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2011/12/11
ビバルディの「四季」と言えば私の年代ではミュンヒンガー/シュトゥットガルトCOやこのアーヨ/イ・ムジチ(1959年録音、アーヨ当時26歳、演奏タイム春11’12,夏10’32,秋12’25,冬9’01)の四季から入ったわけですが、ことイ・ムジチ盤では以降の再録よりこのアーヨのもの(本当はアーヨ・ソロ分は本盤ステレオ録音以前にモノラル録音されている)がその艶やかなソロと共に頭にすり込まれており「最高」レベルであります。イタリアの突き抜ける青い空を当時新鮮に思わせた初めの方にどうしても引き摺られ他の注目すべき演奏盤も続出して(今やHMVカタログだけでも250種類以上の盤があるようです)、同じイ・ムジチでも後発組は割を食う感じなのは仕方ないのでしょうか・・・。ミュンヒンガーはドイツ風ガッチガッチなのに対して重心はこれよりやヽ軽めに対照的に透き通る明るい音色のきっちりしたイ・ムジチのこの演奏は価値としては永遠だと思います。オリジナルジャケットデザインは本CD盤では採用されていませんが採用盤もあります。なお、再録分のデータは参考の為メモしておきましょう。1955年録音分・・・アーヨ(モノラル、タイム春10’16,夏9’51,秋11’37,冬8’36)、1969年録音分・・・ミケルリッチ(タイム春10’59,夏10’40,秋12’20,冬9’12)、1982年録音分・・・カルミレッリ(タイム春10’50,夏10’04,秋12’10,冬9’05)、1988年録音分・・・アゴスティーニ(タイム春10’39,夏10’51,秋11’54,冬8’49)、1995年録音分・・・シルブ(タイム春10’49,夏11’01,秋11’39,冬8’49)とタイムだけ見ても微妙な変化があり演奏そのものも(私は未確認なのですが)特に後年分はバロック室内管弦楽団に浸透し出したピリオド楽器とその奏法の影響を大なり小なり受けたのでは・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)