広告が憲法を殺す日 国民投票とプロパガンダCM 集英社新書

本間龍

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087210316
ISBN 10 : 4087210316
フォーマット
出版社
発行年月
2018年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
199p;18

内容詳細

広告代理店にとって国民投票は「大儲けのタネ」

・電通の「テレビ支配」が存在すると言えるこれだけ理由

・自民党と電通は、日本がアメリカから独立したときからの関係

・巨額のポケットマネーで自民党を応援しようとした電通社長

・改憲賛成派が圧倒的有利な、ダミーネームとフロント団体という「裏ワザ」

・国会決議を無視し続ける「民放連」


「自衛隊員に、誇りと自信を」
「憲法を改正しないと、この国を守れない」

そんなCMが半年間、一方的にテレビで流れ続けるとしたら――?

憲法改正は国民投票で過半数の賛成が必要だが、
現在の国民投票法には致命的な欠陥がある。
海外では多くの国で原則禁止となっている「広告の規制」がほとんどないのだ。

さらに日本のテレビCM市場は、事実上の「電通」一社寡占状態にあり、
その電通が自民党の広告を担当している。
つまり、改憲反対派は“選挙期間”中の「良いテレビCM枠」を確保できず、
改憲賛成派のCMばかり流れる可能性が高い。

元博報堂社員で、原発マネーが原発報道を歪めてきたことを取材する本間龍と、
衆議院議員の政策秘書として国民投票法(民主党案)の起草を
サポートした南部義典による緊急対談! 


【目次】
第 1 章 「国民投票法」とはなにか
憲法論議がタブーだった戦後日本 / なぜ広告規制がないのか / 代理店にとってオイシイ話だらけの国民投票


第 2 章 巨人「電通」が支配する
広告業界のメカニズム
そもそも代理店とは / 「電通支配」が存在すると言える理由 / 電通は自民党を裏切らない


第 3 章 改憲プロパガンダが一方的に流れる
「テレビCM」
改憲賛成派の圧倒的有利をもたらす「スタートダッシュ」 / 改憲反対派に気取られない「ダミー名義」 / 反対派が博報堂に相手にされない可能性 / フロント団体を受け皿にするという「裏ワザ」 / 賛成派のCMだけ安く提供される? / ゴリ押しに抵抗できないテレビ局「審査部」 / 「忖度」の影響は番組内容にも

第 4 章 地方ローカル局での「局地戦」と
ネットで起きる「ゲリラ戦」
値段も安く、審査も緩いローカルCM / ローカル局にとって、電通は「永遠の父であり母」 / 「電通に足を向けては寝られない」 / 広告だと悟らせないネット広告

第 5 章 CM全面禁止が基本の、
「海外の国民投票法」
ナチスへの反省から、国民投票制度がないドイツ / イギリスの制度 「CM全面禁止」と「運動資金の厳格な管理」、各派の「代表チーム」に与えられる特権

第 6 章 国民投票法をどう変えるか
国会の決議を無視し続ける「民放連」 / 本間私案「CM全面禁止」「資金の規制、会計の透明化」 / 南部私案「個人・団体の登録」「バジェットキャップ」 / 「条件付きCM可のA案」「CM全面禁止のB案」 / ファクトチェック機関が必要だ


【著者略歴】
本間 龍(ほんま りゅう)
1962年生まれ。著述家。
1989年に博報堂に入社。2006年に退社するまで、一貫して営業を担当。
博報堂時代の経験から、原発安全神話を作った広告を調査し、原発推進勢力とメディアの癒着を追及する。

南部 義典(なんぶ よしのり)
1971年生まれ。シンクタンク「国民投票広報機構」代表。
2005年、民主党議員の政策秘書として国民投票法の立案に関わり、以後も研究を続ける。慶應大学大学院法学研究科講師(非常勤)を歴任。


【著者紹介】
本間龍著 : 1962年、東京都生まれ。著述家。1989年博報堂入社、2006年退社。原発安全神話を作った広告を調査し、原発推進勢力とメディアの癒着を追及する

南部義典 : 1971年、岐阜県生まれ。シンクタンク「国民投票広報機構」代表。衆議院議員政策担当秘書、慶應義塾大学大学院法学研究科講師(非常勤)を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 糜竺(びじく) さん

    憲法を改正するには国民投票が行われるわけですが、実はその国民投票法には重大な欠陥があるという事です。それはCMや広告の規制が無いと言う事です。それが、なぜ悪いのかというと、何か規制がなくで自由で素晴らしいように感じるかもしれませんが、結局の所、お金をたくさん持っていて使える側の方が大量に広告を打つことができ、国民達を印象操作出来ると言う事です。広告ごときに影響されない、惑わされないと思うかもしれませんが、広告代理店で働いていた本間龍氏によると、CMの影響力は想像以上にハンパないようです。勉強になりました。

  • AICHAN さん

    図書館本。憲法改正には国会で3分の2以上の賛成と「国民投票」で過半数の賛成が必要である。これくらいは私でも知っていた。知らなかったのは、2007年に制定された国民投票法に致命的な欠陥があること。海外の多くの国では原則禁止になっている広告の規制がほとんどないのである。日本の広告業界は電通の1社寡占状態。その電通は70年に渡って自民党と強固に結びついている。自民党が改憲を本気で目指せば、金使い放題のCM流し放題で改憲広告が流れ続けるだろう。元博報堂社員で『原発プロパガンダ』の著者が問題点をえぐり改善点を示す。

  • hk さん

    『安倍政権も佳境にさしかかり憲法改正がジワジワと現実味を帯びてきたが、憲法改正のために不可避な国民投票を規定している法律には不備がある。その不備とは「先進国ではおおむね禁止されている国民投票前の有償CMが日本では野放図となっている」ということだ。この不備を放置すれば、カネにものをいわせた広告宣伝によって国民投票は大きく歪められることになる』 これが本書の趣旨である。今まで思いもしなかった論点だったのですこぶる興味を引いた。確かに改憲か護憲かに関する議論は侃々諤々といった趣があるが、実際どのように国民投票が

  • coolflat さん

    国民投票法、特にテレビCM規制について書いている。改憲賛成・反対の投票を呼びかけるテレビCMだけは投票日の14日前から放送が禁止されるが、それ以外の規制は一切ないという。ネットを含め、あらゆるメディアで広告宣伝活動が自由になり、改憲キャンペーンに注がれる「資金力」と「広告力」で国民投票の結果が左右される、と。また規制には抜け道があり、「国民投票運動のためではないCM」なら投票日14日以後も流せる余地を残している。勧誘の要素を含まないもの、つまりは自らの意見を主張するだけのCMであれば、規制対象から外れる。

  • 梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」 さん

    ▼著者は博報堂元社員と「国民投票」の専門家である。▼2007年に制定された国民投票法の欠陥について述べられている。「広告の規制」が緩く、世論を誘導するようなCMが流し放題となっていると指摘する。▼団体の「資金力」と「広告力」の差が、投票に対する影響力の差につながるという点、確かに非常に危険なことだと感じた。▼この新書で述べられていることは、広告主に支えられている新聞・テレビは絶対に報じないだろう。個々に書かれている事は、学校の公民科の授業で教えておく方が良いと感じた。

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