【インタビュー】志磨遼平(毛皮のマリーズ)【2】
Monday, March 8th 2010
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圧倒的な存在感でインディーズシーンを暴れまわっていた毛皮のマリーズ。いよいよ彼らがメジャーへ進出!各社争奪戦の中、“好きな数字をいれなさい”と白紙の小切手を手渡したコロンビアと破格の契約金で契約(あくまでも志磨氏談です。。。)、メジャーへ殴りこみをかける、ロックンロールの伝道師・志磨遼平にインタビューを敢行!長いです!!
- --- 若い子達が初めて触れるロックンロールは、「毛皮のマリーズ」になっているんでしょうね。
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志磨遼平(以下、志磨):でしょうね…そういうバンドが永らくいないですからね。僕らが中学校の時とかはハイロウズとか…ミッシェルとかもそうなんでしょうか?でも、ここ10年くらいいないかもしれないですからね。
- --- そうですね。…うーん。
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志磨:でもロックンロールが好きな人の間で、ずっとライブハウスにいたので、そんな気もしないですね。20代過ごしましたけど。それが行き届いていない地域があるっていうのは…ユニセフみたいな感じで(笑)辺境の地まで行きますよ、我々は!メジャーっていうのもきっとそういうことなんでしょうね。網が。手っ取り早いじゃないですか。集団爆撃ですよ。草の根活動じゃなくて(笑)
- --- 「黒猫チェルシー」みたいなバンドが出てきているのも…
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志磨:うん、素敵なことですね。ロックファンとしては嬉しいです。
- --- それを考えるとケガをしたっていうのは、良かったってことですか?
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志磨:ねー!なんかタイミングも。発売日にわざわざ折らんでもね…(笑)
- --- すごいタイミングですよね… 今回のアルバムは実際にレコーディングに録りかかったのはいつ頃なんですか?
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志磨:えーと…いつ頃なんでしょうか?11月とかでしたっけ…秋ぐらいですね。9月ぐらいからスタジオ入ってコチョコチョやりだして。あんまり曲を貯めるってしないんですよね。ストレスとかジレンマを一気に抱えて、全部解消したいんで。常に抱えたくないんですよ、僕は(笑)。だから、「作るで!」ってなってから、曲がこんだけありますからやりましょうってなって。それをメンバーに1曲ずつ伝えていくっていう。
- --- 先程もおっしゃっていましたが、今回のレコーディングも苦労されたんですか?
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志磨:でも、今回は新しい苦労もあったんですけど…録音するスタジオがものすごく良いスタジオで。楽器とかも借り放題なんですよ。それは夢のようなことで…今までだったら、例えば「木琴入れたい!」って時にないですから(笑)キーボードのプログラムに入ってる木琴の音とか、あとはギターで似たような音を出す方法をものすごい研究したりだとか…それはそれで面白かったんですけど。「ちょっと1円玉でいいから弾いてみ!」みたいな(笑)すごいレコーディングオタクなんで、いっぱい秘技を持っているんですけど。マイクの当て方にこだわったりだとか。
でも今回は「すいません、木琴ひとつお願いします」って言うとシャって来て、それを叩ける人が来て、「こういうフレーズです」って言うと、「ポンポンポン」って…「うわー、頭の中で鳴ってる音まんまだわ!」っていう。今までにあったストレスは解消されて。それはそれはすごい気持ちよかったですけど。ラッパ入れたいなーってシンセに入ってるラッパの音ってカッコ悪いし…だから今までブラスを入れたことがなかったんですけど。僕は古いソウルとか好きなので、ずっとホーンセクションに憧れがあったんですけど、ずっと出来てなくて、でもそれが今回初めて出来て。そういうのは良かったんですけど、さっきの木琴やサックスのようなゲストプレイヤーの方とかに、短期間で集中して僕がすごく大切にしていることを預けるっていう…「僕の曲をどうかお願いします」っていう、それが初めてのことで。自分の曲を他人と共有して仕上げるっていう。
エンジニアさんも今まで1人いたんですけど、ほとんど僕らがレコーディングとかミックスも半分くらいやらせてもらって。すごい好き放題やっていたので、それを全部人に任せるっていうのは初めてだったので…すごいそれは悩みましたけど。悩むと悪いみたいな…「あなたはそう思うんですね」「そういう考え方もあるのか」みたいな。「なるほど、それもアリなんじゃないかな、ちょっと待ってください」って考えたりとか。僕が全然良くないなっていうテイクが「良かったよー!」とか。「え、だって今そんな音程ブレブレの息とかハアハアですよ」とか言っても、「それが良いんやんか、流れがあって良かったわー」とか。「あ、そういう意見もあるのか」とかいろいろありまして、勉強になりました。 - --- 今回初めて第三者の目から見たものが出来た感じなんですね。
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志磨:そうなんですよ。日常生活もあんまり第三者と「飲もうぜ!」とかあんまりないんですよ。だから第三者とガッチリ関わるって、誰もが10代、20代がやってることを今さらやってるっていう(笑)バンドメンバーも中学からの同級生ですしね。そういうのが今まで全然したことなかったですね…恐ろしいことに。そういうの、今出来てますね。組織っていうと怖い感じがしますけど、学校とかもそうじゃないですか。社会っていうんですかね…それにちょっと足を踏み入れて、それにとても満たされているっていう感じの毎日っていうか。今まで全部自家発電だったので。「おもしろいことないかな」っていうと、僕が曲を作ってくれるっていう…「おもしろいなー、ライブしようか」っていう。で、退屈せずやってたんですけど、今はさらに面白いですよね。人が刺激をくれるっていう。とても幸せなんです、今。
- --- それを聞いちゃうと、今の状況も飽きちゃいそうな(笑)
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志磨:それはどうでしょうねえ(笑)今までは飽きてすぐやめるって自家発電だったんですよね。でも、今回はそういうのじゃなく「責任」っていう刺激があったわけですよね。「継続」っていう刺激とか。これを若い時の僕が聴くと「ケッ」っていうと思うんですよね、たぶん。でも、それに対して「お前、まだわからへんやろ」っていう(笑)「なめるなよ」と。「すごいおもしろいよ」と言いたい。
- --- 実際に音を録り始めてからの期間はどれくらいだったんですか?
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志磨:うーん…1ヶ月半くらいですかね。最後の方が長引いちゃって。
- --- 今回のジャケットは出来上がってるんですか?
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志磨:上がりかけですね。昨日ちょうどサンプルが出来て見せてもらったんですけど…すごいっすよ。撮影はもう全部終わってるんですけど、もうエライことになってますよ!
- --- おおっ、それは楽しみですね!
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志磨:PVもジャケットも。そうなんですよ、今までは着たい服があっても買えなかったけど、今回は全部可能になりますからね。だから声を大にして「メジャー!」って言うのもいいんですけど(笑)とりあえずデビューして、いろんなことをいろんな人とやらないと…
- --- やりたいと思い描いている欲求は満たされているっていう感じですね。
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志磨:そうです。やりたいことがあったら(メジャーに)来ればいいのにって話ですよね。「ライブハウスで!」とか「DIYで!」みたいなことよりも、すごい自由で贅沢で。しかもそれでお金貰っている人ばっかりですから、みんな才能あるんですよ。前は「写真撮って欲しい」ってなったら、ちょっと写真かじってる子に写真撮ってもらったり、「服欲しい」ってなったら、ちょっと裁縫できる子にやってもらったりとか。それはもちろん、本当に感謝してますけど。だけど、今は服のことでお金を貰っている人だとか、すごく評価されているカメラマンであったり、PVとかいろいろ「何とか学校の学生」ってわけじゃないですから。それはそれはすごいですよ。ずっと待ってたわけです、僕はそれを。だから本当に楽しいです。
- --- そういう意味でのストレスがなくなるのって大きいですよね。
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志磨:そうですね。「こういうふうになればいいなあ」ってならなかったこと、いっぱいありましたからね。
- --- 今回のアルバムのタイトルはセルフタイトル「毛皮のマリーズ」じゃないですか。それは意味があるのですか?
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志磨:いや、まあ単純にファーストが(インディーとメジャーで)2枚になるってことですよね。それがややこしいっていう。「どっちの?」ってなるときに、便宜上っていうのがひとつと(笑)あと、ストーンズとかみんなファーストはセルフタイトルが多いですし。で、意外とつけてなかったんですよね、僕ら。
- --- そういえばそうですよね。
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志磨:で、実はこっそり昔から考えてたりして…デビューの時までとっておこうっていう(笑)
- --- アルバムの音も原点回帰のような感じがしました。
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志磨:そうですね。一回再確認っていうのはありましたね。すごい昔なんですけど、曲が作るのが好きなんで、曲がボコボコボコボコ出来るんですよ。テンポもジャンルの関係なく、いろんな曲調のものがあったんですよ。で、そのデモテープを某レーベルの方が気に入ってくださって、「うちから出さない?」って話になって。「マジっすか!やったー!」って、いいですよって言って、すぐ解散したんですよ(笑)「ごめんなさい、解散しちゃいました!」って言って。「でも、それの100倍良い曲と100倍カッコいいバンドを作ったんで聴いてください!」って聴いてもらったら、「いやー…」って言われて。「ええー!」って(笑)「むちゃくちゃカッコいいでしょ!今の方が!」って(笑)そしたら、レーベルの方は「いや、いいんだよ。いいんだけど、よくわかんないね」って言われて。何が分からんかって言ったら「住所がわからん」って言われたのが、すごい未だに残っていて。
- --- (笑)
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志磨:で、その方は良いように言ってくれて、「例えば、君の住んでるところが全くわかんないんだよね。出所、住所が。そうすると、こっちがハガキを出そうとするよね。届かないよね?」って言われて(笑)「なるほど!」(笑)
- --- 周りくどい感じですけどね(笑)
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志磨:「住所なかったら不便っすねー」ってなって(笑)住所なかったら仕事も出来ないですしね。住所不定だといろいろ困るよって言われて。「とりあえず住所決めなさい」って言われて、話がなくなったっていう…それ、今さら思い出しますよね。住所をハッキリさせるっていう。これ録って、これ録って…グチャグチャやってるとまた住所不定になりますから(笑)改めて「はじめまして」っていう。「私たちはこういうロックンロールバンドですよ!ごきげんなロックンロールバンドですよ!」っていう。ロックっていってもうるさいのとかいろいろありますからね。みんな好き放題言いますからね。「古典的なロックンロールっていうものをやっております。毛皮のマリーズです!」っていうアルバムですね。
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毛皮のマリーズ - 4月21日 発売
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