私たちが図書館について知っている二、三の事柄

中村文孝

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784846021795
ISBN 10 : 4846021793
フォーマット
出版社
発行年月
2022年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
306p;19

内容詳細

“図書館・書店”50年の盛衰史。1970年代を嚆矢とする“図書館”の成長を、1990年代から始まる“書店”の衰退を視野に入れて考察する。出版業をとりまく数々の環境の変化を踏まえて、図書館の在るべき姿を模索する対談集!

目次 : 第1部(1970年から2020年にかけての図書館の推移/ 小学校、図書室、児童文学全集/ 戦後ベビーブームと児童書出版史/ こども図書館、石井桃子、松岡享子/ 私立図書館の時代と博文館、大橋図書館/ GHQとCIE図書館/ 国会図書館発足と中井正一/ 慶応大学日本図書館学校、図書館職員養成所、司書課程/ 都道府県立図書館と市町村立図書館/ 『中小都市における公共図書館の運営』と『市民の図書館』/ 日本図書館協会と石井敦、前川恒雄『図書館の発見』/ 『図書館の発見』の再考と意味/ 石井桃子『子どもの図書館』/ 図書館と悪書追放運動/ 日野市立図書館と書店/ 戦後図書館史年表)/ 第2部(1970年代における社会のパラダイムチェンジ/ 電子図書館チャート/ 図書館法制度と委託業務会社/ 官製ワーキングプアの実態/ 元図書館員へのヒアリング/ 竹内紀吉『図書館の街 浦安―新任館長奮戦記』/ 公共建築プロジェクトとしての図書館/ 浦安の地元書店との関係/ マーク、取次、図書館/ 図書館流通センター(TRC)の出現/ 図書館と書店の基本的相違/ 岩崎徹太と岩崎書店/ 村上信明『出版流通とシステム』/ 尾下千秋『変わる出版流通と図書館』/ TRCの現在図書館流通システム)/ 第3部(図書館のロードサイドビジネス化/ 佐野眞一『だれが「本」を殺すのか』/ 『理想の図書館』と図書館営業/ 『図書館逍遙』と「図書館大会の風景」/ 鈴木書店での図書館状況報告会/ 國岡克知子と編集房/ 『季刊・本とコンピュータ』創刊/ 今井書店の「本の学校・大山緑陰シンポジウム」/ 『季刊・本とコンピュータ』の展開と座談会/ 「出版人に聞く」シリーズを立ち上げる/ 卸売業調査に見るTRC/ 本の生態系の変化/ 1970年以降の図書館をめぐる動向とその行方)/ あとがき/小田光雄

【著者紹介】
中村文孝 : 1950年、長野県生まれ

小田光雄 : 1951年、静岡県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 佐島楓 さん

    戦後の日本の図書館におけるGHQの影響と、図書館と書店と取次三者の関係性を知ることができた。このあたりは司書課程を履修した程度の知識ではなかなか得られないことだと思うのでなかなか貴重。官製ワーキングプアとされる非正規雇用の司書職についてはもう少し突っ込んでいただきたかった。

  • おおにし さん

    本屋が減少する要因の1つに図書館とTRCが本の生態系を変えてしまったことという指摘は今まで気づかなかった観点。公共図書館がいつの間にか新刊中心の選書方針になったのは、TRCの新刊流通システムにあったのだった。図書館は貸出冊数増加が市民サービス向上につながるとTRCに依存し、その結果図書館は無料貸本屋になり、街の本屋がどんどん消えていった。本の生態系の変化は当然出版業界にも影響を及ぼし、著者が最後に言っているように、”出版社と本屋が消えて図書館だけ残る”という笑えない未来が本当に来るかもしれない。

  • kum さん

    長く書店や出版に関わってきたお2人が図書館を語る。出版不況の一方で、数も増え建物も大きくなっている図書館。では図書館には図書館で、民間委託による専門性の問題や非正規雇用の問題もある。出版、書店と図書館の共存。しかもどちらも質高く。これにはまだ答えがない。ここに至る経緯を知ったり現状の問題を考えたりと勉強にはなったが、著者が図書館を使う理由を「お金がない」とか「住居が狭い」からと考えていそうな雰囲気はちょっと残念。図書館好きにとってはそういうことではないんだけどなと思ったり。

  • 軍縮地球市民shinshin さん

    出版業界に長くいる二人が、現代の図書館について出版業界の動向と絡めて対談した本。なかなか面白い。図書館界からは無反応のようだが、東大名誉教授根本彰がブログで反論めいたことをしていた。『公共図書館が消滅する日』と同様に、今まで「成功体験」しか語られていなかった「戦後図書館」界の、貸本業界や書店業界、出版業界の犠牲の上に成り立っているのを検証した書といえるだろう。また佐野眞一も指摘していたが、石井敦、前川恒雄といった「カリスマ」を崇拝するあまり1970年代で思考停止している図書館界への痛切な批判でもある。

  • さとちゃん さん

    図書館司書が専門職であるのに非正規雇用の方が多数を占め、官製ワーキングプアの現場となっていること、貸し出し状況と新規購入書籍がエンタメ本(と言っていいかは疑問ですが)の新刊に偏っていること、については問題だと思っていました。図書館がどうして現在のような姿になったのか、お二人のお話で「ああ、だからなんだ」と知ることができのが、本書での一番の収穫。ところで、読書メーターの書影が横向きなのは、なぜでしょう?

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