『資本論』の核心 純粋な資本主義を考える 角川新書

佐藤優

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784040820903
ISBN 10 : 4040820908
フォーマット
出版社
発行年月
2016年09月
日本
追加情報
:
200p;18

内容詳細

資本主義は強い。これに替わるシステムもない。嫌々ながらもつき合わざるを得ない魔物、その見えない怪物の姿を見えるようにしたのが『資本論』である。『資本論』の肝をつかむことで、私たちは資本に、国家に潰されない生き方を獲得することができるのだ。

目次 : マルクスを読まねばならない/ 第1部 『資本論』の骨格(純粋な資本主義とは何か/ 価値/ 資本主義の構造悪とは)/ 第2部 資本主義の形成(純粋な資本主義の下での商品/ 近代資本主義の形成/ 商人資本による共同体の破壊と建設)/ 第3部 国家の介入(産業革命と労働力商品化の親和性/ 総資本と個別資本、あるいは国家の介入/ 『資本論』の核心―三位一体の錯認の定式とは)

【著者紹介】
佐藤優 : 作家・元外務省主任分析官。1960年、東京都生まれ。85年同志社大学大学院神学研究科修了後、外務省入省。在ロシア連邦日本国大使館勤務等を経て、本省国際情報局分析第一課主任分析官として、対ロシア外交の最前線で活躍。2002年、背任と偽計業務妨害罪容疑で東京地検特捜部に逮捕され、以後東京拘置所に512日間勾留される。09年、最高裁で上告棄却、有罪が確定し、外務省を失職。05年に発表した『国家の罠』(新潮文庫)で第59回毎日出版文化賞特別賞を受賞。翌06年には『自壊する帝国』(新潮文庫)で第5回新潮ドキュメント賞、07年第38回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • かわうそ さん

    ★★★☆☆佐藤優先生はおそらく日本でマルクスを分かりやすく説明していると思う。池上彰さんがマルクスを読みマルクスの本を出したのも佐藤優先生の影響からだ。マルクス経済学とマルクス主義経済学は違う。マルクス主義経済学は資本主義=悪というイデオロギーから経済的に分析する学問だ。そこには共産主義というイデオロギーをプリズムにして世界を見ている。会社の収益が上がったからといって、賃金が上がるわけではないという主張は分かるけれども、まず企業の収益が上がらないと元も子もないとも思う。

  • ビイーン さん

    難解で理解出来ない事が多かった。唯一ハッキリした事は佐藤氏はキリスト教徒であり信仰と宇野経済学の結合を試みているという事。私はキリスト教の教義がこの世の終末論である限り、キリストを完全否定するしかないし、それに基づく西洋哲学にも意味を見い出せない。だから佐藤氏の考えを理解出来ない事は必然なのだろう。

  • 猫丸 さん

    変な本。「資本論」を読み解いた宇野弘蔵の「経済学」を読み解いた、という二重構造になっている。本人の読書ノートを読まされたような感じである。佐藤氏の著書はたぶん初めてだが、その風貌もさることながら、特定の見解を繰り返す書き方からもカリスマ性が立ち昇る気配がある。ファンは多いに違いない。「新自由主義は排除の思想だから、人の知力は衰える」とか、意味はよくわからないけれどそんな気もする。解説書だから内容は薄いのだが、断片的に良いことが書いてある。労働価値説の不合理部分を救済する論理などはそのひとつ。

  • Happy Like a Honeybee さん

    環境は資本や労働力によっても、創り出すことができない。 新自由主義政策の推進と食品虚偽表示。安価な農作物輸入により、労働力の価格が低下し、資本家が利益を見出しうる。 中卒程度の基礎学力があれば、マニュアルで対応可能な現場労働が主流の現代。専門分野に特化した熟練労働者になれば、引く手数多。 資本論は1867年に出版されたが、現代でも引用可能な事が最大の魅力だろう。1000年に一冊の本とは正に。

  • Yuzu さん

    宇野経済学を基にして書かれた「資本論」本。内容は参考資料の原文ままで要約もあるが難しかった。労働力の商品化より資本主義は出発した。資本活動の障害をただ取り除くアナキーな新自由主義は保守主義と対立する。商人資本は封権体制を解体する役割を果たした。個別資本利益を阻害してまでも国家が児童労働の禁止などの労働者保護の各種政策を行うのは,労働者の再生産に影響がないようにする総資本保護のため。資本主義は外的要因により始まったので終焉も外的要因である。そのことから,結局は神次第。「急ぎつつ,待つ」しかないとのこと

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