「ファリネッリのためのアリア集」　ジュノー(Ms)ヤーコプス＆ベルリン古楽アカデミー

〜HM GOLD エディション〜
ハルモニア・ムンディ・フランス創立50周年

ハルモニア・ムンディ・フランスは2008年創立50周年を迎えます。これを記念して、HM GOLDエディションが始まります。選りすぐりのタイトルを、新たに書かれ編集された充実のフルカラーブックレット（欧文）と、豪華装丁ディジパックで再上程。再リリースながら、歌詞（欧文のみ）もきちんと掲載されております。さらに裏ジャケットには、オリジナル・ジャケット写真も掲載されているなど、どこまでも心配りの行き届いたシリーズです。
　もちろん価格はお買い得価格。ハルモニア・ムンディが誇るカタログが目白押しです。（キングインターナショナル）

ヴィヴィカ・ジュノー、鮮烈技巧炸裂！
カストラートのために書かれたアリア集

カウンター・テナーの大御所、ルネ・ヤーコプスが惚れ込んだ、カストラートなみの音域の広さを持つメゾソプラノ、ヴィヴィカ・ジュノー。
　アラスカ生まれの彼女の歌唱力は、ヤーコプスが惚れ込んだだけあって、素晴らしいの一言。最初、ロッシーニやドニゼッティなど、ベルカント・オペラで高い評価を獲得した彼女は、やがてバロック・オペラでも絶賛を博すようになります。
　かつて、カストラートが誇った、幅広い音域と素晴らしいコロラトゥーラは、去勢手術をしない現代にあっては、１人の歌手の声では再現不可能といわれており、ほかならぬファリネッリを描いた人気映画《カストラート》においても、カウンター・テナーとメゾソプラノの２人の声を合成することによってなんとか再現していたというのが実情。
　ところが、このヴィヴィカ・ジュノーは、そのカストラートなみの音域の広さと素晴らしい歌唱力のおかげで、ただ１人で、伝説のカストラート、ファリネッリのレパートリーを再現し、その力量を遺憾なく発揮しているのです。
　取り上げられた曲目は、1730年から36年にかけて、ロンドンとヴェネツィアにおいて歌われたもの。取り上げられた作曲家も、ファリネッリとのつながりが強い人ばかりです。
　たとえば、リッカルド・ブロスキはファリネッリ（本名カルロ・ブロスキ）の兄。
　ハッセはナポリ楽派の重要な作曲家で、このディスクに収録された「この甘き抱擁もて」のようなファリネッリの代表的レパートリーを残しています。
　ジャコメッリも同様にファリネッリの代表的なレパートリーを書きました。
　ポルポラはファリネッリの師であり、あの大作曲家ヘンデルも舌を巻いたライバル。声楽教師としても作曲家としても秀でていたという人物です。（キングインターナショナル）

【収録情報】
『ファリネッリのためのアリア集』
・ポルポラ：オルフェーオのアリア『いかなる苦悩からも』（歌劇『オルフェーオ』）　・ブロスキ：ダーリオのアリア『忠実な霊よ、我もまた』（歌劇『イダスペ』）
・ブロスキ：『戦場のあの兵士』（歌劇『イダスペ』）
・ジャコメッリ：ファルナスペのアリア『おお神よ』（歌劇『シリアのハドリアヌス帝』）
・ガルッピ：4声のための協奏曲ハ短調
・ポルポラ：『甘く清々しいそよ風』（歌劇『ポリフェーモ』）
・ポルポラ：『今や嵐の雲が』（ハッセ：歌劇『アルタセルセ』への追加アリア）
・ハッセ：アルバーチェのアリア『この甘き抱擁もて』（歌劇『アルタセルセ』）
・ジャコメッリ：エピディーデのアリア『あの夜鳴きウグイスは』（歌劇『メローペ』）

　ヴィヴィカ・ジュノー（メゾ・ソプラノ）
　ベルリン古楽アカデミー
　ルネ・ヤーコプス（指揮）

　録音：2002年1月、ベルリン（デジタル）