リソナンツァ〜現代チェコ室内楽作品集　エングリチョヴァー、ヴェヴェルカ、カハーネク

退廃的なムードが充満
オーボエ、ハープとピアノが織り成すチェコの現代作品集

チェコの現代作品を集めたアルバムは、オーボエのヴェヴェルカの言葉に拠れば、「20世紀後半という時代、戦後40年におよぶ東西の分断により、「鉄のカーテン」の内側でヨーロッパの文脈から「護られてきた」音楽」という特色を持っています。
　ヤン・ハヌシュのトリオはハープ、オーボエにピアノの組み合わせがいざなう妖しい世界。エングリチョヴァーがチェコ初演を果たし、作曲者ぺトル・エベンの70歳の誕生日を記念して、初のCD録音となる『リソナンツァ』。日本語で「共鳴」という意のハープ独奏曲は、モーツァルトの『ドン・ジョヴァンニ』の初演地プラハにちなみ、オペラからメヌエットの引用がされるという仕掛けが施されています。収容所で散ったパヴェル・ハースの『組曲』は、第２次大戦の勃発した1939年秋に作曲されたもので、革新的なピアノ・パートと、心に強く訴えかけるオーボエとが強烈な印象を残します。（キングインターナショナル）

【収録情報】
ハヌシュ：
・トリオ・コンチェルタンテOp.59b〜オーボエ、ハープとピアノのための (1978)
・ソナタ・クアジ・ウナ・ファンタジアOp.61a〜オーボエとピアノのための (1968)
エベン：
・ハープ独奏のためのリソナンツァ (1986)
・オルド・モダリス〜オーボエとハープのための (1964)
　（イントラーダ／エア／リゴドン／サラバンダ／ジーガ・ダ・カッチャ）
ハース：
・組曲〜オーボエとピアノのための (1939)
　（I.フリオーソ、II.コン・フオーコ、III.モデラート）
　カテジナ・エングリチョヴァー（ハープ）
　ヴィレム・ヴェヴェルカ（オーボエ）
　イヴォ・カハーネク（ピアノ）

　録音時期：2008年11月11,18-19,23,30日、2009年1月19日
　録音場所：プラハ、ボヘミア・ミュージック・スタジオ
　録音方式：デジタル（セッション）