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ニギハヤヒ 『先代旧事本紀』から探る物部氏の祖神

戸矢学

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309225562
ISBN 10 : 430922556X
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2011
Japan

Content Description

記・紀は神武の建国神話を完成させながら、なぜわざわざ禅譲したニギハヤヒを残したのか。近年、再評価著しい「先代旧事本紀」を解読することで、記・紀最大の謎を解き明かす。

【著者紹介】
戸矢学 : 1953年、埼玉県生まれ。國學院大学文学部神道学科卒。神道、陰陽道、地理風水、古代史研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 世話役

    記紀を読んだ人なら、神武天皇に不自然な形で大和の国譲りをした神としてこの名を記憶されている方もおられるのではないだろうか。天孫の証を所持し、神武以前に大和を支配していた存在。それがニギハヤヒである。正式名称は天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊といい、名に天照の文字が入っている。本書はこのことからニギハヤヒこそが初代天皇であり、スサノオから続く本来の日本の支配者だったのではないかと推論する。古神道の記録は記紀編纂時に処分されてしまったこと、著者が現役の神主であることを踏まえると、なかなか意味深な論考である。

  • おゆ

    神道は本地垂迹の歴史が長く、仏教と習合される前の姿は再現不能だと、当然のように諦めていた。大和ことばの音に還元された神名から、または神社と祭神の関係から、為政者に都合よく改変される前の本来の信仰の在り方と、お馴染みの神々がかつて人間だった頃の歴史が丁寧に解きほぐされていく。その過程に今回もわくわくした。ニギハヤヒは東征の流れの中でも浮いているけれど、ヒルコほどのインパクトはなく見逃しがちな存在なので、目のつけ処が嬉しい。つい先を急いでしまうけれど、次回はメモを取りながら再読してみようと思う。

  • phmchb

    物部氏とその氏神ニギハヤヒの謎を解き明かす書。順番があれだけど、以前読んだ『富士山2200年の秘密』と関連する中身。今度はこれ以前の『ヒルコ』と『ツクヨミ』もおいおい読んでいきます。(*・ω・)ノ

  • ランラン

    物部氏の氏神としてニギハヤヒ神を誕生させた。実体はイタケルとのこと。父王スサノオの命によりイタケル(五十猛)は海路淡路を経て河内に上陸し畿内を制圧(伊国建国)。その後イタケルは神武軍に敗れ伊国の王位を追われ亡くなる。すると大いに災厄・地震が起きたことからイタケルの祟りを鎮めるため石上神社を建立。手厚く祀れば強力な守護神になることは御霊信仰の原理。かつてイタケルが君臨した熊野は地震による津波の被害を繰り返す。そこで新たに海辺に新宮を建立、祟り神となったイタケルを神名「速玉」として祀る。

  • のりきよ

    先代旧辞本紀はかなり物部一族マンセー的な色合いが濃いので、まあおそらく物部氏が編纂したものだろうね。ニギハヤヒが降臨した時に仰々しい一行を率いてきたという記述は自分の家柄に泊付けをしたい物部氏の創作だろうと思うが、多くの国造の由来が記されている国造本紀の部分はかなり資料価値が高いそうなのでまた読んでみよう。戸矢氏の考察は神社や祭神の名前から古代史の真実を探求していくスタイルが多いね。その考察を全て鵜呑みにすることは危険だが非常にワクワクさせられる。もしかしたら紀伊の国に本当に「伊氏」がいたのかしれない。

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