“情弱”の社会学 ポスト・ビッグデータ時代の生の技法

柴田邦臣

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784791772186
ISBN 10 : 4791772180
フォーマット
出版社
発行年月
2019年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
228p;19

内容詳細

仕事からヘルスケアまで、生活のあらゆる局面にディバイスが浸透し、常時接続(つながりっぱなし)に疲弊する人びと。一方で、障害者のままならない身体機能を拡張させ、「できない」を「できる」に変えるまったく新しいテクノロジー。高度情報化社会における「強者」、はたまた「弱者」とは、本当のところ誰なのか。従来の情報弱者=“情弱”概念を攪乱させ、現代社会を生き抜くための技法を構想する試み。

目次 : 第1部 “情弱”・“情強”・現代社会(“情弱”とは誰か?―「情報強迫性障害」とマイノリティとしての「情報弱者」/ 社会的マイノリティとデジタル・ディバイド―ポスト・ビッグデータ時代の実像)/ 第2部 ポスト・ビッグデータ時代の技術・福祉・社会(なぜ、“ビッグデータ”は“やさしい”のか―ライフログ・特定健診・介護予防・“自粛される生”/ なぜ、“ビッグデータ”は“愛”なのか―マイナンバー・介護保険・“擬制される生”/ なぜ、“ビッグデータ”は“真実”なのか―AI・Citizenship‐Rated Society・“適正化される生”)/ 第3部 “情報弱者”と“生の技法”の社会学(コンヴィヴィアル・メディア・リテラシー―そして「障害者の自立と共生」から何を学ぶか)/ “情報弱者”となる私たちのために

【著者紹介】
柴田邦臣 : 愛知県生まれ。東北大学大学院文学研究科人間科学専攻修了。専門は、社会学・福祉情報論・インクルーシブ学習論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • hitotoseno さん

    すでに死語と化した感のあるスラングをタイトルにもってきているが、その意味するところは本来の用法とは少々違う。「情弱」とは最新の情報や、その道に通ずる者ならば押さえておくべき知識を持ち合わせていないものを揶揄する言葉だった。しかし、情報があまりに溢れすぎるばかりでなく、フェイク交じりのうわさすら流布するようになった今では、新しい情報を追いかけ続けること自体の意味はどれほどあるのか。仮に最新の情報を手に入れ続けることこそ至上の行為だとしよう。まず最新の情報がある。次にそれを覆す情報がやってきたとする。

  • おーいし さん

    「情弱」という明らかに強い言葉を用いているなりの理由に一定程度の理解を示すことの出来る本書。 正直、情報と福祉とのつながりはわかったような分からないような。ただ、ひとつ考えるきっかけになりました。

  • ぷほは さん

    2019年積み残し。生-権力論はアガンベン以降、どうも倫理学と批評の方に流れていったので、もう一度フーコー(或いはメルロポンティ!)とメイロウィッツ、イリイチなどの議論とのつながりが描かれている。登場する事例やエピソードが興味深く、そこから思考実験を繰り返す手際は鮮やかで、読み終わる直前に偶々シュバンクマイエル『アリス』を観たことも、ちょうどいいシンクロニシティだった。「情報化社会」は「解放」の論理と接続していたのに、今や情報脅迫障害である我々は、情報からの解放を目指す術を、「生の技法」と呼び始めている。

  • Mealla0v0 さん

    「情弱」という切り口で、フーコーの生政治を手立てに情報社会における生存について考察した社会学の研究書。情弱とはここではスラングとしてではなく、我々の情報への脅迫的な態度のことだ。情弱であることを恐れるのは、情報社会での生存に関わるからだ。GAFAやビックデータという情報社会としての現代社会に、著者は介護や障害に関する諸々を重ね合わせ、生存資源の分配と生政治的装置の変質が考察されていて、興味深い。実際、ここで示された問題は現在進行形であることに注意すべきだろう。最後に、それへの抵抗の希望が描かれている。

  • 好きです愛の町かわさき さん

    ネットスラングとして使用される範囲での話でなく、情報と我々の関係性についての論考。M.フーコーの権力装置の辺りの議論を土台にビックデータが我々に向ける顔を読み解き、障害者の存在から「生の技法」を見出す。後半部の相模原市の殺傷事件についてのコラムは何度も読み返してしまった

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