書物と貨幣の五千年史 集英社新書

永田希

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087211832
ISBN 10 : 4087211835
フォーマット
出版社
発行年月
2021年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
永田希 ,  
追加情報
:
280p;18

内容詳細

情報化社会の到来にともなって、ひとびとの行動や情報は電子機器上で完結し「見えない」ものになっている。
その最たる例が電子書籍(書物)と電子決済(貨幣)だ。
「読む」「支払う」といった手間をデバイス上で不可視化することで、人間の行動をブラックボックス化しているのである。
ブラックボックスが溢れる時代を、我々はどう生きるべきか。
Pay Payやマンガアプリ の登場から古代メソポタミア文明までを遡りながら、現代思想や文学作品に書かれた様々な「ブラックボックス」を読み解き、不可視化されたものに向うすべを説く。

【岩井克人氏・松岡正剛氏 推薦!】

◆岩井克人 氏(経済学者)◆
若い永田さんが「ブラックボックス」という概念を用いて、現代世界を読み解こうという試みです。
どのようにしたらこのブラックボックスから「生きた時間」を取り戻せるのか?
それは読者ひとりひとりがみずから考えていかなければなりません。

◆松岡正剛 氏(編集工学者)◆
「見えないもの」たちこそ、大事な顛末を動かしてきた。

【主な内容】

第1章 すべてがブラックボックスになる
1.モバイル革命とはなにか
2.スクショとデジタルトランスフォーメーション 
3.インターネット革命が生み出したブラックボックス 
4.管理通貨制度と電子取引が不可視化したもの 

第2章 情報革命の諸段階、情報濁流の生成過程
1.情報革命の諸段階、情報濁流の生成過程
2. ルネッサンスと印刷革命
3.中世以前の書物と貨幣
4.文字・言葉・数

第3章 人間は印字されたページの束である 
1.印象と心像
2.現代思想はブラックボックスをどう扱ってきたか 
3.価値とシミュラークル
4.ブルシットジョブと『生きた貨幣』

第4章 物語と時間
1.文学作品に畳み込まれた「生きた時間」
2.あなたの人生の物語
3.はてしない物語
4.「話」らしい話のない未来 


【著者紹介】
永田希 : 著述家・書評家。1979年、米国コネチカット州生まれ。書評サイト「Book NeWs」主宰。「週刊金曜日」書評委員。「ダ・ヴィンチ」ブックウォッチャーの一人として毎月選書と書評を担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • みき さん

    ★☆☆☆☆

  • 武井 康則 さん

     主にコンピューターを言うのだろうが、複雑な構造や理論など、視覚でとらえられないもの、抽象化されたものをブラックボックスと名付け、それが問題の元凶のように書いている。なんでも見えればいいのか。見えない=悪というのはただの思考停止だ。何の根拠もなしにただ任意の集団にマイナスイメージの名をつけ、その名を連呼する。最近流行の手法。後半は、適当に有名な作品の都合のいい部分を引用し、これでは、社会の仕組みが複雑になって、生きてる実感がないなあとしか言ってない。帯にあるが、本当に岩井克人と松岡正剛は推薦しているのか。

  • gorgeanalogue さん

    電子で。貨幣・書物・物語といったブラックボックスは、記号と表象に代表される外在化の技術である、と考えていいだろう。なかなか面白かったが、そのような「技術」がどういう仕組みで作り出されるのか、なぜ何かを知覚し、扱う・見る・書くときに「それ」についての経験が隠されるのかといったことについては解明しつくされるというわけではない。ただし、「あとがき」で「中途半端」について書いているように、何かの結論を求める、という書き方ではなく(著者の積読本もそうだったが)、

  • ザフー さん

    著者の前著で、「ビブリオトープ」いう造語を触発されましたが、本著では「マトリョーシカル」になりましょうか。「書物と不可知性」を軸に自分の興味の真ん中にある一冊であるのは『積読〜』の流れからも明らかでした。著者の思考は明らかに松岡正剛さん〜編集工学に影響を受けている感じがします。「見えなさ」「未知」を構造に捉えるということは、知の技法としてもはや一般的な気もしますが、本書は貨幣と書物の概念の同語反復性や、複製への警告性などそれらの相似性をテコに、人類史のブラックボックス的入れ子構造を読み解いています。

  • しゅん さん

    考えを広げるほどに、人間の生活は未知のもの(=ブラックボックス)に依存せざるを得ないという認識に囚われる。本書は、コンピューター、書物、貨幣と、歴史上に現れたブラックボックスを記述していく。価値判断は脇に置いて、世界はこういうもんだという把握を細部と概要の両面から描き出す。貨幣における時間の商品化と、「時間は存在しない」の話が両方出てくる。本の中で明言はされてなかったかと思うが、時間こそが人類の発明した最大の謎なのだろうか。3章の理論篇が読んでいて楽しかった。一番人間くさい章だと思った。

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