水道が危ない 朝日新書

菅沼栄一郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022950390
ISBN 10 : 4022950390
フォーマット
出版社
発行年月
2019年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
204p;18

内容詳細

日本の水道事業は世界のどの国も経験したことのない未曽有の危機を迎えている。しかし、日本国民のほとんどがこれに気づいていない。過疎地での簡易水道の窮状、頻発する老朽水道管漏水事故、水余りでもてあまされるダム、繰り越される赤字…。収入減少下、大量更新投資時代の“水道の現実”に迫り、待ったなしの解決策「ダウンサイジング」を先進地に学び、自然の浄化力を活用する「緩速濾過法」から、“おいしい水”の供給を考える。

目次 : 第1章 現代の水道 3つの顔(少人数で奮戦 簡易水道/ 「水道水を飲もう」東京で動く/ 漏水は全国各地で 北上市の水道管大漏水事故)/ 第2章 水道の厳しい現状と持続に向けた方策(人口減少と水道の使用水量の減少/ 打つ手はダウンサイジングしかない/ 水道管路のダウンサイジング/ 水道事業の広域統合とダウンサイジング/ 一定の人数と良質で経験豊かな人材が必須)/ 第3章 「民営化より統合」先進地から(座談会 ダウンサイジングのトップランナー岩手中部の広域統合は現在も進行中/ 奈良県の「トップダウン」型水道改革)/ 第4章 「水余り」負の遺産(胆沢ダム「建設仮勘定」廃止の決断/ 「水余り」がダム建設を中止に 最前線にいた2人)/ 第5章 「おいしい水」って?(「おいしい水」を作る緩速濾過法を提唱/ 片山善博・元鳥取県知事(68)インタビュー「なぜ?浄水場」こんな時にこそ住民投票)

【著者紹介】
菅沼栄一郎 : 1955年生まれ。東京都出身。朝日新聞地域報道部シニア記者。政治部、「週刊朝日」「AERA」編集部、編集委員など歴任

菊池明敏 : 1959年生まれ。岩手県出身。岩手中部水道企業団参与、総務省地方公営企業等経営アドバイザー。北上市上下水道課長から岩手中部水道企業団に移籍し、同企業団局長を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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世界でもかなり高品質に維持された日本の水...

投稿日:2021/04/09 (金)

世界でもかなり高品質に維持された日本の水道。 後進があまり育っていないことや、日本の人口低下で水道の修繕が追い付かず大変な地域もあるのだとか。 当たり前においしい水道水が飲めている私たちのできることというのがいまいちこの本からは分からなかったのですが、危機感を持ってこの水問題に注視する必要があるなとは思いました。

50バッテリあ さん | 東京都 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ophiuchi さん

    民営化の話かと思ったら、もっと喫緊の課題だった。水道事業のダウンサイジングに取り組むだけの度量のある首長やそれに応える地方議会は多くないだろう。政治家たちのぜひ読んでほしい。

  • makimakimasa さん

    世界で水道水を飲めるのは欧州7ヶ国、南アフリカ、そして日本。その日本は人口減少に加え、節水機能向上(特にトイレは初期タイプ20L→今や4L/回)による使用水量/人の減で、収入減と老朽化の著しい水道のダウンサイジング(水道管と浄水場)は待った無しだ(整備の遅れた下水道事業は10〜20年後に更新投資の時期を迎える)。漏水(有収率で監視)による緊急出動は全国で常態化し現場は疲弊、本書で詳述された北上市の復旧作業(2010年夏、5日間)は壮絶だ。余剰水源も深刻で、富山県には一滴も使われなかったダムが3つもある。

  • ☆やす さん

    日本の水道は「収入減少下の大量設備更新」の事態に直面している。事業のダウンサイジング(施設の統廃合、事業体の広域統合化)しか道はないという。日本では8割を占める「急速濾過(高度浄化処理)」ではなく、昔ながらの「緩速濾過(微生物による自然浄化)」も捨ててはいけないと。「縮小の時代」には、小さな事業体で先進的な事例が先行する。

  • dzuka さん

    日本の水道事業体の危機感を表現した新書。 重要インフラであるはずの水道が、人員不足、ノウハウ不足、資金不足などで、完全に未来に対して不安定な状態であることを、岩手中部水道企業団の職員との対話を通じて著わしている。 水道事業と並んで重要インフラの電気業界は、巨大企業によって運営されているため、ある程度技術が継承され、未来への危機感も共有されているように思われる。しかし、水道業界は、小規模事業者が多く、限界に達しかけている。その点を広く知ってもらうにはよい本であると思うが、広域化以外の視点も欲しかった。

  • 八百蔵 さん

    一つは、過疎化と老朽化の話で、かなり限界に近い事例を示すが、もっと深刻なものがあるとの示唆もある。もう一つは、浄水場の池に藻が繁茂していたらどう思うか?消費者の「便利で見た目キレイ」の優先や完全無欠を求めて、専門性より減点主義に陥る思想への警鐘。

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