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Review List of またたび度々 

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     2011/06/26

    いわゆるB5版サイズ。全音なので菊4版を期待した人は、見事に期待を裏切られる。価格面で見ると日楽(サイズも同じB5版)が有利である。楽曲解説はどちらともキーワードとなる主題を譜例としてあげて、そこに説明を加えて肉厚にしている感じで大差はない。音符の印刷は日楽の方が黒くはっきりしていて、最後の部分のように、声部が混み合う部分では有利かも知れない。最近の傾向として各社ともポケットスコアはB5版への巨大化が進められているが、そのために余白だけが増えるのは時代の流れにも逆行することなので、本当に考えて欲しいところ。確かに後期ロマン派や印象主義派の長大編成の曲には、巨大化しないと苦しい点があるのも事実なのだが。

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     2011/06/26

    ドヴォ・コンはバーンスタイン晩年の録音で非常にテンポが遅い。この遅いテンポが本演奏に独自の雰囲気を与えている。退廃的とでも言うか、なんというか。マエスキーは本曲を後にBPOと再録音しているから、この演奏はバーンスタイン主動の演奏にマエスキーが合わせたと解釈しても良いかもしれない。エルガーのチェロ協奏曲は悲劇的で、退廃的な内容の曲なので両曲のピックアップは決してアンバランスな組合せではないと思う。シノーポリのエルガーはプレヴィンやハイティンクなどと比べるとユーモア性が欠く感は否めず、その点が惜しまれるが、最後の部分が突進しないのが良い。ドヴォ・コンはバーンスタインらしく最後には猛突進して曲を閉じる点は、少し大げさな表現と感じるかもしれない。ドヴォ・コンはテル・アヴィブでのライブ録音だが、第3楽章で響きがデットになる部分がある。SHM-CD化でこうした部分が良い方に変化することを期待したい。

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     2011/06/26

    グラズノフは、8つの交響曲やヴァイオリン協奏曲、サックスフォーン協奏曲で知られるが、弦楽四重奏も7曲残している。ショスタコーヴィッチには及ばないもののチャイコフスキーの数を上回っている。M&DGレーベルで進行中の弦楽四重奏録音シリーズもいよいよ佳境に入ってきた。弦楽四重奏曲は濃厚で全体が湿っぽい感じの後期ロマン派形式と言えるような作品。演奏に約39分を要する大曲でもある。5つのノヴェレッテも同様な作風の作品だが、活発な部分も見受けられ四重奏曲よりは幾分親しみ易いかもしれない。タニエフなどと合わせ19世紀から20世紀かけてのロシアの弦四の歴史を知る上では、欠かせないアイテムになるかも知れない。ユトレヒト弦楽四重奏団はチャイコフスキーの1番、2番でなかなかの演奏を繰り広げた気鋭の団体である。

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     2011/06/21

    この演奏は、これまで幾つかの組合せで廉価盤が発売されてきたが、この組合せは始めてかもしれない。メンデルスゾーンの交響曲で有名な2曲をピックアップしたのかもしれないが、個人的には5番も同様な扱いをして欲しいと思う。
    イタリアはBPO時代に再録しているが、個人的にはこちらの演奏が好きだ。CD初期時代の録音だが、当時としては最新のCD化プロセスを経て初回盤を発売している。従って初回盤の国内仕様の全集を持っているなら、SHM-CD化された本品は不要なのかもしれない。だが、それでも僅かな改善を期待したい場合は、廉価盤並の投資をするのも良いかもしれない。適切なプライスだと思う。

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     2011/06/21

    このCDを聴くとツィマーマンがいかに素晴らしく、多数の指揮者との相性が良いアーティストであることが分かる。ショパンとは異なる華やかさや、リストに求められる技巧面とのバランスが上手くとれているように感じてしまう。小澤、BSOのサポートは少し個性的で、好き嫌いを感じている人もいるかも知れない。80年代の録音だが、まるで90年代の録音のように聴こえてしまう。私は、このCDの初回盤を買ってない(廉価盤で購入)ので、オケの独特の雰囲気は演奏ではなく、CD化のプロセスによる音質変化が原因なのかも知れない。SHM-CDのCDの実績を考えると、上記の点が初回盤時のニュートラルな状態に限りなく近づくので、音場間が大きく変わる可能性があると思う。

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     2011/06/21

    何れの曲もCSO時代にCBSレーベル録音している。このCDではテンペストとスラブマーチが遅めのテンポで、ロメジュリと1812年が中庸のテンポ運びになっている。BPO時代のアバドの特徴の一つであるフレーズの出だしの音量を抑える演奏様式はCSO時代の演奏と大きく異なる点である。この制動が最も印象に残るのがロメジュリの愛のテーマが提示された直後の経過部分。ちょっとやりすぎで、もう少し弦の鳴りが欲しいと思ってしまう。BPOはカラヤン時代とは全く別のオケのように感じてしまう。DGサウンドではあるけれど、スケール感よりは精密感を捉えた演奏になっている。SHM-CD化でこうしたニュアンスがどのように変化するのか?その真価が問われるCDになることだろう。

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     2011/05/13

    時にフランスのベートーヴェンとも称されるオンスロー。最近は録音される作品の数も増えてきている。本盤で最も編成が大きいノネットはMDGやCPO盤でも楽しめるが、本家ともいえるフランスのティパニーレーベルからは初登場と言うのは意外な感じがする。ノネット以外は、弦楽器ではコントラバスのみが加わると言う編成は少し風変わり。作品番号のない五重奏のみが木管楽器のみで、いわゆる木管五重奏となる。
    録音は上記2種の録音と比べるとクリアで、各楽器の分離が良く感じられるが、残響もそこそこに収録されているので、デットでバリバリに各パートが聴こえるという感じの録音ではない。六重奏と五重奏が上記2種のCDでは収録されてない作品となる。

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     2011/05/07

    初期のCDではNAXOS創設初期の録音も含まれます。同じくNAXOSから出たハイドン交響曲全集の初期CDを聴けるなら録音面での不安は解消されるでしょう。私が本全集の重要性に気付いた時には、貴社頁も含め、国内各販売ルートで大半のエディションが入手不能となっていました。リーマンショック時の円高を利用してドイツ、イギリス、フランスの各サイトから注文し大半を入手しましたが、第18集、第36集はそれでも入手出来ませんでした。この2枚を入手し終えたのは昨年の秋までかかりました。もちろん円高傾向とは言え、正規品をバラで入手するにはそれなりの費用と労力を要しました。有名なワルツ、ポルカ、マーチ、序曲は他の録音でも補えますが、ロマンス第2番のような作品は本全集でなければ聴く事はできないし、その他の珍曲もVPOのニューイヤーのライブ盤で一部は聴く事が出来ても、セッション録音で聴けるのは本全集のみでしょう。ワルツを鑑賞するに当ってワルツ王の作品は基本中の基本、シュトラウスファミリーや彼らのライバルを追うにしても、チャイコフスキー、レハール、ワルトトイフェルを聴くにしても、やはりワルツ王シュトラウスJr.を意識せずにはいられないでしょう。
    今回の全集再発売はネックだったコストパフォーマンスも解決してくれてます。恐らく、今後、このような全集が録音されることはないでしょう。本当に偉業と言える全集の再発売です。

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     2011/02/27

    本曲には他に音友、日楽からもポケットスコアが出ている。音友、日楽ともB5版で一回り大きいサイズだ。また日楽は100円程度安価である。R.シュトラウスの場合、オケは大編成なのでB5版の方が有利と思いがちだが、実際に3社の現物を見比べると、B5版サイズである必要性は必ずしも感じない。むしろ、一回りコンパクトな本版は、クライマックス部分でサイズ目一杯に楽譜が描き込まれており、音符等が濃く印刷されていて見易さを大いに感じた。難点は他の2社版より解説頁がやや少ない事である。スコアとしての見易さは本版が一番と感じた。

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     2011/02/26

    アバド/VPOによるベートーヴェン交響曲全集と並行して録音された音源。発売当初は2枚組みだったが、その中から比較的知名度の高い曲をピックアップしたもの。録音期間が比較的離れている為に曲によって残響の状況が異なるが、DGサンドである事は変わらない。VPOのキラキラと光るような明るい響きで統一されている。エグモントやコリオランのように競争盤が多い曲は、同時期に録音された他の指揮者による演奏の方が王道と言われるかもしれないですね。録音時期が遅いレノーレ序曲などはSHM-CD化で残響がどのように変わるか。またアインツ・ネグラーがエンジニアを担当していた時期の音源の変化にも注目です。

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     2011/02/18

    悲愴は86年か85年の録音で超スローなテンポが当時話題となった音源。オリジナル盤は悲愴のみ収録でした。最晩年のバーンスタイン特有の音楽運びによる特徴な演奏です。第3楽章の堂々たる最後のマーチは、正に最後の力を振絞ったような感じ。イタリア奇想曲は84年テル・アビブでのライブ録音。こちらのテンポは標準的で、中間部などは突進過ぎの感があります。オリジナル盤のスラブマーチ、ハムレット、1812年(合唱なし版)とのカップリングからのピックアップです。IPOとの録音は残響がかなりデットだったので、今回のSHM-CDでどのような変化が起きるのかは、こうご期待といったところでしょうか?再投資としての優先度は少し下げたいところです。

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     2011/02/13

    Sixteenにもこんな時期があったのだなーと思わせてくれるCDです。美しさや録音センスの良さは、やはりSixteen。流石です。今回の2つのミサでは4声のミサの方が全体的力があって良い感じです。5声のミサも決してレベルが低い演奏ではないのは当然ですが。

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     2011/02/13

    サン=サーンスとラフマニノフのピアノ曲の組合せと言うのは異端的に思ってしまいます。前半と後半を対照的にドラマを描こうと言う考えかも知れないですが、唐突感を感じます。サン=サーンスのピアノ曲は音源が殆どなく、このCDでも時より録音される練習曲集がウェーイトをしめてます。残りは貴重な音源になります。ラフマニノフはもっと優秀な演奏で聴くことが可能な選曲になってます。
    マイクはピアノに近めで、タッチをある程度明瞭に伝えるような録音ですが、幻想的な部分では想像以上に残響が綺麗にとられています。これなら、もうほんの少しだけ、タッチが不明瞭になっても、残響を重視した音場作りの方が良かったのでは?と録音面では少し惜みを感じます。

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     2011/02/10

    LP時代のデジタル録音だったにも関わらず、当初、CDがなかなか発売されないと言う奇妙な経緯を持った音源でした。輸入盤仕様での国内盤発売ではグリーグの冒頭のピアノソロの抜けが悪かったのですが、音源のOIBP化で、その弱点は幾分解消されましたが、今回のSMH-CD化で音質がどのように改善されるか楽しみです。もちろん演奏は折り紙つきですが、カラヤンのサポートには賛否が分かれることでしょう。

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     2011/01/19

    待ちに待ったCHANDOSのホルスト・シリーズの日本組曲。もう聴くしかないでしょう。80年代末から90年代初めにかけて続々とリリースされた同シリーズですが、なぜか日本組曲は収録されず立ち消え。久々の再開でしたが、ヒコックスが急死でどうなるかと思ってました。やっと出ますね。日本組曲のCDとしてはPCレーベルのものが、いまだに現役盤なので本当に貴重な録音です。当時、DECCAレーベルが国内盤ではLONDONレーベルとして発売されていた時代。きっと歴史的なCDとなるでしょう。

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