柔術狂時代 20世紀初頭アメリカにおける柔術ブームとその周辺 朝日選書

薮耕太郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022631152
ISBN 10 : 4022631155
フォーマット
出版社
発行年月
2021年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
339p;19

内容詳細

20世紀初頭のアメリカで生まれた、ジャポニズム、日露戦争、大衆消費社会などを背景とする柔術・柔道の大流行。そこには嘉納治五郎の期待を背負って米大統領に柔道指南する柔道家もいれば、レスラーとの異種格闘技試合に挑む柔術家もいた―。柔術が格闘技や護身術としてばかりではなく、健康や美容の手段ともみなされた理由。アメリカ人小説家の手によって生み出された摩訶不思議な柔術教本とその圧倒的な人気。柔術の寵児の栄光と転落からみえる、好意から敵意へと至るまなざしの変化。講道館四天王と呼ばれた山下義韶と富田常次郎のアメリカでの活動と、彼らですら否応なく巻き込まれた熱狂の渦。大野秋太郎に前田光世という若き柔道家が嘉納の教えを破ったがゆえに切り開いた別様の柔道の可能性。世界が柔術・柔道に熱狂した時代を、豊富な図版資料とともに描く。

目次 : 第1章 熱狂のとば口―ジョン・オブライエンと20世紀初頭のアメリカ/ 補論1 世界大戦と柔術―リッシャー・ソーンベリーを追って/ 第2章 柔術教本の秘密―アーヴィング・ハンコックと「身体文化」/ 補論2 立身出世と虚弱の克服―「身体文化」からみた嘉納治五郎/ 第3章 柔術家は雄弁家―東勝熊と異種格闘技試合を巡る物語/ 補論3 私は柔術狂!―ベル・エポック期パリの柔術ブーム/ 第4章 柔道のファンタジーと日露戦争のリアリズム―山下義韶と富田常次郎の奮戦/ 補論4 日本発祥か中国由来か―「日本伝」柔道を巡って/ 第5章 「破戒」なくして創造なし―前田光世と大野秋太郎の挑戦/ 補論5 「大将」と柔術・「決闘狂」と柔道―南米アルゼンチンにおける柔術や柔道の受容

【著者紹介】
藪耕太郎 : 1979年兵庫県生まれ。仙台大学体育学部准教授。2002年、立命館大学文学部文学科(英米文学専攻)卒業。2011年、立命館大学大学院社会学研究科(応用社会学専攻)博士後期課程修了。博士(社会学)。専門は体育・スポーツ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ゲオルギオ・ハーン さん

    柔道がどうして国際的に有名になったのか以前から疑問だったこともあり、本書の『柔術狂』という言葉には好奇心をくすぐられた。本書は柔術と柔道の日本から世界への伝播と現地での受容の様子を資料により丁寧に調べることで格闘技史といえるくらい興味深いものにしている。私は格闘技について詳しくないため、そもそも柔術も柔道も同じものだと思っていたが、まったく違うものであり、展開していくうえでどちらに優位性があるかまで雑誌や新聞上で口論していたというのだから驚いてしまった。

  • サケ太 さん

    かつて、柔術・柔道は欧米にて一大ムーブメントを起こしていた!作者はこれを柔術狂時代として、柔術・柔道がアメリカにてどのように受容され、ブームとなり、衰退していったのかを描く。だけでなく、活躍した人物たちのエピソード。主な舞台のアメリカだけでなく、日本は勿論、フランス、まさかのアルゼンチンまで。“柔道”が世界に広がっていく前段階。筋肉信仰に始まり、日本の優位性の強調からの敵視。レッテルを貼られつつ、それを利用してきたための凋落。柔術・柔道に、価値を見出だした柔術狂たちの面白さ。やはり嘉納治五郎が好き。

  • ピオリーヌ さん

    フォロワーさんが絶賛していただけあり大変面白かった。大衆消費社会が形成されゆく時期のアメリカにおける柔術と需要の様態、帝国主義の時代性や日露戦争を介した日本への眼差しが印象的。UFC等格闘技好きにもお薦め。

  • 志村真幸 さん

     アメリカ文学研究からスポーツ史に進んだということで、ほかにはない切り口と発想で書かれている。  いかに20世紀初頭のアメリカで柔術/柔道が流行り、あっという間に廃れていったかが、無数の資料をもとに論じられている。  ヴィジュアルな資料が大量。  よくこれだけ調べたなというくらいの 圧倒的な情報量だ。  そして柔道というものがもった広がりや可能性についても踏みこんでいる。  優れた研究だ。

  • sataka さん

    20世紀初頭にアメリカで柔術ブームがあったという事実がまず面白い。語られている柔術伝道者たちの活躍は武勇伝の趣があるし、オリエンタリズム、身体文化、日露戦争前後の日本に対するまなざしの変化等多くの論点から見るブームの顛末は興味深かった。ただ、ところどころに挟まれるナショナリズム批判や女性論は取って付けた感があった(出版社の意向か?)。あとがきにあるカットされたパラグアイの話がすごく愉快そうなので、なんかの機会に本にしてくれませんかね。

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