CD 輸入盤

『ワルキューレ』全曲 クナッパーツブッシュ&バイロイト、ヴィッカーズ、リザネク、他(1958 モノラル)(3CD)

ワーグナー(1813-1883)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
WLCD0247
組み枚数
:
3
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

ワーグナー:『ニーベルングの指環』(分売)
クナッパーツブッシュ&バイロイト1958
素晴らしい音質で登場!

植村攻氏の著書『巨匠たちの音、巨匠たちの姿〜1950年代・欧米コンサート風景』で20ページに渡ってとりあげられ、その様子が克明に記されていることでも知られる「58年リング」がWALHALLレーベルから分売で登場します。
 クナッパーツブッシュは、1951・1956・1957・1958年と4つの年度に渡ってバイロイト音楽祭で『ニーベルングの指環』を指揮しており、そのうちの1951年の上演に関しては『神々の黄昏』しか録音が残されていないため、全曲を聴けるのは1956・1957・1958年の3つの年度のものということになり、それらはすでにCD化されてもいます。
 しかし1958年盤は廃盤で、価格もかなり高いものだったので、今回、廉価な分売で発売されるのは、入手できていなかったファンには非常に嬉しいところです。
 クナッパーツブッシュの3つの『リング』については、これまでにもさまざまな議論が展開されてきました。特にオルフェオ・レーベルがバイエルン放送音源による1956年盤を発売してからは、同セットがHMVオンラインだけで1000セット近いベストセラーを記録するなど、クナの『リング』演奏の認知度が一気に高まった感じです。
 ちなみに1956年は、クナはカイルベルトと二人で『指環』チクルスを担当したほか、クナ単独で『パルジファル』を指揮した年度で、1957年は、『指環』はクナ単独でしたが、『パルジファル』がクリュイタンスと二人、1958年は『指環』『パルジファル』共にクナッパーツブッシュ単独の指揮という年度でした。
 つまり1958年のクナは久々に伸び伸びとバイロイトで振舞えたということになるのかもしれません。肝心のキャスティングは、1957年盤が最も良いという意見が多いようですが、1958年盤も1956年盤も豪華であることに変わりはなく、このあたりは歌手の好みの問題になりそうです。
 懸念される音質は当時のライヴとしては最上級の部類に入るもので、生々しいオーケストラ・サウンドと個性豊かな歌手たちの声がつくりあげるクナ独特の巨大なうねりを感じさせる演奏の姿を過去最高の音質で伝えてくれるのが嬉しいところ。
 先にリリースされた1957年盤もかなり聴きやすいものでしたが、録音技術が日進月歩だった時代ということもあってか、情報量の飛躍的な増大ぶりには驚くほかありません。WALHALLは良質なヒストリカル・オペラ録音をこれまでにかなり多くリリースしていますが、今回のはまさに金字塔と呼べるクオリティです。
 クナッパーツブッシュ・ファンのみならず、往年のオペラ演奏やワーグナーの音楽に魅力を感じる方すべてにオススメしたい見事な『指環』の登場です。

・ワーグナー:『ワルキューレ』全曲
 ジョン・ヴィッカーズ(ジークムント)
 レオニー・リザネク(ジークリンデ)
 ハンス・ホッター(ヴォータン)
 アストリッド・ヴァルナイ(ブリュンヒルデ)
 ヨゼフ・グラインドル(フンディング)
 リタ・ゴール(フリッカ、グリムゲルデ)
 マリア・フォン・イロシュヴァイ(シュヴェルトライテ)
 グレース・ホフマン(ジークルーネ)
 ウルスラ・ベーゼ(ロスヴァイゼ)
 エリザベート・シェルテル(ヴァルトラウテ)
 ロッテ・リザネク(ヘルムヴィーゲ)
 ヒルデ・シェッパン(オルトリンデ)
 マルリース・ジーメリンク(ゲルヒルデ)
 バイロイト祝祭管弦楽団
 ハンス・クナッパーツブッシュ(指揮)

 録音:1958年7月28日(モノラル)
 録音場所:バイロイト祝祭劇場(ライヴ)

ユーザーレビュー

総合評価

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もう何者もクナーを束縛するものがなく、無...

投稿日:2011/03/29 (火)

もう何者もクナーを束縛するものがなく、無窮の彼方まで響き渡る、巨大な圧倒的演奏。嘗てクナーは、ワーグナーの右腕として数々の歴史的初演を行った、バイロイトの法皇、猊下ハンス・リヒターの若き補助指揮者だった。骨身にしみて徹底的に鍛え上げられたらしい、快心の出来の時には「今日の演奏には、リヒターも満足しただろう」というのが口癖だったという。余程厳しい貴重な稽古だったのだろう。ワルターの回想でも、あの後年の大作曲家、若きウイーン宮廷歌劇場の総監督グスタフ・マラーが、宮廷歌劇場にリヒターをつなぎ止めようとして、レパートリー台帳を示しながら、何でも好きな作品をといっている場面が出てくる。練達のVPOから生まれた、マイスター中のマイスターとして、ワーグナーとともにバイロイトで編み出した、リヒターの悠々迫らぬ独自のテンポと間合いは、人間世界のあらゆるものを映し出すことが出来る指揮芸術の絶対的権威となって、弟子のクナーの音楽上のDNAに生まれ変わった。そのバイロイトの生涯最後のリングとなるのを悟ったかのような、余韻を噛みしめながら、ワーグナーのフルオーケストラ全軍が悠々たる歩みを進める、輝かしい歴史的告別の演奏。

黒熊怪 さん | 兵庫県 | 不明

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もう何者もクナーを束縛するものがなく、無窮...

投稿日:2008/12/29 (月)

もう何者もクナーを束縛するものがなく、無窮の彼方まで響き渡るような、巨大な圧倒的演奏。嘗てクナーは、ワーグナーの右腕として数々の歴史的初演を行った、バイロイトの絶対的権威、法皇ハンス・リヒターの若き補助指揮者だった。骨身にしみて鍛え上げられたらしい「今日の演奏には、リヒターも満足しただろう」というのが口癖だった。そのバイロイトの生涯最後のリングとなるのを悟ったような、余韻を噛みしめながら、ワーグナーのフルオーケストラ全軍が悠々たる歩みを進める、輝かしい歴史的告別の演奏。

黒熊怪 さん | 神戸 | 不明

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