあまりの興奮に眠れなくなったほどだが、Orfeoが78年のルチアの全曲盤を至急発売することにより、この感動をもっと広くファンに共有させるべきだと思う。正規ライセンス音源で発売されれば、いずれもそのオペラの決定盤となりうる音源ばかりだけに、OrfeoをはじめとするメーカーにはCD化を強く願いたい。

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     2012/08/20

    このセットの目玉はリパッティとアンセルメ指揮スイスロマンドによるシューマンの協奏曲だ。1950年のライヴで芸風の異なるアンセルメとの共演だが、有名なカラヤンとのライヴとまた違った魅力を感じさせる名演だ。昔、Deccaから廉価盤で出ていたが、最近10年ほど市場で見なくなっていた。引越しでどこかにしまいこんでしなったのか、最近聴きたいと思っていたのに中古店で見かけることすら少なくなり果たせなかったのだが、うれしい復活だ。小生はこれ1枚ほしさにこのかさばるセットを買ったといっても過言ではない。50枚中まだ三分の一も聴いていないが、SP時代からステレオ黎明期の有名なヒストリカル音源が中心で、その隙間にアンドレーエやフレイザーなど渋い演奏家の新しい音源が織り込まれている。ヒストリカルマニアにとっては、大半は聴いたことがある音源だろうが、メニューヒンが弾いたメンデルスゾーンのもうひとつの無名な協奏曲の1952年の録音など比較的珍しいものも入っている。50枚で2、3000円台とはかなりお買い得感はある。

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     2012/08/20

    NYPを率いていたミトロプーロスとベルリン・フィルの珍しい共演。彼のライヴらしい緩急自在な激しい演奏を繰り広げている。いつものアメリカオケと違い渋く重々しいオケの音色が悲劇的な雰囲気を加速させている。彼はマーラー、プロコフィエフやショスタコーヴィチなどの解釈者もしくは優れたオペラ指揮者として知られているが、メンデルスゾーンやシューマン、ブラームス、フランクの録音もセッションやライヴで多数残しており、10年近く前ギリシャのレーベルがNYPのライヴを大量に発売していたし、CBSが録音していたショスタコ10番や幻想交響曲などあったが、今はその多くが廃盤になっている。ファンとして何らかの形で再び市場に出してほしいと強く願う。

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     2012/08/20

    いずれも昔、イタリア系のマイナー(海賊版)レーベルから出ていたもので、マニアには知られた音源だ。48年の公演はナクソスからもライセンス音源がてているはず。いずれも10年ほど前、オペラにはまっていた頃に入手して聴いたのだが、オールドメトで一世を風靡した声も容姿もチャーミングなビドゥ・サヤンのタイトルロールを楽しむにはうってつけだ。勿論、現代の基準では古臭い部分もあろう。40年の演奏はジュゼッペ・デ・ルカが聴ける意味は大きいが、音も演奏もトータルでは48年が優る。48年の公演の成功は若きタリアヴィーニのリリカルな歌と声の存在が大きい。若くて青臭い青年の素直さにあふれた役作りだ。余談だが、タリアヴィーニは約10年後の59年に東京のイタリア歌劇団公演「愛の妙薬」で日本の楽壇に鮮烈な衝撃を残した。そのことを記憶する年配のファンも多いだろう。この当時のメトに登場した指揮者は概ねテンポが速めではあるが、歌を重視しながら自然にドラマを盛り上げていく優れた職人芸を持っており、このアントニチエリもその例に漏れない。このレーベルは復刻技術に定評があり、やや値は張るが、こうした貴重な音源を残し続ける姿勢は偉い。

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     2012/08/07

    1967年のEMIによるセッション録音。煽ることなく遅めのインテンポで整然と悠然と進む。表現の剛直さや構成力、あるいは情熱や躍動感というものは薄いが、品の良さと節度ある表現はこの巨匠の晩年らしい味だ。30年以上前のLP時代末期に、1300円の廉価盤で出ていたし、イタリアの海賊盤CDで、マーラーのライヴとカップリングされて発売されていたため、聴いたことのあるファンも少なくないはずだ。67年前後にウィーンフィルと録音したブラームスの4曲の交響曲に比べると、この英雄はオーケストラの技や響きの魅力の差が大きく、やはり印象が薄いが、お蔵入りになるのはあまりにもったいない。バルビローリ協会ではなく、本家EMIこそ、この巨匠の録音の数々を市場に出し続けるべきではないのか。

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     2012/07/28

    演奏は70年代最高の指揮者や出演者によるもので、生のライヴの舞台でなければ、文句のつけようがない。他の評者のご指摘どおり、ウィーン国立歌劇場の「ナクソス島のアリアドネ」の演出は70年代後半から長らく変わっていないようだ。2000年秋のウィーン国立歌劇場来日公演(最後の来日となったシノーポリが指揮)でも、この映像と同じ舞台・衣装だった。意味不明で不快になるような前衛的演出の舞台よりは、こちらの方が好ましいが、30年以上同じなのもねえ。

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     2012/07/08

    この舞台は昔、BSで録画しながら見て、あまりにメチャクチャなので笑い呆れたのを覚えている。オペラ演出の名を借りたノイエンフェルスの現代演劇作品だ。右傾化する欧州を皮肉ったものだが、筋は勿論音楽も手をいれ、これをヨハン・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」として上演するなら、換骨奪胎を通り越し、もはや悪質な改竄としか言いようがない。視覚的に舞台上で何が起ころうと耳で聞いているだけではどこを変えたか分からないようにするのがオペラ演出の節度だと思う。コンヴィチュニーあたりにもその節度はある。この作品はむしろ、シュトラウスの音楽と無関係に筋も人物も作り変え、演劇専用の小劇場で上演すべきものだ。無論、こうした鑑賞者の様々な反応もまた、彼らの芸術の意図のうちなのだろうが、我々保守的愛好者には不快でしかない。特に欧州で鑑賞している人には支持者も多く、意見は割れようが、ここまで前衛的過ぎると、オペラ演出とは何かという問題を考えさせられる。これで頭が悪いだの頭が固いだの批難されても、その難詰は甘んじて受けよう。返す言葉で衒学者と罵倒させていただくだけである。オペラと演出のあり方を考える意味では一度観ても損はない映像だとはいえる。

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