夜更かしの社会史 安眠と不眠の日本近現代

近森高明

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784642039314
ISBN 10 : 4642039317
フォーマット
出版社
発行年月
2024年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
266p;22

内容詳細

夜間も活動するようになった都市住人は、眠りについてどんな認識や習慣、商品を生み出してきたか。その変遷を追い、夜に眠る/眠らないことの両方を同時に要請する産業社会での人びとの生活と睡眠との関係史に迫る。

目次 : 安眠/不眠を欲望する社会/ 1部 眠らない工場の出現―生産領域の不眠化(規範化する睡眠とロマン化する不眠―二〇世紀初頭における睡眠言説のマッピング/ 「夜なべ」の近代史/ 夜業と興奮剤の二〇世紀―ヒロポンからコーヒーへ)/ 2部 眠らない街の出現―消費領域の不眠化(夜の消費文化と商業照明/ 盛り場と安眠妨害―夜間レジャー施設の営業音の問題化過程)/ 3部 安眠を支えるモノたち―睡眠の商品化(寝床を電化する―「電気あんか」の技術社会史/ 時間の再魔術化と呪術的なモノの蘇り―「寝かしつけ」をめぐって)/ 4部 眠りの人工的制御という夢―睡眠の資源化(覚醒と睡眠のあいだを生きる―坂口安吾の覚醒剤と睡眠薬/ 夢の勉強法としての睡眠学習)/ 眠りのコントロールからマネジメントへ―二〇〇〇年代以降の睡眠言説

【著者紹介】
近森高明 : 1974年愛媛県に生まれる。現在、慶應義塾大学文学部教授

右田裕規 : 1973年島根県に生まれる。現在、山口大学時間学研究所准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • パトラッシュ さん

    江戸後期から農村で商品生産労働の夜業が奨励されたのは、照明用の松根油を無償調達できたからとは初めて知った。逆に火事を恐れた都市の夜間労働は進まなかったが、電灯の導入で一気に普及した。そんな夜に働く人のために興奮剤の需要が生まれ、戦争や軍需工場向けにヒロポンが常用された。日本で覚醒剤が麻薬の中心なのも、この歴史あればこそか。こんな時代が続くと睡眠の質が問われるようになり、夜間騒音規制や電気あんかが導入されたり睡眠学習機が流行したのだ。人類は20世紀以降、夜更かしが可能になったことで別の生き物になったのかも。

  • 鯖 さん

    戦時中、軍需工場は24時間動いてて女子どもも一日中働かされてたとか、ヒロポンは注射が主体でプラシーボでブドウ糖チューってやるのが治療法だったとか、非効率で豊かな時間を享受するための赤子の寝かしつけとか、眠くなるからヒロポン使い、はっきりしすぎて不眠になるのでアドルム飲んで寝て、眠気が残るからヒロポン呑むの繰り返しな安吾たちとか、ちびまるこちゃんの睡眠学習法とか。

  • takao さん

    ふむ

  • さゆう さん

    街灯や電気の普及、そして、経済の発展と軍事力増強に向けた生産性向上目的の夜勤の発生などして、昼と夜の境界線がなくなった。当時は眠気を克服するために、ヒロポンといった覚せい剤を使用することが推奨されている。一方現代に近づくにつれ夜更かしは当たり前のものとなり、短い睡眠時間を質でカバーする取り組みや睡眠学習など睡眠をより効率的かつ効果的に利用しようという風潮がある。かくいう私もそういった考え方を少なからずもっている。いかに睡眠が時代にその意義を問われ続けてきたか、知ることができた。

  • ツクエカジリ さん

    資本主義社会はその普及以来、一貫して人間の営為と思考の効率化・合理化を推進してきた。 それは「睡眠」という行為にも持ちこまれ、幼児の寝かしつけや睡眠学習など、幅広く効率化が追求された。 これはもちろん今でも進行中で、なんていうか、睡眠に限らず広く「健康であること」って、少しでも効率よく利益を生み出すための規範、みたいな社会的背景もある。アンチも含めて。それが「マネジメント」「ライフハック」のお題目の元に、より個人化、日常化しているだけなんだろうな。 タイトルのゆるっとした印象とは違うけど、ええ本っした。

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