法学を学ぶのはなぜ? 気づいたら法学部、にならないための法学入門

森田果

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784641126206
ISBN 10 : 4641126208
フォーマット
出版社
発行年月
2020年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
森田果 ,  
追加情報
:
156p;19

内容詳細

目次 : 1 法学を学ぶのはなぜ?(法はなぜ必要か?/ 法のはたらき/ さまざまなルール/ 法を使う/ 法をあてはめる/ 法を使う:応用編/ 法を作る/ 法学ってなに?)/ 2 私がこれを学ぶ理由―先輩からの10のメッセージ(特殊スキルの「法の目」で強くなる(飯田幸子(弁護士))/ そんな君に勧めたい法律学(井田良(中央大学教授))/ 法の二面性と矛盾(大屋雄裕(慶應義塾大学教授))/ 高校生と法(小貫篤(筑波大学附属駒場中高等学校教諭))/ 社会問題への関心が私の出発点でした。(笠木映里(フランス国立科学研究センター研究員・ボルドー大学))/ 古典の具体例をたどる(小島慎司(東京大学教授))/ 社会との具体例を感じる(島田裕子(京都大学准教授))/ 法学を学ぶ理由。何だろう。(松井秀征(立教大学教授))/ 裁判はつまらないか?宮沢賢治への反論(山下統司(学習院大学教授))/ 漠然と“正義”に目覚めて、早や幾年(山城一真(早稲田大学教授)))

【著者紹介】
森田果 : 1974年埼玉県に生まれる。1993年私立開成高校卒業。1997年東京大学法学部卒業。その後、東京大学大学院法学政治学研究科助手、東北大学大学院法学研究科助教授、シカゴ大学ロースクール客員准教授、東北大学大学院法学研究科准教授を経て、現在、東北大学大学院法学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ステビア さん

    面白いけどさすがに高校生には難しいと思う。「法学を学ぶということは,さまざまな制約の下で,先人たちが,ファースト・ベストは実現できないまでも,せめてなんとかセカンド・ベストを実現しようと努力してきた知恵を学ぶことだ。」

  • ねお さん

    高校関連者向けに、道具主義に基づいて、法を社会目的を達成する手段と説明する。立法論における醍醐味を、最善の策(ファースト・ベスト)ではなく複数の次善の策(セカンド・ベスト)のうち、どれが最もましか折り合いをつけながら決めることにあるとし、社会のルールの設定=インセンティブ付与につき、達成目的の吟味と利害関係人の行為予測が重要であることを面白い具体例を挙げて説得する本書は、解釈学よりも立法論への魅力が光る。社会的ルールには法以外にもお金やフリマアプリによる評価等があるとして契約を支える要素の分析も興味深い。

  • Defricheur さん

    筆者の立場によれば、法ルールとは、ことばを用いて社会や人間をコントロールする技術であり、諸学問の知見を利用するなどしながら、社会を望ましい方向へ導こうとするツールであるとされる。実定法からいかなる解釈を行うか・解釈の射程をいかに定めるかという議論を突き詰める、という伝統的であり支配的である法律学のスタンスから一線を画し、法道具主義という新たな「法学」への入門を誘う優れた一冊。

  • 左手爆弾 さん

    法学を志す中高生向けの本。法律は、「◯◯をすれば(要件)、××となる(効果)」という関数的な構造を持つ。この組み合わせによって、インセンティブを作り出し、人々の行動を律するのが法律である。大切なのは、要件や効果の設定を、社会が何を目指すのかという目的に合わせていくことである。このバランスが崩れると、過剰に罰したり、甘くなったりする。法学は言葉を使ってルールを作る。そのため、法の「解釈」と「適用」が問題になる。これも厳密さと曖昧さを併せ持つことで、様々な事態に対応できるようにする。

  • ちくわ さん

    法道具主義の観点から法学を学ぶことの意義を述べる。法学を学ぶと聴くと様々なイメージを思い浮かべることだろうが、本書では、プラスの面もマイナスの面も含んだ「インセンティブ」を前面に押し出して法の意義を平易な言葉で説明していく。実務者の観点から行くと、法を学んだことがないものの、仕事で法に関わることを担当していかねばならない人がまず読む本としてはオススメできる。加えて、それなりに仕事を行ってきた人が、自らの仕事の「作業感」を一歩抜け出すためにも役立つ本だと思う。個人的にはどのような立場の人にも有益な本と思う。

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