集大成的な内容が聞き応え有り。最後の『イングランドのロズモンダ」からのアリアが楽しい。非日常を味わえる逸品。最近の歌手にない超ど級のスケールはさすがの一語に尽きる。技巧とスペクタクルに酔いしれたいときには格好だ。豪華なブックレットが超お徳。

ＤＧでの初のお国ものとあって国内盤を待ちきれず購入。 予想通りのすばらしさ。さすがゲルギエフとの息もぴったりであらためてネトレプコの華麗でありながら陰翳に富んだ美しさはロシアという国が生んだ賜物であることに気づいた次第。収録曲もありきたりの民謡集などではなくすべてオペラ、歌曲集などからの選曲でめったに聴けないナンバーでありながら美しい曲が多く一気に聴かせる。やっぱりネトレプコは最高！！

彼女の声は、個人的には好みではなく、他の歌手（ディミトローヴァさん等）と比較してしまいチャイコフスキー等は今一歩と感じてしまいますが、以前の彼女のアルバムと比べると、しっくりきます。中でも一番すばらしいのは、プロコフィエフの歌劇からのもの！物憂げで美しくてひきこまれる旋律です。テノールのD.Voropaevさんの声が実に魅力的です。　ゲルギエフ指揮なので濃厚一辺倒かと思いきや、意外と穏やかな雰囲気でした。今回の曲ならば極彩色（ゲルギエフの指揮に良くある感じ）は不適切かと思うので、今回はこれで正解ではないでしょうか。

森美佳さんの歌は初めて聞いたが、大変柔らかく伸びの良い美声で、 心地良く聞ける。R.シュトラウスなどの表現力も奥深い。 ピアノ伴奏のサポートも抜群で、質の高い演奏に仕上がっている。 録音の音質も良い。

オーディオ評論家の村井さんの言葉、以下引用（少々厄介な試金石。あなたの装置で、有山の声が女子大卒業コンサート・レベルに聞えるようなら、各種セッティング、ルームチューン、ケーブルの引き回しなどの再検討をおすすめする。わが家の場合は、おおよそ1時間半で、「彼女のたぐい稀なる資質」が聞こえてくるようになった。「このハードルは、意外と高いぞ」と、まさにこれはチェックＣＤ。） 友人の装置も、わが家のラジカセ、いつもの喫茶店でも女子大卒の声でしたが、自分のオーディオ装置では素晴らしく鳴ったので安心。

宇野さんはオケの指揮よりやはり声楽の方がいい。このＣＤ、アマチュア合唱団で技術以上に「歌心」を大切に、今日も練習にはげんでいる人たちに勧めたい。そういう人には、このＣＤは宝になるのでは。アマチュアの一団員が、とりなおしなしのライヴでこれだけ「無私」になって歌いきったことは驚異的。ＴＴさんへ。この名録音に、ピアノがペラペラに聞こえるなんて、あなたのオーディオ装置を公表してからレビューをかいてほしいです。

宇野さんは演奏を聴いただけで、音楽、芸術に対する奏者の姿勢、心構えをすぐ見抜いてしまうのだから、大したものだと思う。風貌も含め評論家というよりも、厳格な教師たる存在。でもざっくばらんな話好きの側面も持ち合わせている。やや線が細く教師臭さが鼻につくことがあり、その辺で批判・非難を浴びることがあるのだろう。自分も昔、日本女声cho.やカラコレスcho.のCDを何回となく聴き込んだものだ。ちなみに宇野さんはジャズなんてきかないのかなあ・・・。

多くの方の高い評価と購入数、そしてとりわけジャケットの清楚で美しい姿から、とても楽しみにしていた一枚です。大好きな曲ばかりで、繰返し繰返し拝聴いたしましたが、有山さんの声のどこかに些細な違和感を感じてしまい、心からの喜びに浸ることができずにおります。もしかすると、大変なこだわりをもって製作をされたように記されてる録音方法等に問題があるのかもしれません。 是非リサイタルに出掛け、生演奏でお会いしたいとおもいます。

joeさんの「専門的になり過ぎた結果、原初持ち得たものから乖離」は言い得て妙！このＣＤは「技術第一主義」の方は聴くべからず。特にcalafさんのレビューを読むと、かつて７０年代朝比奈＝大阪Ｐのレコードを技術面から酷評した評論家を思い出します。日本の音楽界への宇野さん最大の貢献は、アマチュアと「アマチュア精神」をバカにせず、クラシックを技術一辺倒でなく「魂」で聴きさまざまな名演に光を当てたこと。このＣＤは、よさの分かる人だけが静かに聴き、癒されればいい。有山さん。不当な評価は無視して！続編を気長に待ちます。

ホ−ルのライブ収録よりスタジオ録音の方が、有山の声と歌唱力をモット上手に活かせたのではないか？あの有名な 鮫島由美子は声の残響がデッドなホ−ル録音を避けて、コロンビアの録音スタジオを選んで日本唱歌の全集を制作した理由が其処にあると思う。 でも実直で精一杯歌っている有山の姿勢に新鮮な感動を覚える。