マルクス・ワーグナー/独奏チェロのための組曲集
古今東西の独奏チェロ作品の中でも、かなり珍しい3つの組曲が選ばれているこのアルバム。最初のフーゴ・ベッカー[1864-1941]はストラスブールで生まれたチェリスト、音楽教師、作曲家ですが、彼については作品よりもチェリストとしての活動がより知られています。1914年から1921年まではアルトゥール・シュナーベルが率いるシュナーベル三重奏団のメンバーであったり、一時期はブゾーニ、イザイとともに三重奏団を結成していたこともありました。ユリウス・クレンゲル[1859-1933]はライプツィヒ生まれのチェリスト。彼は長い間ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席チェリストを務めたことで知られています。ポール・トルトゥリエ[1914-1990]に関しては説明の必要もないほどに偉大なチェリストです。この3人が作曲したチェロのための作品は、やはり素晴らしく魅力的なもの。もちろん、時には20世紀的な音楽語法も聴かれますが、基本的にはロマンティックな音楽です。
チェリスト、マルクス・ワーグナーはいくつかの国際コンクールを制覇、アウグスブルクのモーツァルト音楽院でチェロ科のクラスを持ち、現在はニュルンベルク音楽大学でも教えています。(SOLO MUSICA)
【収録情報】
・ベッカー:幻想小曲集『森の精の暮らしから』 Op.14
森のささやき−Allegro moderato
山の巨人のそばで−Moderato
人魚と森の悪魔−Andante- Allegro grazioso- Andantino- Allegro grazioso
無駄な憧れ−Adagio
嵐の中で−Furioso
・クレンゲル:組曲ニ短調 Op.56
前奏曲
シチリアーノ
ガヴォットI & II
サラバンド
インテルメッツォ・スケルツァンド
フーガ
・トルトゥリエ:組曲ニ短調(1945年版)
前奏曲
アルマンド
クーラント
サラバンド
ブーレ
ジグ
マルクス・ワーグナー(チェロ)
録音時期:2012年10月11日、2013年4月15日、8月2日
録音場所:ドイツ、Apostel Petrus Kirche in Neuhaus/Schliersee
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)