【インタビュー】志磨遼平(毛皮のマリーズ)【3】
Monday, March 8th 2010
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圧倒的な存在感でインディーズシーンを暴れまわっていた毛皮のマリーズ。いよいよ彼らがメジャーへ進出!各社争奪戦の中、“好きな数字をいれなさい”と白紙の小切手を手渡したコロンビアと破格の契約金で契約(あくまでも志磨氏談です。。。)、メジャーへ殴りこみをかける、ロックンロールの伝道師・志磨遼平にインタビューを敢行!長いです!!
- --- そしてその挨拶代わりともいえるメジャーデビューアルバムを引っさげてツアーも行うと思うんですけど、今回のリリースツアーはどれくらい廻るんですか?
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志磨遼平(以下、志磨):どれくらいなんですかね…(スタッフさんに確認して)17くらいです。
- --- ロックンロール伝道師として、どんな感じのツアーにしていきたいですか?
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志磨:それはもう、あれじゃないですか?「バカでかいトラックから機材が下ろされ、今夜のショーのためのステージが組まれる…街中のガキどもにチケットがばらまかれた。ドカドカうるさいロックンロールバンドさ。」1番。まだ、2番3番あるんですけど(笑)そういうツアーですよ!もう、カワイイ子とかいたらホテルのルームナンバーとか教えるわけですよ。ホテルには僕らのコスプレをしたガキどもがうろついてるわけですけども、我々は裏口から入って、ワンナイトラヴを営んで、朝のチェックアウトに遅刻しちゃうんですよ。そしたら、マネージャーが叩き起こしに来て、「ちくちょう!ゆっくり眠れもしやしねぇ」って言って、どっこらしょとステージに上がるっていう。
- --- また今日もやるかっていう(笑)
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志磨:「しゃーねぇな!ガキがうるさいぜ!」って(笑)…そんな妄想っていうツアーですね(笑)健全にいくと思いますけど(笑)ホテルでDSとか(笑)ルームナンバー教えるなんて、みんなチキンなんで誰もできないですけど(笑)
- --- ありがとうございました!って、あの…割とすんなりまとまっちゃったんですけど(笑)
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スタッフさん:あれ?意外ですね(笑)
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志磨:俺、途中で自粛したんですよ。「あっ、これダメだ!」って(笑)
- --- では、最後にHMV ONLINEをご覧の皆さんに一言頂いても宜しいですか?
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志磨:(長い間考え込んで)年配の方には、「ご無沙汰しています。ロックンロールです。」若い方には「はじめまして。噂のロックンロールです。」…じゃないですか(笑)
- --- おおー、いいじゃないですか!!
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志磨:若い人はそういうのを見たことがないわけでしょう?武道館でロックンロールバンドとか。僕もストーンズくらいとかしかないですけど。今度AC/DC来るんですけど、僕らビデオでしか観てないですから。CHEAP TRICKとかDEEP FOREST、KISSとか…年配の方には「ご無沙汰しています」じゃないですか?やっぱり。「帰ってくるぜ!メインストリームにロックンロールが!」…若い子には雑誌とかyou tubeでしかお会いしてなかったドカドカうるさいロックンロールバンドっていうのが…やってます(笑)
- --- いやー、最高ですね!きれいにまとまってます(笑)
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志磨:ああ、よかった(笑)
- --- 他に喋り足りないこと、ありますか?
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志磨:なんでしょうかねー… なんか逆にないっすか?
- --- う〜ん…、全然関係ないんですけど、ちょっと気になったのが… 新宿とか歩いてて職質とか受けませんか?
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志磨:今のところは大丈夫ですね。やっぱり、人相が変わったんですよ!!ずっと同じ髪型で服も変わらないですけど…僕、50mくらい先のコンビニ行って帰る間までに3回職質されたことがあって(笑)「これ伝説!記録や!」と思ってるんですけど(笑)待て待て…と。何やったらトランシーバーいらんやろ!と。大きい声出したら聞こえるで!と(笑)そこの警官に…見てたやろ!むしろ!っていう(笑)何でもう一回止めんねん!っていうことがありまして…(笑)
- --- 完全に嫌がらせですよね(笑)
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志磨:で、帰ってきたら、また「すいません」って言われて、「さっき…!」って言ったら「あっ、失礼しました」って(笑)
- --- (笑)それ、いつ頃の話なんですか?
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志磨:「Faust C.D.」くらいの時ですね。その時は病んでたんじゃないですかね。病み始め。
- --- 「Faust」ですからね…
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志磨:っていうことは、だいぶ朗らかに、健康的に(笑)顔変わったっていうのはよく言われますね。あの、グレースさんっていう女性のドラマーで、沢田研二さんのバックバンドとかやってらっしゃる方がいらっしゃるんですけど。そのグレースさんが占いとかオーラが読めるんですよ。最初に会った時、僕ジュリー大好きやし、普通におしゃべりして。そして「先が見える」って言われたんですよ。「ライブを見ていて、あんたが出している音の先に景色が見えたから、そのまま続けたらいいよ」って。で、久々にあった時に会うなり「大丈夫?」って言われて、「ええっ?」ってなって。僕は「まずい!」と思って、全然大丈夫じゃないですから…「何がですか?何がですか?」って。バンドのメンバーにも会ってないのにですよ!状況も知らないのに「周りの人がみんな心配してるから…」って。「なんかいろいろ大変みたいだけど、がんばりなよ!周りも気にしてるから」って。「うわぁ、ごめんなさい!ごめんなさい!」みたいになって。これは結構前の話なんですけど。で、最近はよく「顔が変わったね」って言われます。
- --- グレースさんに今の状況で会ってみたいですよね。
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志磨:そうですよね。会いたいですよね…治ったかな?って。あっ思い出した!!グレースさんに「目をじっと見て」って言われて、じっと見てたら「彼女…若い」って言われて(笑)「ええっ!」って。
- --- へぇ〜!(笑)
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志磨:うちの彼女は天真爛漫で明るい子ですけど、本当に当たってて、そこから延々とずっと彼女の話をするんですよ。知ってるかの如く。その子は全部周りを持っていくような…台風の目みたいな。それに巻き込まれるのもいいし、しっかりせんと持って行かれるみたいな…いろいろ全部言われて。そんなんまで全部見えるらしいですよ。
- --- いるんですね…そういう人が…。なおさら近々にでも会ってもらいたいですね。
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志磨:そうなんですよ!
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スタッフさん:なんかテレビの先でも見えて、テレビの画面の中でもわかるらしいですよ。テレビ出た時に今どうだったとかわかるみたいで。
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志磨:ええー!すげぇ…恐ろしいなぁ…
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スタッフさん:連絡来るかもよ、テレビ見たって(笑)
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志磨:「いいんじゃないの?」って(笑)
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スタッフさん:そこでダメだって言われたら、一番痛いですけどね(笑)
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志磨:「今の会社やめなさい」って。細木数子的な(笑)
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スタッフさん:断言されちゃったり(笑)
- --- 「やめときなさい」(笑)
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志磨:「地獄に行くわよ」(笑) …何かあります?他に。
- --- じゃあ、今後の野望を…
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志磨:野望ですか!なんだろう…。
- --- 毎回語ってますけどね。
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志磨:そうですね…そんなにスケールのあるものはないですね。欲しい本とかね(笑)そういうのしかないですね。
- --- 単純にヒットチャートとかで上位を狙うとか…
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志磨:あっ、それは計画ですね。野望じゃない。そのためにはリアルに何をすべきか、っていう。野心家じゃないんや…。策略家かな。
- --- そういうのをちゃんと話す人ってあまりいないじゃないですか。
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志磨:そういうのもご無沙汰ですよね。オリンピックじゃないですけど、全部数字で出るのが一番分かりやすくて、僕は好きなんですけどね。音楽家にはあるまじきじゃないですけど。一人でも多くの人が俺の曲を聴いてくれる人がいたら歌うし…みたいな人は僕にはよくわからないです(笑)CD何枚売り上げ、ライブ何万人動員、一日に何曲も曲を作り…そういうスポーツマンシップに則りやっていきたいですけどね(笑)
- --- 本当にそういう人がいないので、がんばってもらいたいです。
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志磨:音楽は全然数字で測れるものでもありますよ。THE WHOのライブ中のMAXの音、何ホーンとかね。あれギネスに載ってるらしいですからね。今はまた違うバンドかもしれないけど。世界一とか「イチ」ってわかりやすくていいですね。「あなたの心の中の…」みたいなのはあんまり。そういうのはお好きにやっていただいて。「イチ」はみんなの「イチ」ですからね。そういう野望はありますね。
- --- 最近気に入っているアーティストはいますか?
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志磨:えーっと、本当に聴き初めなんですけど、僕「はっぴいえんど」ダメだったんですよ。
- --- へぇー、意外ですね。
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志磨:みんな好きじゃないですか。みんな好きすぎて、みんなに「良い良い」って言われて、あまのじゃくだから聴いてなかったっていう。聴いても良さがわからなかったんですよね。でも、関西フォークは聴けたんですよ。上田正樹さん、有山じゅんじさんとか。友部さんとかはっぴいえんどはよくわかっていなくて。なんとなく良いっていうのはわかっているんですけど。それは多分地域性であの感じがよくわかんなかったんですけど、東京に長いこと住むと分かってくるんですね。「東京人」なんですよ、もう。で、東京の人は「成り上がる」みたいなものがないでしょう?きっと。全部ありますし、集中してますから。別に何も起こらなくても十分満たされて生活できるんですよね。むしろ生活っていうのを「愛でる」っていう。で、僕らは生活っていうのを「捨てる」っていうのを考えるんですよね。田舎を。生活を捨てて、スターダムにのし上がるなり…っていうすごい違いがあって…その違いなんですよね、多分。それで、僕はもう立派な「東京人」で(笑)最近聴いたらすごい良くて。大瀧詠一さんとか。「なるほど、これを言っていたのか」と思って。
- --- 音の洗練された感じとかも違いますよね。
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志磨:そうなんですよ。音の感じ、演奏の感じ、歌詞の感じ。泥臭い感じのばっかり好きだったんですけどね。
- --- 東京はガッついた感じじゃないですもんね。
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志磨:そうですね。ガッつかないですね、東京は。だから、最初は話が全然噛み合わなかったです。最近、噛み合うようになったんですけど(笑)来たばっかりのときは全然違いましたね…
- --- 岡林さんのはっぴいえんどが後ろでやってた時は、ガッついてた感じがしましたね。
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志磨:そうそう!そうですね。今、岡林さん自給自足ですもんね。やっぱ、そうあるべきなんやろうか…日本人は…。なんか楽しみなんですよね、歳をとるっていうのが。野望とかじゃないんですよ。「エイドバック」とじゃないですけど、そういうのにすごい興味があって。自分が自給自足とかしてたら、めっちゃウケるじゃないですか(笑)和太鼓と三味線の人と一緒にやってたりとかね。「オイサ!」とか言って(笑)ちょっと想像つかないところが楽しみですね。ミーハーだからいかにもそういうことやっていそうで。
- --- では、今日はありがとうございました。
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志磨:ありがとうございました!
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