争わない社会 「開かれた依存関係」をつくる NHKブックス

佐藤仁

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784140912799
ISBN 10 : 4140912790
フォーマット
出版社
発行年月
2023年05月
日本
追加情報
:
304p;19

内容詳細

周りに頼る作法を根本から考え直そう。国家間の戦争、社会の分断、個人同士やネット上の諍いなど、豊かになり余裕ができた時代にも争いが絶えないのはなぜか?国からは「自助」を、市場からは「競争に勝ち残ること」を求められて、個人が孤立無援となってしまうのはなぜか?本書は、その原因が近代人の「自立」への欲求にあったと見て、その陰で見落とされてきた「依存」の可能性を問う試みである。進化論の誤読、対外援助、入会権闘争、生活綴方までを分析し、機能的な中間集団への依存が争いの芽を摘む可能性を示す。分野を超えた視点で切りひらく、社会科学からの挑戦の書。

目次 : 争わないための依存/ 1部 発展の遠心力―「自立した個人」を育てる(競争原理―規格化される人々/ 社会分業―特技を社会に役立たせる/ 対外援助―与えて生まれる依存関係)/ 2部 支配の求心力―特権はいかに集中するか(適者生存―格差を正当化する知/ 私的所有―自然をめぐる人間同士の争い/ 独裁権力―依存関係を閉じる言葉)/ 3部 依存の想像力―頼れる「中間」を取り戻す(帰属意識―踏みとどまって発言する/ 中間集団―身近な依存先を開く/ 依存史観―歴史の土を耕す)

【著者紹介】
佐藤仁 : 1968年、東京生まれ。東京大学東洋文化研究所教授。都立青山高校卒業、東京大学教養学部卒業、ハーバード大学ケネディ行政学大学院修士課程修了、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。同大学院新領域創成科学研究科准教授、プリンストン大学客員教授などを歴任。日本学士院学術奨励賞など受賞。現在、国際開発学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • buuupuuu さん

    たとえ自立が謳われている社会であっても、実際には人々は互いに依存し合っている。それゆえ問われるべきは、自立か依存かということではなく、言葉の陰で人々がどのような依存関係に置かれているのか、どのような依存が危険でどのような依存が望ましいのかということである。たとえば、自立支援を名目にした開発援助は、新たな依存関係を作り出すことを本当の動機にしている。ある種の権力は言葉巧みに他の依存関係を断ち切ることで人々の逃げ道をなくす。そもそも依存とは何かということについて、もっと分析的な説明があればよかったと思う。

  • テツ さん

    最近わりと耳にする「依存先を無数に作ることが何にも誰にも依存していないということ」という考え方。開かれた形、開かれた場での依存を意識して、何か一つにのめり込まないようにするというのが大切なんだろうな。真に独りで自立して生きていくことなど不可能であって、どんな形にしろ人は関係性を構築し互いに依存し合いながら存在している。そうした在り方を踏まえ意識して健全な依存関係を構築していくことが人生を幸福にするための近道なんだろう。たっぷり依存しろ。たくさん繋がれ。それが依存しないための唯一の方法だ。禅問答みたいだな。

  • とある本棚 さん

    著者の開発学の本はいつも新たな洞察を与えてくれるが、本書は正直やや期待外れ、かつ消化不良であった。争わない社会のためには依存先を選ぶことのできる状態(開かれた依存)が必要という主張には首肯するものの、その手段としての「中」の模索、というのは抽象度が高くピンと来ない。また、いかんせん議論が拡散し、各章間のつながりが不明瞭である。学際的に「依存」を捉えるという姿勢は共感できるものの、各学問の知識が断片的に例示されるだけでは読者は消化できないだろう。テーマや着眼点は面白いだけに勿体無い印象。

  • ゆうすけ さん

    題名と帯の写真に惹かれて購入。Amazonのレビューは良くて期待していたのですが、結論これは久しぶりの空振り。T部はそれなりに面白かったのですが、徐々に議論が拡散していって、正直V部は相当厳しかった。八章、九章はちょっとついていけない感じ。依存とか開発に絞って書いて欲しかった。依存は悪で、自立は善なのか。そんな観点から色々な話を聞きたかったです。無念でした。

  • iwtn_ さん

    タイトルに引かれて読んだが、率直に言うと「協力」と何が違うんだろう?ということが良く分からなかった。そういった意味では最近読んだ「信頼と裏切りの社会」のほうが、色々と整理されていたように思う。たぶん開かれた依存関係、効果的なコモンズをつくるためには、それなりのルール作りが必要だし。依存史観というのも、いわゆる特定の人物やイベントだけではなく、背景となる社会を重視した史観ということなので、それほど新しい視点でもなさそう。言いたいことは分からなくはないけど、何故今出版されたのかはよくわからない本。

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佐藤仁

1968年、東京生まれ。東京大学東洋文化研究所教授。都立青山高校卒業、東京大学教養学部卒業、ハーバード大学ケネディ行政学大学院修士課程修了、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。同大学院新領域創成科学研究科准教授、プリンストン大学客員教授などを歴任。日本学士院学術奨励賞など受賞。現在

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