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廃線駅舎を歩く Dj鉄ぶらブックス

杉崎行恭

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784330785172
ISBN 10 : 433078517X
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
杉?行恭 ,  

Content Description

目次 : 北海道・東北エリア(JR北海道標津線 奥行臼駅跡/ 国鉄士幌線 士幌駅跡 ほか)/ 関東・甲信越エリア(国鉄赤谷線 赤谷線跡/ 新潟交通電車線 月潟駅跡 ほか)/ 中部・北陸エリア(加越能鉄道加越線 井波駅跡/ 名古屋鉄道美濃町線 美濃駅跡 ほか)/ 近畿・中国・山陰エリア(官設鉄道北陸線・東海道線 旧長浜駅跡/ 江若鉄道江若鉄道線 近江今津駅跡 ほか)/ 四国・九州エリア(屋島登山鉄道屋島ケーブル 屋島山上駅跡/ 住友金属鉱山下部鉄道線 星越駅跡 ほか)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

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幸いにも何らかのモニュメント的な形で、廃...

投稿日:2021/04/15 (木)

幸いにも何らかのモニュメント的な形で、廃駅の駅舎が保存されている駅たちが、美しい風景写真と、その歴史背景を簡単にまとめた文章で紹介されている。写真はカラーで、撮影年月日も記されているので、資料的な価値とともに、廃駅舎探訪の案内書とも言える。紹介されている駅は、いずれも「保存されている」という条件もあって、平易に訪れることのできるものばかりであり、同様の趣味の初心者向け案内書としても、十分に機能しそうである。紹介されている駅舎は以下の通り。 【北海道・東北エリア】標津線・奥行臼駅跡 士幌線・士幌駅跡 夕張鉄道・新二岐駅跡 札沼線・和駅跡 定山渓鉄道・石切山駅跡 室蘭本線・室蘭駅(旧駅舎) 小坂精錬・茂内駅跡 山形交通・高畑駅跡 福島交通・掛田駅跡 国鉄日中戦・熱塩駅跡 【関東・甲信越エリア】 赤谷線・赤谷駅跡 新潟交通・月潟駅跡 蒲原鉄道・七谷駅跡 筑波鉄道・筑波駅跡 鹿島鉄道・石岡南台駅跡 草軽電気鉄道・北軽井沢駅跡 【中部・北陸エリア】 加越能鉄道・井波駅跡 名鉄美濃町線・美濃駅跡 名鉄揖斐線・黒野駅跡 名鉄モンキーパークモノレール線・動物園駅跡 名鉄三河線・三河広瀬駅跡 【近畿・中国・山陰エリア】 東海道線・旧長浜駅跡 江若鉄道・近江今津駅跡 有田鉄道・金屋口駅跡 姫路市交通局モノレール線・手柄山駅跡 同和鉱業片上鉄道・吉ヶ原駅跡 井笠鉄道・新山駅跡 船木鉄道・船木町駅跡 大社線・大社駅跡 【四国・九州エリア】 屋島登山鉄道・屋島山上駅跡 下部鉄道・星越駅跡 宮之城線・樋脇駅跡 大隅線・古江駅跡    写真も美しく、周辺の関連状況を示す写真なども掲載されていて、わかりやすくまとめられている。現役時の時刻表地図の当該部分などが引用図として紹介されているのも、良いサービスである。本書は、そのような廃線探訪に興味のある人にとっては「入門書」として最良といった位置づけになるかと思う。さて、せっかくなので、私なりの廃駅の魅力を語ってみたい。駅というのは地域の象徴的な場所である。それは、駅がその機能上、人が集まる場所で、物流の中心であるからに他ならない。廃駅であれば、その存在は地域の盛衰を物語るものと言える。かつて必要とされ、地域の中で大きな役割を果たした駅が、その機能を失ったということは、地域が、かつての繁栄の時を経て、エネルギーを失い、静まっていくということである。また、駅は、多くの人にとって、なんらかの思い出にもつながっている。それは、通学であったり、送り迎えであったり、あるいは、人生の大きな転轍点における旅立ちであったりする。廃駅を訪れたとき、私の胸に忍んで来るものは、そういった地域の総体としての、「流れた時の重み」と、「現在の静謐」の対比である。こうして考えてみると、いくつかの廃駅が、地域の要望によって何らかの形でモニュメントとして保存されることは、人の心の持つ感傷の作用に照らして当然のことに思える。そして、それを「保存したい」という地域の意思が、そこを訪れた旅人の心にも、何かを呼び覚ますのである。もちろん、保存されず、朽ち果てる駅もある。いや、その方がずっとずっと多い。その場合、私が感じるものは寂寥の感が強くなるが、それもまた旅情を呼び覚ますのである。私の場合、北海道内を旅しているのだが、例えば萱野駅(幌内線)、忠類駅(広尾線)などは、地域の熱意で保存されているし、沼牛駅(深名線)はクラウドファンディングで保存費を募って保存されている。そのような熱意が叶う駅がある一方で、池北線の駅などは、川上駅、大誉地駅、高島駅など、昭和の味わいを存分に残した美しい駅舎たちが、次々と、いつしか撤去されていき、最後に残った木造駅舎上利別駅は、足寄町が数百万円の保存費用を捻出できず、2016年に解体された。また、炭鉱地帯などでは、産業の終焉とともに、駅だけでなく、町も含めて消滅してしまうものがある。かつて2万人の町があった大夕張はダム底に沈んでしまったし、沼田町の昭和炭鉱は、一般車両が通行できる道路もなく、いまでは行き着くことさえ難しい。たどり着くことさえできない駅舎の場合、私は古い地形図を見て、その盛時と現状を相照らす。また、駅への道がなくなり、叢をかき分けて駅跡にたどり着くようなものもある。深い草木の中に静かに横たわるホームの跡を見ると、これまた流れすぎた時に感慨を催すのである。本書で紹介されているのは、いずれも、程度の差はあるが、保存されている駅舎と言えるだろう。私が前述した「廃駅探訪としては入門書」というのは、そういう点を踏まえてのことである。ぜひ、本書をご覧になる方には、これらの駅の影で、今まさに風化し、この世から姿を消そうとしている駅舎たちがあることも気に留めてほしいと、これは私の希望として思うところです。また、現存する路線が、少しでも多く存続するように、これらの路線を利用して旅を続けたい。

ココパナ さん | 北海道 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • 山猫

    始めに言っておくが、私は葬式テツではない。 さて「廃線跡」をたどる出版物は多いが「駅舎」を訪ねるものは珍しい。読んで行くと「え?あそこ廃線?」という所が少なくなく、いかに国内旅行の際に鉄道を使わなくなったか思い知らされもした本作。 各項に「廃線になる直前」の鉄道路線図が付記されているのだが、いかんせん「国鉄子飼い」の弘済版のものなので、「私鉄」の扱いが冷たい。ここはひとつ、JTB版の路線図とタイムテーブル(ほとんどの駅名も書かれている)も乗せてもらいたかった。 ともあれ、昭和生まれのテツ殺しの佳作です。

  • hana@笑顔満開のわくわく探索人

    旅をしているような気分になれました。昔の路線図が合わせて載っているのもよかったです。

  • Teo

    この本に載せられる以上はそれなりの姿で原形を保っている駅であって、その場合は嘗て駅があったと言うのを残そうとしている意図が働いている。そんな中でもやはり線路に車輌も残しているかどうかで嘗ての駅としての存在感が違う。やはりあった方が圧倒的に良い。但し屋外に野ざらしにする訳であるから定期的なメンテナンスが必要で残す場合にはその為の将来的に継続して発生する予算を確保する覚悟も必要となる。

  • kuni

    昭和世代としてはなつかしさを感じる。 一方で、こんなところにも鉄道があったことに驚く。 石炭だけでなく、石灰岩、材木の輸送に鉄道が重要だったということには、さすがに想像できない。

  • 古本虫がさまよう

    筑波鉄道の筑波駅跡が出てくる。そこは1987年に廃線になった路線駅。土浦から出ていた。この路線は乗ろうと思えば乗れたのに、うかつなことに乗っていない。残念なことをしたと。鉄道廃線の駅舎は、バスターミナル駅になったりしているところもあり、まぁ、なんとか「遺跡」にならず、活用されて残っているのもあるようだ。

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