基本情報
内容詳細
「東洋のマンチェスター」と言われた工業都市・大阪には多くの労働人口が集まり、伝統的なお笑いから、よりスピーディでわかりやすい笑いが求められた。その時代的要請を受けて、お笑いのビジネス化をいち早くなしとげたのは吉本せい・泰三の吉本興業であった。吉本が開拓した新たな市場に注目したのが、老舗企業の松竹である。傘下の新興演芸は吉本をこえるスケールへとお笑いビジネスを進化させた。関西地方で地盤を固めた上方のお笑いビジネスは、言葉や文化の壁を乗り越え、東京への進出によって全国ブランドへの飛躍を図った。実はこのような東京進出の壁を破ったのは関西系企業の多くが辿らねばならない道でもあった。なぜ大阪でお笑いが盛んになり、どうやってビジネスにかえられていったのか、社会経済とお笑いの変化を紹介する。
目次 : 1 上方喜劇の誕生―俄から喜劇へ/ 2 上方漫才の誕生/ 3 お笑いビジネスの先駆け―吉本興業のあゆみ/ 4 ライバル・新興演芸の出現/ 5 戦後の上方の笑い/ 6 テレビの時代とお笑い
【著者紹介】
廣田誠 : 1962年、静岡県生まれ。静岡県立静岡高等学校、和歌山大学経済学部卒業。大阪大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得中退。博士(経済学)。下関市立大学経済学部、神戸学院大学経済学部を経て、大阪大学大学院経済学研究科教授。専門は、近代日本経済史・企業家史・商業史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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