犬神家の戸籍 「血」と「家」の近代日本

遠藤正敬

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784791773954
ISBN 10 : 4791773950
フォーマット
出版社
発行年月
2021年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
222p;19

内容詳細

「家族」とはなにか?その系図に刻まれた欲望と不条理。飛び散る血しぶき、耳をつんざく悲鳴、謎かけを込めて“展示”される死体―。犬神家を襲った怪奇な連続殺人事件の背景には、何があったのか?物語を読み解くカギは「戸籍」にあり。血で血を洗った一族の系譜を丁寧にたどりながら、社会に根強く残る「血」や「家」の秩序と価値観を炙り出し、近代日本の陰に光をあてる。

目次 : 序章 『犬神家の一族』の読み方/ 第1章 「犬神家」とは誰か―家族制度の転換期の物語/ 第2章 犬神佐兵衛の戸籍―孤児に始まり、家長に終わる/ 第3章 婚外子がいっぱい―犬神佐兵衛の落とし種/ 第4章 養子たちの命運―日本ならではの「家族」/ 第5章 戦争と個人の戸籍―事件捜査を左右したものは/ 終章 犬神家の戸籍が映し出す「日本」―愛憎入り混じった一族の“系譜”

【著者紹介】
遠藤正敬 : 1972年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。博士(政治学)。専門は政治学、日本政治史。現在、早稲田大学台湾研究所非常勤次席研究員。宇都宮大学、埼玉県立大学、東邦大学等で非常勤講師。著書に、第39回サントリー学芸賞を受賞した『戸籍と無戸籍―「日本人」の輪郭』(人文書院)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    貧窮からのし上がって成功した男は、金と権力で多くの女に子を生ませるものなのか。堤康次郎には遠く及ばないが犬神佐兵衛も女を性欲処理の道具としか見ず、庶子ばかり儲けて愛情を与えなかったため死後に家族内で殺し合いを招いた。そんな状況を「血」を管理する戸籍から見てみると、犬神家の事件は戦後間もない時期に設定されたからこそ起こったのだとわかる。怪物のような人の欲望の前には、法など無力でしかない。他の作品でも男の身勝手が残した子が殺人動機になる例が多いが、自身が複雑な血統の家に生まれたことが書かせたのは明らかだろう。

  • yamatoshiuruhashi さん

    「犬神家の一族」の問題の震源地を旧民法、明治民法、そして事件当時は既に施行されていたはずの現民法における規定から探る。新聞書評で目を引いたのだが、読友さんのレビューも参考に取り掛かる。「家」と「個人」、家族への愛情の有無、或いは現れ方、などから、財産の行方と人間関係を解き明かす。一読しただけでは分かりにく「犬神家の一族」をテレビ版、映画版などと比較し、家系図なども使用して理解しやすくなっている。結局は著者の民法観、家族観に行き着くのだが、その賛否は別にしても面白いアプローチである。興味深い一書。

  • たま さん

    読友さんのご感想に惹かれて。『犬神家の一族』を例に明治民法と現行民法の戸籍の規定を比較し解説する。戸籍は日常生活と関わりが深いのに良く知らない人が多い−と慨嘆している私も半可通。なので知識や疑問が整理され、とても面白かった。孤児・棄て児の戸籍、婚外婚・婚外子の扱い、婿養子縁組と入夫婚姻など。戸籍制度は今や日本、中国、台湾だけ。相撲部屋はじめ日本社会にはお馴染み感のある婿養子システムも世界では珍しいようだ。家制度に拘る政治家が今なおいるのが私には不思議。犬神家の戸籍も複雑だが横溝正史の戸籍も複雑で驚いた。

  • あたびー さん

    戸籍の専門家の先生が、複雑怪奇な犬神佐兵衛とその一族の関係を民法に照らし合わせながら解読した本です。なんか、原作小説以上に頭がクラクラする🤪私よりずっと若い先生なのに、書きっぷりが大時代なのは法律の文言に引きずられているのかな。ともかく横溝正史の実家の家庭が犬神家以上に複雑怪奇なのはわかりました。しかし松竹梅シスターズの母親である籍も入れない女性らを3人も囲っていたのに、それ以外の女性が青沼菊乃しかいなかったと言うのも不思議。死んだ私の祖父にはそれこそ何人いたのやら🤣庶子がいなくて幸いでした😅

  • 金吾 さん

    好きな本に関係した話ですのでかなり期待値が高かった本です。著者の横溝好きを感じつつ、戸籍に関する本を何冊か執筆されている人らしいアプローチを楽しめました。また高峰松子のインパクトは同感です。横溝さんの戸籍の話が一番の驚きです。

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